Broken Rage
配信開始日:2025年2月14日
解説・あらすじ
北野武が監督・脚本およびビートたけし名義で主演を務め、「暴力映画におけるお笑い」をテーマに型破りな演出で撮りあげた実験作。約60分の映画を前後半に分け、前半は警察とヤクザの間で板挟みになった殺し屋の奮闘を活写する骨太のクライムアクション、後半は前半と同じ物語をコメディタッチのセルフパロディで描く。
男たちの欲望渦巻く裏社会で、殺し屋としての並外れた能力を武器に暗躍する男・ねずみ。ある日、殺人容疑で警察に捕まった彼は罪を見逃してもらう代わりに、覆面捜査官として麻薬組織に潜入するよう命じられる。
ねずみに捜査協力を依頼する刑事役で浅野忠信と大森南朋、麻薬売買を取り仕切るヤクザの親分役で中村獅童、若頭役で白竜、謎の司会者役で劇団ひとりが共演。人気ピアニストの清塚信也がオリジナル楽曲を手がけた。Amazon Prime Videoで2025年2月14日から配信。
2024年製作/66分/日本
配信:Amazon Prime Video
配信開始日:2025年2月14日
スタッフ・キャスト
インタビュー
浅野忠信×大森南朋 同世代のふたりは、お互いをどう思ってる?【北野武監督最新作「Broken Rage」で共演】
北野武が監督・脚本・編集を務め、ビートたけしとして主演も果たしたAmazon Original映画「Broken Rage」(2月14日からPrime Videoで世界独占配信)。"暴力映画におけるお笑い"をテーマに製作された実験性溢...
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2025年2月5日
フォトギャラリー
映画レビュー
2.5北野武の老いを感じる。
⚪︎作品全体
新春特番に、ビートたけしの寸評が定番のお笑い番組がある。去年までは他の司会者と同じく立ちっぱなしの司会席にいたけれど、長丁場の番組だからか、今年は別室にたけし専用のセットを作り、そこに座って芸人の寸評をしていた。理由は特に話さなかったけれど、たけしだけが別室セットなんて体調以外にありえないだろうし、実際ここ最近、テレビで見るたけしの姿や発声には老いを感じる。
で、本作だ。
命のやり取りをする物語にコメディを仕込むのは『ソナチネ』のころから見られる北野映画の個性だし、テレビのコント番組チックなカメラの位置も『みんな〜やってるか!』の頃からこだわりを持って使っている印象がある。ただ、いかんせんギャグが古臭い。効果音や既視感しかない人違いネタは、令和の時代に見ると埃をかぶって見える。
北野武の持ち味であるはずの構成やギャグに、正直「老い」を感じた。
そして北野武の体を張ったギャグは、「老いの心配」がまず頭をよぎる。
殺しの実行役という、北野映画での北野武の役回りは本作でも健在だが、芝居の動きにどこか「無理をしてる」と感じてしまう。作品の前半部分は後半とのギャップ作りに存在しているはずだが、北野武の老いの部分がノイズになってしまっていた。前半のねずみのスマートな仕事っぷりを見せつけることで、それが後半に効いてくる…はずなのだけど、老獪という表現とも違う、どこかもっさりとした動き。それはもう、ただ単に「老い」のように感じた。
後半のコメディパートでは「こける」というギャグが多くある。本来「らしさを感じるギャグ」なのだけど、やはりどうしても「心配」がちらついてしまった。
北野武の役回りとしても、コメディの味付けとしても、新春番組の別セットのように、老いを前提とした北野武が必要な時期にきたのかもしれない。
そんなことを思いながら、老いという時間的な要因によって、今までの北野作品とは違うなにかを求めなければいけないことに少し悲しさを感じた。
○カメラワークとか
・北野作品にある、登場人物との距離感あるカメラ位置によって、人が隠している刃みたいなものを映す演出が好きなんだけど、本作はあんまりそういう場面はなくて、むしろ役者を映すことに意識が向いてるような画面が多かった。終始被写体をど真ん中に映すようなカット、と言ったらいいか。唯一、終盤で逃げたねずみを撃ち殺した(フリをする)刑事の無機質な芝居と距離感は尖っていた。
○その他
・大体のギャグは面白くなかったんだけど、椅子取りゲームのトロフィー壊しちゃって北野武と中村獅童が怒り続けるところは笑ってしまった。途中でちょっとニヤついちゃってる白竜を映すのがズルい。
・北野作品って作風は変わっていっているのに「殺しも厭わない男」を1作目から本作まで続けてることがアンバランスになってきてる気がするんだよな。本作でいえばSNSみたいに感想が流れる演出を使ってるし、今までも創作ダンスとかイラストとかいろんな新しいアイデアを使ってるんだけど、登場する人物の価値観はほとんどそのままっていう。だからこそ、『その男、凶暴につき』みたいな底の知れない北野武の目つきを期待したりしてしまう。でも期待しているものとは少し違う…というような。
2.0こりゃーあれだわ。 視聴者も含めて同窓会であり、バラエティとして観...
2.5マルセル・デュシャン『噴水(泉)』(1917年)になりたかったのか
"ねずみ"と呼ばれる、一見冴えないが実は殺し屋の男が警察に捕まってしまう。釈放の代償として覆面捜査官となり、麻薬組織に潜入し、親玉との"偽の"直接取引を仕向けるが、予期せぬ展開が…。北野武監督が贈る、前半はシリアスなヤクザアクションとして、後半は同じ物語をセルフパロディのコメディとして描く二部構成。ねずみの運命やいかに(Prime Videoより)。
マルセル・デュシャンというフランス生まれの芸術家が1917年、『噴水(泉)』と題した作品をニューヨークの展示会に出品しましたが、その内容は男性用の便器を横に倒しただけのものでした。それまで芸術が「美しさ」を追求してきたのに対して、「芸術とは何か」そのものを問う作品として、現代アートの出発点とも呼ばれています。
「映画」は2時間という尺の中で創られる総合芸術であり、その中でも北野映画には「科白を極力排した脚本」「バイオレンスと対比的な美しい色彩」「得も言われぬ人間の機微を描く」等、とても強い「固定観念」が定着しています。北野監督は本作を通じて、「芸術は美しさを追求するもの」という強い固定観念を覆したデュシャンと同じような挑戦をしたかったのかもしれません。『噴水(泉)』が結局展覧会では展示されなかった当時を振り返ると、本作の評価も、賛否両論を巻き起こしながら、数十年後に確定するものなのかもしれません。
という前提を踏まえつつ、映画としては駄作です。映画そのもの、北野映画そのもの、あるいはビートたけしそのもののメタ化という観点でも機能しているとは言い難く、後半のセルフパロディも大して面白くない。おじいちゃんの暇つぶしと酷評されるのもよく分かるが、さすがにこの酷評は制作陣もカメラを回す前から分かっていただろうから、それでもやりたかったのだろうとは思います。
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