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Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

厳しい会議はプライドを武器に乗り越えよう。

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最近は減ってきたけれども、参加者が資料を順番に唱和するような、無意味で無駄な会議がまだまだ多いように思われる。会議や打合せは最小限にして、その労力を本業に向けるべきだ。僕が勤めているような余裕のない中小企業ならなおさらだ。だが、なくならない。理由はいくつかあるけれども、会議を仕事にしている重役の存在が最も大きな要因だろう。見かけないだろうか?予定表に「会議」しか記入していない取締役。会議に命をかけている重役。会議のための打ち合わせ。先日、会社上層部に重要案件の最終見積の決裁をもらおうとしたら「会議の資料を作るから後にしてくれ」と言われ、「思想の違いだよね」と受け流したのだけど、当該資料に「スピーディーな意志決定の徹底が生き残りの鍵」と書かれていて脱糞しかけたものである。

当社の場合、上層部は金融機関から、出向を経て現職に就いている。業界の経験も知識もない。業界のコネクションもない。そんな彼らが存在感を出せる場は会議しかない。同じような状況の企業は少なくないはずだ。だが、最高幹部会議と幹部会議と部長会議、同じメンバーの会議が名を変えて開催されるアホで会議好きな会社はウチくらいだろう。残念ながら僕は、最高幹部会議と幹部会議と部長会議のメンバーだ。どうやってこの無意味な会議を乗り切れるかをずっと考えてきた。試行錯誤の結果、会社上層部のプライドの高さを利用するという攻略法を編み出したのである。

会社の上層部は、失点しないように生きている。比較的年齢も高いので失脚したらジ・エンド。会議で爪痕を残したいが責任は取りたくない。能力と知識不足はバレたくない。そんな人たち。そしてプライドは高い。彼らのための爪痕残し会議にまともに付き合っていると消耗するので、相手のプライドを利用してやりすごすようになったのである。

たとえば会社上層部の方々に少し難易度の高い話を真正面からすると、彼らはプライドを毀損されたように感じるらしく、聞く耳を持たなかったり、プライドを守るために非実在素人第三者を創造して、「素人にもわかるように説明しなければダメだ!」と声を荒げたりする。素人が取締役として座っているのがおかしいのだけれど…。この説明に必要な時間と労力は馬鹿にならない。というわけで、会社上層部のプライドの高さを利用して「優秀な皆さんはすでにご存じだと思いますので説明は省略させていただきますが」と前置きすることにした。

するとなんということでしょう。主導権を握り、打合せをこちらの進めたい方向に持って行けるようになったのである。彼らは「まあそうだな」的な顔をしていたけど、たぶん1ミリも理解できていない。だが、ここで何かを言ったら「チーム優秀」のメンバーではないことを自白することになる。そして「俺たちの優秀さをよくわかっているじゃないか」みたいにプライドをくすぐられてスルーしてくれるのである。かわいいよね。

爪痕を残したい人たちの中には「どうでもいいまとめ」をする者もいる。まとめると主導権を取れると思っているのだ。かわいいよね。たとえば「この提案でコストを5%削減できます」と僕が言うと「その提案でコストを5%削減できるパターンか」とまとめるのである。復唱である。何がパターンなのか。このまま主導権を握られてわけのわからない時空に引き込まれるのは時間の無駄である。このようなときは「確認の意味で繰り返してくれてありがとうございます。続けさせていただきます」とあえて感謝をあらわして、主導権を渡さないようにする。すると上層部のなかで「道理が分かっているね」みたいな空気が醸成されて次に進められるのである。

まともな感性を持っている人間ならこのようなことを続けているとアホらしくなる。そして会社上層部が馬鹿みたいな発言をしていると、つい「なんでこんなに馬鹿なのだろう…」と口に出してしまう。その瞬間、会社上層部たちは「馬鹿って聞こえたけどもしかして私のこと?」とでも言うような表情をする。そのようなときは「私はなんてバカなんだ!」と大袈裟に言ってリカバリーするといい。頭を抱える仕草を加えるとさらに効果的。「そんな視点があるとは!バカな私には一万年かかっても気付けない」というニュアンスである。目の前で馬鹿と言われても自身を指していないと信じ切っているプライドの高さを利用するのだ。このテクニックにより堂々と会社上層部にバカと言える。そしてくだらないことに付き合わされているストレスを軽減できるのである。「馬鹿だなあ!……私は馬鹿だ!」は効果的なのでぜひ使ってほしい。

ポイントは「……」の長さである。短すぎると相手に「もしかして私?」という戸惑いを与えられなくなり、長すぎると怒り出して離島へ左遷されるので、注意してもらいたい。このようなことに我々のクリエイティビティを浪費するのは本当にもったいないけれども、くだらない会議で時間と労力を無駄にしないため、心身の健康を損なわないため、生き残るためには、一時的にプライドを捨てて、真人間であることを諦めるのも必要なのである。(所要時間26分)お仕事エッセイ本を出しました→

 

 

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サラリーマンのロックロールな日記です。はてなダイアリーから引っ越してきました。最近本を出しました。『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』https://www.amazon.co.jp/dp/4046043598/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_XB.KDb9DT4NXS ピース。アイコンはでんでん様(http://www11.big.or.jp/~denden/)の作品をご本人の許可を得て使用しております。書き物の依頼はメールで→fumikofumio0213アットマークgmail.com

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