このページはコミュニティーの尽力で英語から翻訳されました。MDN Web Docsコミュニティーについてもっと知り、仲間になるにはこちらから。
await 演算子
Baseline Widely available *
This feature is well established and works across many devices and browser versions. It’s been available across browsers since 2017年3月.
* Some parts of this feature may have varying levels of support.
await 演算子はプロミス (Promise) を待ち、履行値を取得するために使用します。非同期関数の中、またはモジュールの最上位でのみ使用することができます。
In this article
構文
await expression引数
返値
プロミスまたは thenable オブジェクトの履行値、または式が thenable でない場合は、式自身の値。
例外
プロミスまたは thenable オブジェクトが拒否された場合、拒否理由の例外が発生します。
解説
通常、await はPromise をexpression として渡して、プロミスをアンラップするために使用します。await を用いると、プロミスが決定(つまり、履行または拒否)されるまで、その周囲にあるasync 関数の実行が一時的に停止されます。実行が再開されると、await式の値は履行されたプロミスの値になります。
プロミスが拒否された場合、await 式は拒否された値で例外を発生します。await 式を格納した関数は、エラーのスタックトレースに表示されます。それ以外の場合、拒否されたプロミスが待機されなかったり、すぐに返されたりすると、呼び出し側の関数はスタックトレースに現れません。
expression はPromise.resolve() と同じように解決されます。常に ネイティブのPromise に変換され、待ち受けされます。もしexpression が以下の場合、
- ネイティブの
Promise(これはexpressionがPromiseまたはそのサブクラスに属し、かつexpression.constructor === Promiseであることを意味します)の場合: プロミスはthen()を呼び出すことなく、直接使用され、ネイティブに待ち受けられます。 - Thenable オブジェクトの場合(ネイティブでないプロミス、ポリフィル、プロキシー、子クラス、など): 新しいプロミスは、ネイティブの
Promise()コンストラクターで、オブジェクトのthen()メソッドを呼び出して、resolveコールバックを渡すことで生成します。 - Thenable ではない値: 履行済みの
Promiseを構築して使用します。
用いたプロミスが既に履行された場合でも、非同期関数の実行は次のティックまで一時停止します。その間に、非同期関数の呼び出し側が実行を再開します。下記の例をご覧ください。
await は非同期関数やモジュールの内部でのみ有効であり、それ自体が非同期で、プロミスを返すので、await 式はメインスレッドをブロックすることはなく、実際に結果に依存するコード、つまりawait 式の後に実行を延期するだけです。
例
>プロミスの履行を待つ
Promise がawait 式に渡された場合、Promise が履行されて履行値を返すのを待ちます。
function resolveAfter2Seconds(x) { return new Promise((resolve) => { setTimeout(() => { resolve(x); }, 2000); });}async function f1() { const x = await resolveAfter2Seconds(10); console.log(x); // 10}f1();Thenable オブジェクト
Thenable オブジェクト は同様に履行されます。
async function f2() { const thenable = { then(resolve) { resolve("resolved!"); }, }; console.log(await thenable); // "resolved!"}f2();これは同様に拒否されます。
async function f2() { const thenable = { then(_, reject) { reject(new Error("rejected!")); }, }; await thenable; // Throws Error: rejected!}f2();プロミスへの変換
値がPromise でない場合、await は値を解決されたPromise に変換し、それを待ちます。待ち受ける値に関しては、呼び出し可能なthen プロパティがない限り、そのアイデンティティは変わりません。
async function f3() { const y = await 20; console.log(y); // 20 const obj = {}; console.log((await obj) === obj); // true}f3();拒否されたプロミスの処理
Promise が拒否された場合、拒否された値で例外が発生します。
async function f4() { try { const z = await Promise.reject(new Error("rejected!")); } catch (e) { console.error(e); // Error: rejected! }}f4();プロミスを待つ前にcatch() ハンドラーを連結すれば、try ブロックなしで拒否されたプロミスを処理することができます。
const response = await promisedFunction().catch((err) => { console.error(err); return "default response";});// response はプロミスが拒否された場合、"default response" になります。これは、promisedFunction() が同期的にエラーを発生させることはなく、常に拒否されたプロミスを返すという前提で作られています。これは、適切に設計されたプロミスベースの関数のほとんどがそうであり、通常は次のようになります。
function promisedFunction() { // エラーが発生する可能性を最小限にするため、プロミスを即座に返す return new Promise((resolve, reject) => { // 非同期に何かを行う });}しかし、promisedFunction() が同期的にエラーを発生した場合、そのエラーはcatch() ハンドラーによって捕捉されません。この場合、try...catch 文が必要になります。
最上位の await
await キーワードは、モジュールの最上位は単独で(非同期関数の外で)使用することができます。つまり、await を使う子モジュールを持つモジュールは、子モジュールが実行されるのを待ってから、自分自身が実行されるようになります。他の子モジュールの読み込みをブロックすることなく、実行することができます。
以下は、Fetch API を使用し、export 文の中で await を指定したモジュールの例です。これを含むすべてのモジュールは、コードを実行する前に読み取りが解決するのを待ちます。
// fetch requestconst colors = fetch("../data/colors.json").then((response) => response.json());export default await colors;await の制御フローの影響
コード(非同期関数またはモジュール内)でawait に出会うと、 await の対象となる式が実行され、その式の値に依存するすべてのコードは一時停止されます。制御は関数を終了し、呼び出し側に戻ります。待機中の式の値が解決されると、一時停止したコードを続ける別のマイクロタスクがスケジュールされます。これは、待機中の値がすでに解決済みのプロミスであったり、プロミスではなかったりする場合でも行われます。実行は、スケジュール済みの他のすべてのマイクロタスクが処理されるまで、現在の関数に戻りません。例えば、次のコードを考えてみましょう。
async function foo(name) { console.log(name, "start"); console.log(name, "middle"); console.log(name, "end");}foo("First");foo("Second");// First start// First middle// First end// Second start// Second middle// Second endこの場合、関数foo は、await 式が含まれていないため、効果は同期的です。 3 つの文は同じ刻みで実行されます。したがって、 2 つの関数呼び出しは、すべての文を順番に実行します。プロミスの場合、この関数は次のように表されます。
function foo(name) { return new Promise((resolve) => { console.log(name, "start"); console.log(name, "middle"); console.log(name, "end"); resolve(); });}しかし、await が 1 つでもあると、その関数は非同期となり、以降の文の実行は次のティックまで延期されます。
async function foo(name) { console.log(name, "start"); await console.log(name, "middle"); console.log(name, "end");}foo("First");foo("Second");// First start// First middle// Second start// Second middle// First end// Second endこれは次のものに相当します。
function foo(name) { return new Promise((resolve) => { console.log(name, "start"); resolve(console.log(name, "middle")); }).then(() => { console.log(name, "end"); });}余分なthen() ハンドラーは、非同期操作を待機しないため、コンストラクターに渡された実行者と統合することができます。ただし、このハンドラーが存在すると、foo が呼び出されるたびにコードが 1 つのマイクロタスクに分割されます。これらのマイクロタスクは、相互に絡み合ってスケジュールされ、実行されます。これにより、コードの速度が低下したり、不要なレースコンディションが発生したりする可能性があります。したがって、await は必要な場合(プロミスをその値にラップ解除する場合)にのみ使用してください。
マイクロタスクは、プロミスの解決だけでなく、それ以外のウェブ API によってもスケジュールされ、同じ優先度で実行されます。この例では、queueMicrotask() を使用して、各await 式が検出されたときにマイクロタスクキューがどのように処理されるかを示しています。
let i = 0;queueMicrotask(function test() { i++; console.log("マイクロタスク", i); if (i < 3) { queueMicrotask(test); }});(async () => { console.log("非同期関数開始"); for (let i = 1; i < 3; i++) { await null; console.log("非同期関数再開", i); } await null; console.log("非同期関数終了");})();queueMicrotask(() => { console.log("非同期関数の呼び出し後の queueMicrotask()");});console.log("スクリプトの同期部分の終了");// ログ出力:// 非同期関数開始// スクリプトの同期部分の終了// マイクロタスク 1// 非同期関数再開 1// 非同期関数の呼び出し後の queueMicrotask()// マイクロタスク 2// 非同期関数再開 2// マイクロタスク 3// 非同期関数終了この例では、非同期関数が再開される前に常にtest() 関数が呼び出されるので、それぞれがスケジュールするマイクロタスクは常に絡み合うように実行されます。一方、await とqueueMicrotask() はどちらもマイクロタスクをスケジュールするので、実行順序は常にスケジューリングの順序に基づきます。このため、"queueMicrotask() after calling async function" のログ出力は、非同期関数が最初の時刻に再開した後に行われます。
スタックトレースの改善
非同期関数からプロミスを直接返す場合、await が省略されることがあります。
async function noAwait() { // Some actions... return /* await */ lastAsyncTask();}しかし、lastAsyncTask にて非同期にエラーが発生する場合を考えてみましょう。
async function lastAsyncTask() { await null; throw new Error("failed");}async function noAwait() { return lastAsyncTask();}noAwait();// Error: failed// at lastAsyncTaskスタックトレースにはlastAsyncTask だけが現れますが、これはプロミスがnoAwait から既に返された後に拒否されたためです。ある意味、プロミスはnoAwait と無関係と言えます。スタックトレースを改善するには、await を使用してプロミスをアンラップし、例外が現在の関数に使用されるようにすることができます。例外はすぐに新しい拒否されたプロミスにラップされますが、エラー作成中に呼び出し側がスタックトレースに現れます。
async function lastAsyncTask() { await null; throw new Error("failed");}async function withAwait() { return await lastAsyncTask();}withAwait();// Error: failed// at lastAsyncTask// at async withAwait一般的な認識に反して、return await promise は、仕様とエンジンがネイティブプロミスの解決を最適化するため、return promise と同等以上の速度です。return promise の高速化の提案があり、V8 の async 関数の最適化についても読むことができます。したがって、コーディングスタイル上の理由がない限り、return await を常に推奨します。
仕様書
| Specification |
|---|
| ECMAScript® 2026 Language Specification> # sec-async-function-definitions> |
ブラウザーの互換性
関連情報
async functionasync function式AsyncFunctionオブジェクト- 最上位の await (v8.dev, 2019)
- typescript-eslint rule:
return-await