Dolls(ドールズ) : 映画評論・批評
2002年10月1日更新
2002年10月12日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹系にてロードショー
男性の思う“究極の愛”ってどないやねん

(C)Office Kitano
つくづく、北野武はロマンチストだと思った。北野監督が初めて純愛に挑んだこの映画。3つのエピソードはいずれも破滅に向う愛。佐和子(菅野美穂)は婚約者の裏切りに自殺を図る。春奈(深田恭子)は顔に傷を負った自分のために、失明した青年に同情する。良子(松原智恵子)に至っては、公園のベンチでン十年も恋人を待ち続けている。ベネチア映画祭で賛否両論を呼んだのも当然だ。恋も人生も謳歌しているイタリア娘が言っていた。「破滅型の恋なんて理解できな~い」と。
と書くと、「これは近松門左衛門の悲恋を現代に蘇らせた」と反論する人もいるだろう。だが見る方にしてみれば、そんなことは知ったこっちゃない。あくまで主人公に共感できるか否かがポイント。以前、その恋が不倫と知り、ショックで万引きに走る女性を演じた某女優が言ってたっけ。「結局それは、男性が描く女性の理想像。そんなに女性は弱くないって」。同感です。
なので北野映画とか文楽だとか、小難しいことは取っ払って「男性の思う“究極の愛”ってどないやねん」ぐらいの気持ちで劇場に足を運んでみては? 物語に異論はあれど、日本の四季を見事に捕らえた柳島克己氏の映像を見るだけでも損はありません。
(中山治美)

関連ニュース
北野武監督、浅野忠信、大森南朋、中村獅童、白竜が“新たな挑戦”を語る 「Broken Rage」オフィシャルインタビュー映像
2025年2月18日浅野忠信×大森南朋 同世代のふたりは、お互いをどう思ってる?【北野武監督最新作「Broken Rage」で共演】
2025年2月13日北野武「映画はじゃんじゃん進化するべき」 約60分の最新作「Broken Rage」は「こんなに短くなるとは」と驚きの新発見!
2025年2月5日浅野忠信&大森南朋&中村獅童らが体当たりの演技を連発! 北野武監督最新作「Broken Rage」メイキング写真公開
2025年1月31日北野武が監督・脚本・主演「Broken Rage」全キャスト発表 劇団ひとりら人気芸人たちが北野組初参加
2024年8月26日北野武監督映画、あなたの“BEST”は? 人気投票の結果発表【狂気の新作「首」公開記念】
2023年11月18日
映画.com注目特集
3月21日更新
【衝撃の問題作】なぜ世界は本作に熱狂する?この村は人を喰ってる――“絶対的支持”の理由を解説
提供:ディズニー
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ
【あまりにオススメされるので、シリーズ未見だけど観てみた】結果は…ハマるまでのリアルドキュメント
提供:ツインエンジン【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI注目作品ランキング
1
ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日
2
35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日
3
映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日
4
お嬢と番犬くん劇場公開日 2025年3月14日
5
ロングレッグス劇場公開日 2025年3月14日
映画ニュースアクセスランキング
- 昨日
- 先週
1
養女に迎えた7歳の少女の“正体”は、本当に成人女性なのか? 全米を騒がせた実話を基にした衝撃作、配信開始2025年3月20日 09:00
2
実写「白雪姫」“7人のこびと”おとぼけ役は風間俊介「願いが叶いました」2025年3月20日 07:00
3
WEST.主演映画「裏社員。スパイやらせてもろてます」に恒松祐里が出演! 全編関西弁でヒロイン役に挑戦2025年3月20日 12:00
4
【インタビュー】柳楽優弥×笠松将「ガンニバル」完結編を“3つのキーワード”で語り尽くす2025年3月20日 11:00
5
高橋文哉&西野七瀬にもたらした、瀬々敬久監督からの大きな財産【「少年と犬」インタビュー】2025年3月20日 12:00
1
ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00
2
櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00
3
「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00
4
【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00
5
【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55