57秒 復讐のタイムループ
劇場公開日:2025年1月24日
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解説・あらすじ
「ハンガー・ゲーム」シリーズのジョシュ・ハッチャーソンが主演を務めたSFリベンジスリラー。
技術系ブロガーのフランクリンは最新製品の発表会で、技術界の大物アントン・バレルと対談する機会を得る。そこでバレルを暗殺の危機から救ったフランクリンは、彼が落とした謎の指輪を拾う。その指輪を身につけると57秒過去にタイムスリップできることに気づいたフランクリンは、バレルの協力を得て、自身の妹の死の原因をつくった製薬会社への復讐に乗りだす。
名優モーガン・フリーマンがバレル役で出演。「ミート・ミー・ネクスト・クリスマス」のラスティ・カンデッフが監督を務め、「この世に私の居場所なんてない」のメイコン・ブレアが脚本に参加。「未体験ゾーンの映画たち2025」(25年1月3日~、ヒューマントラストシネマ渋谷)上映作品。
2023年製作/99分/アメリカ
原題または英題:57 Seconds
配給:ハーク
劇場公開日:2025年1月24日
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
3.057秒 復讐のタイムループ(映画の記憶2025/1/28)
内容的にはありがちな設定だが、作り込みがしっかりしてるので、分かりやすく、楽しめるタイムトラベルもの。結構テンポ良く進むからストレスない感じでした。
57秒という微妙な設定が良いね。
使うタイミング次第では意味ないし、チャージ時間あるのもゲームの道具みたいだった。
CEO役のモーガン・フリーマンが本当に企業にいそうだったな。タイプ的にも似合うっちゃ似合うが。
主役はハンガーゲームやセンターオブジアースなどに出てたジョシュ・ハッチャーソン。今回の役にはよくハマってた。
目新しさはないのと特段大きく評価する項目はないが、作品としては良く整理整頓されてた優等生だけど目立たない作品ですかね。
(個人的評価6点/10点中)
3.5「57秒」だけ時間を巻き戻せる魔法の指輪。気軽に楽しめるタイム・リープ・コメディ。
結論からいえば、すげえ面白かった!
映画の評価ってまあまあ変動制で(笑)、
期待が高すぎると、そうでもないなってなるし、
ノーマークなのに面白いと、こりゃすごいってなる。
子供の学芸会が意外とちゃんとしてただけでもうるうる感激する一方で、
1万円払った観劇で退屈だったら、最低、金返せと思うのと同じだ。
ディズニーやワーナーがウン十億ドルのビッグ・バジェットで作った映画が適当な出来ならクソミソにこきおろすが、インディーズの映画がそこそこ頑張っていれば猛烈に応援したくなる。『侍タイムスリッパー』なんかはまさにその好例だ。
『57秒』は、製作費770万ドルというから、アメリカの映画としては低予算の部類に属する(日本だと大手でも10億円かけられる映画なんかほとんどないけど)。ただ、向こうではモーガン・フリーマンも出ているSF映画ということで、他のメジャーの映画などと並べて評価されているのだろう。ロッテン・トマトの評価は著しく低い(笑)。ほぼケチョンケチョンである。
だがっ!
日本では違う。
この映画は、ヒューマントラストシネマ渋谷のお蔵出し企画「未体験ゾーンの映画たち2025」の枠内での公開なのだ。
そう、どこの配給元も買い付けず、一般公開が見送られた「訳アリ」のぞっき映画の蚤の市。そこでかけられる映画は、いろいろと物足りなくて、クオリティに問題がある作品がほとんどだ。
しか~し!
そのなかに、ごく普通に撮られて、ごく普通にちゃんとしていて、ごく普通に楽しめるごく普通の娯楽映画が混じっていたらどうだろうか?
それは、「石石混淆」のどんぐりの背比べのなかで、ひときわ輝いて見えるはず。
ただの石であったとしても、「玉」の片りんが感じられるはず。
進学校の落ちこぼれより、不良校の秀才のほうが輝いて見える。
銀座のクラブの不人気ホステスより、地方のカラオケパブに咲く一輪の花を愛でたい。
人というのは、そういう「相対性」の生き物なのだ。
僕は『嗤う蟲』を観たあとのレイトショーで、たいした期待もせずに「まあどうせ未体験ゾーンでやってる映画だからなあ、これ(笑)」みたいな、半笑いの不遜な態度でシアターに入って……のけぞった!
あれ? ふつうに面白いじゃん!
たしかにチープだし、くだらないし、主役が地味だし、
うまく話が行き過ぎだし、主人公の倫理観はゆるいし、
指輪のロジックに、もっともらしさが1ミクロンもない。
設定もゆるいし、キャラクターにも一貫しない部分がある。
でも、そういう映画だと思って気楽に観れば、
時間つぶしとしてこんなに面白い映画もない。
娯楽映画として、ちゃんとしてる。
そもそも日本人はタイム・リープが大好きだ。
『時かけ』『ハルヒ』『まど☆マギ』『ひぐらし』『Re:ゼロ』『シュタゲ』『君の名は。』『僕だけがいない街』『東リベ』『サマタイ』……なにせ日本で大当たりしたアニメの大半が、タイム・リープものといっても過言ではないほどの不思議な国なのだ。
おそらく日本人は『ドラえもん』のせいで、過去改変の魔力に魅了されすぎているんじゃないでしょうか(笑)。
とにかく、話のキモははっきりしている。
「失敗したら57秒だけ巻き戻せるとしたら、さてどうする?」
そのネタを、ひたすら延々と積み重ねていく。
基本は、ただそれだけだ。
SF的な設定や敵組織との闘いは、添え物のようなもの。
ある種の天丼ギャグのショートコント集として楽しめばよい。
時間の巻き戻しを発生させるのは、真ん中にボタンのついた「指輪」だ。
かなりダサいオーバーテクノロジー。だいたいいまどき「ボタン」ってどうよ(笑)。
一応、量子なんとかがどうしたこうしたといったSF的設定の説明があるが、その理屈の部分にはほとんど力点は置かれない。要するにこれは「魔法の指輪」だ。
この「魔法の指輪」を拾ってしまった青年が、際限なく魔法の恩恵に預かって大成功を収めるが……という、『アラジン』に代表される「成り上がり童話」の祖型に則って、主人公が無双する様子を愉しむのが主眼の映画である。まあ、ドラえもんのひみつ道具でとんとん拍子でいろんなことがうまくいってつい図に乗ってしまう、のび太くんみたいな話ですね。
失敗したら、再チャレンジできる。
巻き戻せる時間は1分に満たないが、
57秒きっかりという固定ルール以外は、
回数制限もなければ、禁忌もない。
もちろん、事態発生のきっかけが過去にさかのぼるような場合は、何回ショートレンジでタイム・リープしたところで事態は変えられない。それから、本人が殴られたり毒を盛られたりして行動不能になっている場合は、ボタンが押せない以上、再チャレンジができなくなる。
とはいえ、偶発的に起きる現象は、それが起きる前の1分弱のあいだに解決できれば、ほぼ「無双状態」で未来を改変することができる。
さらにこの物語では、ランダムに決まる要素が、やり直しでランダムに変動することはない。すなわち、ルーレットで黒の10が出るとなれば、何回時間を遡行しても、玉は何度でも黒の10に入るのだ。
この条件下で、主人公は、
恋の手順でしくじらず、
カジノでもしくじらず、
復讐劇でもしくじらず、
ひたすら「ゲーム」に勝ち続ける。
ていうか、あんな凄い能力があって、
基本的に何事にせよ、
うまくいかないわけがないのだ(笑)。
こうやって、なんの気なしに、気楽に、鼻歌交じりに、罪悪感ゼロで、「過去改変」がなされまくる様子を傍観するというのは、観ていて無性に楽しい。
ちょっと頭は悪いけどノリの良いラノベを読んでいるような感覚。
これはこれで、エンタメとしては十分に観る価値がある。
本気でそう思う。
このとんとん拍子のわらしべ長者のようなやたら虫のいい話を、不愉快に思わずにゲラゲラ笑いながら観られるようなタイプの人なら、この映画は十分に楽しめる。
とくにベッドインのシーンと、金庫のシーンは、若干品がない(当たり前に殺してるしw)あたりも含めて、昔の『ポリス・アカデミー』でも観ているような愉快なノリだった。
終盤の恋人との波乱と大ピンチは、「うまい汁を吸い過ぎた」主人公に対するお仕置きとしては、ドラマツルギー上必要不可欠なイベントだが、適当に納得できる展開へと巧みにまとめて誘導していたように思う。
基本的に、主人公周辺の都合の良い話も、悪役たちの薄っぺらいキャラ付けも、まったく気にならないどころか、B級娯楽作としてはこのくらいの設定でもう十分だろうという気もする。むしろいちばんひっかかったのは、ヒロイン、ジャラの性格設定かなあ。
これだけ主人公の「富」にのっかって美味しい思いしまくっておいて、終盤のああいう態度はさすがにないんじゃないのか?? 鍵渡されたら、マジでスーパーカーに乗って帰っちゃうし(笑)。
いっつも、もらえるものはちゃっかりもらってるんだよね、この人。
いっぺんガチで痛い目見たほうがいいと思う。
意外によく出来ているなと感心したのが、ラストの主人公の決断。
この「魔法の指輪で成功する」体験を経て、彼の得た教訓と感慨がうまくいかされた2段落ちの「回答」で、思わず主人公を見直してしまった(笑)。
自分の妹の精神を破壊して死に追いやった痛み止め薬の「常習性」「依存性」とかけて、「魔法の指輪」のもつ「常習性」「依存性」をしっかり指摘してみせたのは、人として立派だった。
そう。「クスリ」と「魔法」は、意外によく似ている。
通常の人生では得られない快楽を与えてくれるかわりに、やめられなくなる。とめられなくなる。それはきっと、投資やギャンブルにも似たところがあるはずだ。
リターンの大きすぎる「ひみつ道具」には、必ず落とし穴がある。
そこをちゃんと指摘して映画が終わったのは、とてもすがすがしかったと思う。
あと、この作品って一応の裏テーマとして、「究極の痛み止め」Vs.「究極の予防医療」という未来の医療のあり方をうらなう大命題があるんだよね。
なってしまった病気をあとから力ずくで抑える医療か。
なる前にすべての危険要素を取り除こうとする医療か。
モーガン・フリーマン演じるアントン・バレルの唱える未来図も、あまりにもバラ色の健康社会すぎて、なにか大きな反作用が生じそうで怖いものがあるが、少なくとも本作で出てきた健康管理ベルトが発明されたら、世界はマジで変わるよね。
― ― ― ―
本作におけるモーガン・フリーマンは、テック企業の総帥にして、指輪の持ち主として物語の善のサイドをつかさどる、「白の魔法使いガンダルフ」のような立ち位置にある。
おつきの得体のしれない黒マントなんて、まさに使い魔みたいなものだし。
たいして大きな役回りは果たさないが、一応の貫禄をもって映画の重し石にはなっている。
ただ、ときどき小刻みにふるえているし、老いたなあという印象は禁じ得ない。
まあ、87歳という高齢だしね。そりゃ老けるよ。
主人公フランクリン役のジョシュ・ハッチャーソンは、ふつうに演技をこなしているし、好感のもてる好青年なのだが、なにぶんふつうすぎて「花がない」。このへんの主演の「格」でも、この映画のぬぐいがたいB級感が出てしまっている気がする。
ヒロイン役のローヴィー・シモーネは愛らしいけど、役柄のいいかげんさでイメージ的に損をしているかも。なんか演技がシットコムっぽいし。キャスティングとしては「グルとヒロインに黒人出しときゃいいんだろ?」みたいな投げやりさも感じられる。
悪玉役のグレッグ・ジャーマンは、映画の求める「下品で小物の悪役」像をしっかりこなしていた。でもこんな品のない巨大企業のトップなんて、実際にはいねーよ(笑)。
だいたい、なんであんなエレベータすらないプール付きの個人邸宅で、秘書と二人だけで仕事してるんだ、こいつ?
決して「こころざし」の高い映画ではない。
それでも、気楽に楽しめる内容であることはたしか。
そう、この映画は……「午後ロー」っぽいんだよな!(笑)。
「午後ロー」映画だと思えば、間違いなく適度の満足を得られる、いい映画だと個人的には思います。
3.0量子結晶
57秒だけ時間を戻す事ができる指輪を手に入れた男が、4年前に双子の妹を亡くしたきっかけとなった製薬会社に潜入する話。
薬に取って代わるヘルスケアを謳うリストバンドをつくる会社の社長を助けた際に、彼の落とした不思議な指輪を手に入れて巻き起こっていくストーリー。
車をレッカーされ、それを取り戻す為のカジノから始まって、あれよあれよと製薬会社社長と繋がって行くけれど、IT社長は気付いてますよね…色々と。
そしてとりあえず、その流れなら性格からして彼女は車乗って帰っちゃダメじゃねw
コミカルさを交えつつ、ちょっとチャラいし都合の良いストーリーで、まあこんなもの…と思ったけれど、最後はなかなかお見事な掌の上でコロコロ展開で、評価UPかな。
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