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嘘と真の南の島――「機械じかけのマリー」8話レビュー&感想

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

バカンスの「機械じかけのマリー」。第8話ではマリーとアーサーが南の島へ行く。その島は本当はどこにあるのだろう?

 

 

機械じかけのマリー 第8話「南の島のマリー」

mechanicalmarie-anime.com

1.南の島はどこにある

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

カルミア高校の1学期も終わりが近づき、いよいよ夏休み……と思われたところ、赤点で追試を受けることになってしまったマリー。落第すれば退学という危機に、アーサーはマリーに勉強を教えようとするが……?

 

常夏の「機械じかけのマリー」。第8話は副題通り、マリーがアーサーと南の島を訪れる回だ。今回はその内容を「南の島はどこにあるのか?」という形で振り返ってみようと思う。もちろん、島の形からモデルになった場所を探そうというわけではない。

 

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

「南の島」という言葉には不思議な響きがある。窮屈な現実から逃れ、太陽の光をいっぱいに浴びる解放感あふれる時間……文化や歴史を味わうのとはまた違う*1、環境そのものへの魅力がこの言葉には込められているのだ。ならば、2人が行く「南の島」も定番の旅行先である以上に抽象的な意味を持ち得る。

 

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

今回の前半は赤点を取ってしまったマリーの話でもあるが、アーサーは彼女が追試に合格するため恋敵のノアの助力を認めながらも内心歯がゆく感じていた。「本当は、俺だけがマリーに勉強を教えたかった。俺だけがマリーの役に立ちたかったんだ」……かわいらしいヤキモチだが、アーサーにとってこれは行きたくても行けなかった「場所」である。直後に彼は何事もなかったかのように旅行に行くと言い出すが、これはむしろ先述の「場所」の代替と見るべきだろう。マリーと二人きり、彼女の力になれる濃密な時間を今度こそ味わいたいからこそアーサーは南の島行きを決めたのである。

 

2.嘘と真の南の島

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

アーサーにとって、南の島はリゾート地ではなくマリーと二人きりの時間を過ごすための場所である。だが、その目論見はCM明け早々から失敗に終わった。側近のロイやマリー2は護衛しないはずがないし、気づけばなぜか親戚のシャーロットおばさん一家も同行。ノアはアーサーFCの面々まで引き連れて追いかけてくるし、メイナードも当然暗殺を試みて巨大ロボットまで持ち出してくる始末……南の島と言うにはあまりにいつも通り、はっきりいって目茶苦茶だ。

 

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

巨大ロボット・試作機26号が起こした騒ぎで島の外れに閉じ込められてしまったアーサーは、マリーを抱きしめ謝罪する。バカンスを味わわせるどころか大変な目に遭わせてしまった彼の後悔はすなわち、「南の島」に連れていけなかった後悔だ。だが、マリーはそう考えてはいなかった。「アーサー様と一緒ならどんな場所でも幸せです」という彼女の言葉は、けして慰めではない。

 

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

アーサーと一緒のこの生活は、マリーにとってハラハラドキドキの刺激的な日々だ。人間だとバレないよう気をつけねばならないし、周囲にあるのは常識はずれの人や出来事ばかり。けれど、アーサーと一緒ならその無茶苦茶さはこらえきれない苦しさではない。無表情さからロボットの異名をとった彼女が心を揺さぶられ続けるこの生活は、母に放りだされた幼少時を取り戻すように彼女の人間性を育んですらいるのだ。アーサーのおかげで過ごせるこの日々が、マリーにとってどれほど幸せであることか。
「もし私が人間の女の子だったら、きっとあなたを好きになってた」とアーサーに遠回しの告白をするその時、マリーは窮屈な現実を抜け出している。それはつまり、彼女がアーサーのおかげで「南の島」へ行けたということだろう。

 

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

今回はマリーとアーサーが南の島を訪れる話だ。窮屈な現実から少しだけ抜け出せる、嘘と真の境が曖昧な場所――それが二人が訪れた「南の島」なのである。

 

感想

©あきもと明希・白泉社/機械じかけのマリー製作委員会

以上、機械じかけのマリーのアニメ8話レビューでした。どこを嘘と真でくっつけたらいいのか悩みながら視聴を繰り返す内、南の島という場所に目標を定めればいいんじゃないかと思いつきました。マリー2可翔式ってこれは原作からそうなのか演じる小清水亜美さんのアドリブなのか???
次回予告ではいよいよマリーの正体がバレてしまうようで、物語のステージもまた変わってきそうです。次回が楽しみ。

 

 

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ブログ更新。マリーとアーサーが行った「南の島」ってどんなところだろう?という話。#機械じかけのマリー#mechanicalmarie

— 闇鍋はにわ (@livewire891)November 24, 2025

*1:もちろん、南の島に文化や歴史がないという意味ではない

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