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真夏の自由研究 - Agentic Coding まずは体験してみることが大事

真夏の自由研究〜AIを使って雑にアプリを作ろう! の最終日を承ったhim0 です。最近は技術リードをしたり、プロダクトの立ち上げをしたりしています。今回この雑アプリを作るという企画の提案した人だったりもします。本日は最終日らしく、この企画の意図と自分が作った雑アプリを紹介して企画の結びとしようと思います。

DVD Video ロゴのパロディで freee Developers Hub ロゴのスクリーンセイバーみたいなやつ

Agentic Coding と現場の声

2025年、AI 主導のコード生成が強くフィーチャーされているのは語るまでも無い状況です。このスタイル自体が生まれたばかりで言葉の定義が難しいのですが、この記事では Agentic Coding と呼称したいと思います。

この Agentic Coding、Cursor や VSCode 拡張の Cline を皮切りに、様々なツールやサービスがリリースされており、現在も毎月毎週のようにこれがベストだという情報が様々な場所から声が上がる状況です。8月は Codex CLI で GPT-5 を使ったコーディングが出来るようになったのも記憶に新しいです。freeeとしては、Cline を社内でホスティングするLLM基盤に繋いで利用するところから始まり、現在は GitHub Copilot、goose、Claude Code の利用も合わせて推進している状況です。

developers.freee.co.jp

現場では業務にこれらのツールを取り込んで「便利になった」という声が上がる中、一方で「あと少し」結果の精度をあげたいという声も上がっているように思います。

素に近い AI の動きを知るための「雑アプリ」

Agentic Coding では既存のコードや MCP から得られる情報、そしてプロンプトが出力に影響を与えます。これまでのコード補完のアプローチよりも、より抽象的な情報も含めて入力として扱うことで、文脈に沿ったコードを大幅に生成することができるアプローチとも言いかえることができます。

それでは業務の非常に大きなコンテキストがある現場で Agentic Coding を導入するとなにが起こるでしょうか。殆どの場合、それっぽいコードは生成されるものの、手直しをしたいコードが生まれる様に感じています。これが「あと少し」という声が上がっている状況の正体のように思います。

この「あと少し」を越えて出力を安定させるには、効果的な情報だけをコンテキストとして与え、ノイズとなる情報を排除する緻密なコンテキスト管理が欠かせません。必要・不要を瞬時に見極める力が身につけば、コンテキスト設計は自ずと洗練され、生成結果の品質も向上するのではないか、というのが現場の声を踏まえて私が立てた仮説です。

今回提案した「業務から離れた小さいアプリケーション、雑アプリを作ってみない?」という取り組みは、Agentic Coding ツールにとって自然な情報と出力を劣化させる入力を見極める力を養う、最初の一歩になるんじゃないかという目論見もあって呼びかけを行いました。

自分が作った雑アプリ「Logo Bouncing Kuji」

ここまで真面目そうな事も書きましたが、言い出しっぺなので雑アプリ作りました。周りに名前が配置され freee Developers Hub ロゴが跳ね返ってぶつかると当選になるくじを作りました。ロゴが跳ね返るのはどこかで見たいことあるかもしれないですね。GitHub Pages にホスティングしたので、アクセスしてお試しできます。

スタートでカウントダウン、カウントダウンが終わると、あたりエリアが出現、ロゴがあたったら当選

GitHub - him0/logo-bouncing-kuji

him0.github.io

アプリづくり流れと学び

今回プライベートの開発環境で GPT-5 で利用して設計を行い、Cursor Agent CLI (Model GPT-5) でコーディングを行いました。普段 Claude Code を利用しているので、Claude Sonnet 系との比較のためにあえてこのスタックを利用しました。

具体の流れとしたは、ChatGPT に仕様を伝え設計をマークダウンで出力、Cursor Agent CLI に渡してコーディングをしてもらうという流れで実装を行いました。

設計に関しては Claude Sonnet にも同様の指示を行い比較を行いましたが、GPT−5 の方が見た目の調整に関して精度が高く指示に対しても、指示を出していないところに対しても忠実に作ってくれたように感じました(GPT がミームに詳しいだけという説もある)。

UI に関しては AA で提案し、設計時点から方針を固めようとする様子が見られました。AAを用いたレイアウトの提案

GPT-5 との設計の壁打ちは、精度が高いものの数値周りなど細かい値に関しても確認が多く、Claude Sonnet と比べて作りながら考えるより先に設計を詰める感覚を強く感じました。

位置の計算に関する細かい数式の提案

最後に

いろいろ書きましたが、今後プログラミングでなにかを作ることはエディターへの入力を行うよりも Agentic Coding をうまく行うことに意味は移り変わっていくように思います。今、小さく作りたいものを作り切る体験を積むことは、これから幾度こなしていく積み重ねとして大事な一歩です。一度成功の体験をしておこうというのも今回の趣旨の一つでしたので、2週間に渡る連載で「とりあえずできた」を多くのメンバーが体験できたこと良いことなんじゃないかなと思います。

2週間に渡る連載でしたが、投稿していただいた方々、読んでくださった方々、ありがとうございました。

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