
引用元:amazon.co.jp
イングランドのイースト・サセックス( ↓ )に住んでいる両親の「結婚29周年」を祝う為に帰省した一人息子のジェイミー(ジョシュ・オコナー)

久しぶりの実家で、そろそろ寝ようかと二階の部屋にいると、とんでもなく大きな物音が下からする
慌てて降りたところ、母親のグレース(アネット・ベニング)が、怒ってテーブルを横倒しにしたところだった
父親のエドワード(ビル・ナイ)はすでに自室に籠っていたので、テーブルの上から床に散乱した物を片付けながら、母の愚痴を聞く羽目になるジェイミー
しかし母の話はいつも他者への攻撃(口撃?)に切り替わる
すぐに父親の至らない部分を責め始めたかと思いきや、ひとつ相槌を間違えればその矛先は自分に向かうことさえある
翌朝、早くにミサに出掛けた母の居ない間に、父と遅い朝食にしていると、父から
「グレースといると、いつも自分が間違えている気がする、もう限界だ」
「実は他に好きな人がいるから、(ミサから戻ったら伝えて)ここを出て行きたい」
という思いもしなかった告白があり、ジェイミーは渋々仲裁役を引き受けることになってしまう
とにかく冒頭の15分、グレイスがまくし立て、その場の空気も29年の夫婦関係もぶち壊していくシーンが強烈
映画の中のシーンとしても重要だし、まさに迫真の演技という印象
その後、時間の経過と共に事実を部分的に受け入れると同時に将来を諦め、それでもまだ強い意志を抱えてはいるけれど彼女の中で何かが壊れ始める様子が圧巻
グレイスが飼い始めた犬にエドワードという名前を付けるところや、息子との会話もままならなくなる様子など、脚本や演出にも生々しいものを感じる
それと対比するかの様に、イースト・サッセクスの美しい風景が存分に楽しめる
観ていると「こんなに景色の良いところに住んでいて、何故仲良くできないのだろう」と思ってしまうくらい
いつかこの風景(ビーチーヘッド ↓ )を見に車で旅をしてみたい

原題は「Hope Gap」
この白く大きな崖の名前でもあり、夫婦が持つ希望の隔たりを意味しているようにも受け取れる素晴らしいタイトル
邦題に使われた「答え合わせ」は、原題に近い表現(単語)を選んだのだろうけれど、これでは夫婦が歩み寄ろうとしているニュアンスに感じられるから、方向としては逆
ここは原題のカタカナ表記で良かったと思う
主演のアニット・ベニングは「リヴァプール、最後の恋」が強い印象に残っている女優だったけれど、彼女の実力を余すところなく堪能できる本作ですっかり上書かれてしまった
もうひとりの主役・ビル・ナイは、最近偶然にも「マイ・ブックショップ」を観て、彼の演技の魅力に惹かれていたところだったから、本作の世界にも入り易かった
ラストの展開にもうひと捻りあれば、作品としてグッと良くなったのかもしれないけれど、少しもの足りないお陰で、アニット・ベニングとビル・ナイの熱演が鮮明に記憶に残った
明日は、海女さんが大活躍する韓国映画をご紹介
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。