シーンとは
元々ギリシャ語の「skēnē」が語源であり、これは「裏方」「天幕」「舞台」などを意味した。
現在の英単語「scene」ではさらに「場面」「舞台背景」「事件現場」「光景」「景色」「眺望」「業界」「分野」などの意味も付会した。
そこから転じて、俗に「特定の時代」「特定の状態」を現し世を演劇になぞらえて指すこともある。
映像業界では、収録の際の台本上での区切りから「ある一連の場面」を指す。
現代ではそれが拡大解釈され「ある一連の作品の特定の時間帯(に起こったこと)」を示す。
類似したもので「シチュエーション」があるが、そちらは環境的な意味合いが強い。(シーンは視覚的な意味がある。)
作家・漫画家・脚本家など、作成途中や盛り上がりの場面であるにもかかわらず、ネタ切れ・アイデア・構成能力の不足で次のシーンが全く思い浮かばない場合もしばしば。
作品において、何も起きず平凡すぎれば見る側の飽きが来てしまうため、印象に残りやすいよう特徴的なシーンが必ずある。クライマックスなどは特に顕著。
実は開始15分以内、(漫画では1話)にも、読者・視聴者・観客を作品に引き込む特徴的なシーンが挿入されやすい。見る側全員が熱狂的なファンとは限らないため、興味を持たせ乗り気にするのも重要な要素である。
冒頭で引き込みに失敗すると、チャンネルを変えるかテレビを消さる、漫画雑誌ならその作品を飛ばされる、映画館なら退屈な時間を過ごされるのがオチである。
広義には漫画など、冒頭の扉絵(一枚絵)などが特徴的になっているのも引き込み技法のひとつ。
マンガなどでよく無音の場面に「シーン」という書き割りが当てられるが、このオノマトペは手塚治虫が開発した。(本人談)
衝撃の真実が明らかになったり、反論できなかったり、困惑して言葉が出ないなど汎用性が高い。
災害・戦闘の後、声を発する者すらいなくなった(全員死亡)状態に用いられる場合もある。
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