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第109回 SCのフロア担当が繰り返す店舗巡回 その多くが勘違いしていることとは

2025/03/07 06:33
西山 貴仁(株式会社SC&パートナーズ代表取締役)

「運営管理事務所」が設置されたショッピングセンター(SC)には、営業担当やフロア担当と呼ばれるテナントサポートを行う人員が配置されている。彼らの主な仕事は、店舗の売上向上や営業上の問題点や課題を解決することにある。そのため、「店舗巡回」と称し、店舗を周りスタッフから日常的にヒアリングを繰り返す。しかし、その業務は非常に属人的であり、標準化されているSCは少ない。この状況を打破するための考え方を提示したい。

ショッピングモール(SC)
iStock-1329251484

 目的化する店舗ヒアリング

 店舗をまわり、営業状況を聞き、報告書にして社内の月例営業会議での発表をルーチン業務とするSCは多い。その目的は報告資料をつくることにあり、決して店舗の売上向上ではなく、社内資料作成のためのヒアリング作業である。こうした実情を理解している店舗スタッフからは「どうせ、社内資料作るために聞いてまわっているんでしょう」と言われることもあり、時間を奪う結果となっている。

 実際、SCに行くと、店舗前で通路に背中を向けて店舗スタッフと話しをしている人がいる。彼らがその営業担当であり、非常に目立つので気にして見てみるといい。

「何が売れたか」を聞いて回る愚

 店舗巡回で聞く内容の多くが「何が売れたか」である。「今、お客様のニーズはどこにあるのか」を確認する。では、「何が売れたか」を聞いてどうするのか。

 仮に「ピンクのカットソーが売れた」という情報があった場合、隣の店舗にピンクのカットソーを品揃えするよう促すのだろうか。

 しかし、隣の店舗が類似の店舗でなく、雑貨店やコスメ店だった場合はどうするのか。

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記事執筆者

西山 貴仁 / 株式会社SC&パートナーズ 代表取締役

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。201511月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒

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