Dolls(ドールズ)
劇場公開日:2002年10月12日

解説・あらすじ
北野武監督第10作。近松門左衛門の人形浄瑠璃「冥途の飛脚」の舞台で幕を開け、その舞台で死への旅に出る男女の人形が、観客を3つの愛の物語へと誘っていく。監督は「日本の四季」を描くことをも構想、撮影は北野組の常連で、近年では「バトル・ロワイアル」「GO」を手がけた柳島克巳が担当。音楽も北野組の久石譲。衣装はヨウジヤマモト。往年の美人女優、松原智恵子、吉沢京子の久々の映画出演も話題。
2002年製作/113分/日本
配給:松竹、オフィス北野
劇場公開日:2002年10月12日
スタッフ・キャスト
受賞歴
第26回 日本アカデミー賞(2003年)
ノミネート
音楽賞 | 久石譲 |
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映画評論
男性の思う“究極の愛”ってどないやねん
つくづく、北野武はロマンチストだと思った。北野監督が初めて純愛に挑んだこの映画。3つのエピソードはいずれも破滅に向う愛。佐和子(菅野美穂)は婚約者の裏切りに自殺を図る。春奈(深田恭子)は顔に傷を負った自分のために、失明した青年に同情する。良子(松原智恵子...
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映画レビュー
3.0作家性が溢れ出すぎてる。
○作品全体
『HANA−BI』、『菊次郎の夏』、『BROTHER』と、少しずつ作家性ある映像演出が増えてきたあたりで、本作みたいな作品がいつか出てくるだろう…と思っていたので「ついにきたか」という感じ。
モチーフ重視の映像作りは『HANA−BI』の絵とか『菊次郎の夏』の絵日記とか、今までの北野作品でも見られたけれど、本作も文楽というモチーフを使って様々な人間模様に一本の筋を通すようであった。
それぞれの人物には欠けた部分を作る。心が欠け、過去の約束が欠け、目が欠けている。文楽も人形という魂の欠けた道具を操り、命を吹き込む芸術だ。欠けているからこそ、注がれる魂が特別なように感じる。その特別感と重ねた物語、というのが作品の冒頭と終わりで映す文楽によって、よく伝わる。
欠けた感情への寄り添いというのは今までの北野作品でも深く描かれている要素だ、ただ、その欠けた感情のリアリティある暗さだったり、突如爆発する欠けた感情の恐怖みたいなものが巧いのであって、欠けた感情を抱えて彷徨う人物の描写は少し幻想的すぎて、個人的にはなかなか理解し難いものだった。
特にアイドルとその追っかけの物語は、なんとなく表層をなぞっているような印象を受ける。売れ出したアイドルとそれに魅了されるオタク。ただそれだけの関係で、そこに特別な感情は見つけづらい。目を潰してでも会いにいくオタク、という北野節溢れる展開だけれど、その強烈な行動以上の演出はあまり感じられてなかった、というのが正直なところだ。
他の人物の物語が語られる間、メイン二人はほとんど歩いてるだけ、というのも少し勿体なく感じた。「歩く」という情景は確かに北野作品の持ち味だけれど、使いすぎ、という気がしなくもない。「繋がり乞食」のモチーフも最初はインパクトあったが、慣れてしまうとなんとなく紐がくっついてるだけのように見えるし、場面を変えて絵力あるカットを作りたいという制作側の意図が前に出てしまっているカットも多かった。
序盤にあった羽の折れた蝶や途中で出てくる電動車椅子の兄弟分の息子などなど、強いモチーフで作家性溢れる画面なのだが、そうした演出を使いたいっていう気持ちが少しオーバーヒート気味だった。北野武は本作を「今までで一番暴力的」と語ったらしいけれども、全員が不幸になるラストということでそれを語ったのであれば少し残念だ。どの人物も積極的に幸せになろうとしていないように見えるから、悲しいラストもなんとなく悟れてしまって、悲しくはあれど暴力的ではないと感じた。
個人的には、北野作品における「暴力的」は予期しない悲劇や日常の中にある狂気だと思っているので、そういうところに北野節を期待したい。そんなことを思う作品だった。
○カメラワークとか
・繋がり乞食の紐の垂れ下がりをうまく使った演出があった。地面に散らばった紅葉を垂れ下がった紐で引きずり、雪の上に点々と落ちていく。遠目から見ると足跡のようにも、血痕のようにも見える演出が巧い。一方で明るく咲く黄色いたんぽぽは引きずることができず、紐で撫でるだけで終わってしまう。ネガティブなイメージの作り方が上手だと思った。
○その他
・途中で唐突にヤクザの話し始めるところはちょっと笑ってしまった。北野武、どんだけヤクザ好きなんだ…。というか、不慣れなラブストーリーだけでは不安だから得意分野を置きにいった感ある。守りに入った結果のヤクザパートっぽい。
・文楽が元になっている話みたいだし仕方ないっちゃあ仕方ないんだけど、ヒロインが一度捨てられても相手を慕っていて、裏切られたことについても自分だけで受け止めて自死を図るっていうのが「都合のいい女」感あってモヤる。ただただ、悪い意味で脚本上都合の良い人形になってしまっている、というような。
1.0とてもつまらない
まるで童貞の大学生が妄想する純愛を映画サークルで撮ったかのような薄っぺらい恋愛観だ。たけし映画はたけしが主人公だとナルシスズムがきつくて恥ずかしくなる。『キッズリターン』は出演していなくて最高なので、この映画にも期待したらひどく薄い。特に薄いのは深キョンとアイドルヲタのエピソードで、アイドルそのものにもヲタにも興味が薄く、熱が全くない。ホームレスの菅野美穂と西島秀俊がいかにもスタイリストが腕によりを掛けてチョイスしましたというようなスタイリッシュな衣装で興ざめする。
ダメなたけし映画の時に現れる変なセンスの合成場面がある。退屈で長い。今現在ワーストたけし映画第一位だ。
3.0天才北野武VS天才女優菅野美穂
監督と脚本は『菊次郎の夏』『TAKESHIS'』『監督・ばんざい!』『アキレスと亀』『龍三と七人の子分たち』の北野武
近松門左衛門の人形浄瑠璃「冥途の飛脚」がベースになっている
北野作品で最もアート色が強いと僕は思う
特に菅野美穂と西島秀俊のパート
例外に漏れずこの作品も日本では興行的に振るわなかった
国土が広いせいもあるだろうがロシアではおよそ2年間のロングラン
同時進行の三つのオムニバス
佐和子は頭がおかしくなり松本を認識できなかった
良子は親分を見てもかつて工場で働いていた恋人だと気づかない
盲になったヌクイは春奈を見ることはできない
佐和子と松本は事故死
親分は殺し屋に殺される
ヌクイは春奈ファンのおっかけに轢殺される
菅野美穂の怪演に尽きる
北野監督は具体的に名前を出して批判しているわけではないので菅野美穂だと断定できないがもし本当なら最初で最後なんて勿体無いな
たけしも小さい男だな
西島秀俊は髪型のせいだけでなく顔つきがだいぶ今とは違う
声は西島秀俊だが
深キョンも北野作品に出ていたんだな
「キミノヒトミニコイシテル」懐かしい
そして気恥ずかしい
なにこの歌詞
そしてなにあれあの振り付け
配役
婚約破棄のショックで自殺を図り精神障害者になった佐和子に菅野美穂
佐和子を捨て社長令嬢と結婚することになったがそれも辞めて佐和子と放浪の旅に出る松本に西島秀俊
若い頃に良子と付き合っていたヤクザの親分に三橋達也
親分の若い頃に津田寛治
毎週土曜日お弁当を持ってベンチで親分を待っている良子に松原智恵子
良子の若い頃に大家由祐子
交通事故で左目を失い引退したアイドルの山口春奈に深田恭子
春奈に会うため盲目になったアイドルオタクの温井に武重勉
親分の兄弟分の息子にホーキング青山
息子と佐和子を無理矢理別れさせ社長令嬢との結婚をゴリ押しする松本の父に清水章吾
息子と佐和子を無理矢理別れさせ社長令嬢との結婚をゴリ押しする松本の母に金沢碧
松本の同僚に大森南朋
松本の友人に大塚よしたか
佐和子の父に野村信次
佐和子の母に中村万里
佐和子の友人に西尾まり
佐和子の友人に矢川純一郎
春奈の母に吉沢京子
春奈の叔母に岸本加世子
春奈のマネージャーに大杉漣
春奈のおっかけの青木にアル北郷
文楽の梅川に吉田蓑太郎
文楽の忠兵衛に吉田玉女
文楽の大夫に豊竹嶋大夫
文楽の三味線に鶴澤清介
親分を射殺する殺し屋にモロ師岡
ヤクザに桐生康詩
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