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厳かで美しい 冬の絵本(2025年2月 新刊&おすすめ絵本)

文芸・カルチャー

公開日:2025/3/14

 肌を突き刺す冷たい空気。抗っても向かってくる北風。重い雲が垂れ込める鈍色の空。止めどなく降る雪に覆われていく白銀の景色。

 目の前に立ちはだかる寒さに対して、私たち人間も生きものたちもただひたすら耐え忍ぶことしかできません。それでも冬が生み出す風景はどこか凛とした美しさを纏っていて、時に息をのむような世界を見せてくれます。

 厳かさと美しさ、相反しながらも調和した冬の姿が印象的な絵本をご紹介します。

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 しんしんと雪が降り積もる外、今日は園もお休み。雪が降る一日を真っ直ぐな子どもの目線で優しく静かに描いた酒井駒子さんの『新装版 ゆきがやんだら』。曇天の空、雪の野原、山や海を吹き抜ける北風ーー『冬 ふゆ』は、五味太郎さんが冬の生命のきらめきを力強く紡いだ一冊です。

 モノクロームの世界が幻想的な『宮沢賢治の絵本 雪わたり』。氷上の線が紡ぐ軽やかなストーリー、スージー・リーさんが描く『せん』。2つの物語が交錯する不思議なおはなし、安野光雅さんの『かげぼうし 新装版』など、どれをとってもそれぞれにちがう冬の表情が魅力的なラインナップ。窓の外の冬景色を眺めながら、作品の余韻まで堪能してください。

酒井駒子さんが描く優しい雪の世界をより原画に近く再現。各国で翻訳出版されるロングセラー絵本が新装版で登場『新装版 ゆきがやんだら』

新装版 ゆきがやんだら作・絵:酒井 駒子/出版社: Gakken

新装版 ゆきがやんだら

作・絵:酒井 駒子
出版社: Gakken

みどころ
今日は朝から雪が降り続き保育園は休み、帰ってくる予定だったお父さんの飛行機も停まってしまいぼくとままの二人きり。外はすっかり雪に覆われて一面真っ白の雪景色。この世に二人だけしかいないようないつもとは違う別世界、特別な時間が過ぎていきます。心が温まる親子のおはなしです。

子狐の紺三郎と仲良くなった四郎とかん子。月光が美しい夜、狐小学校の幻燈会に招待され……モノクロの銀世界が幻想的『宮沢賢治の絵本 雪わたり』

宮沢賢治の絵本 雪わたり作:宮沢 賢治、絵:方緒 良/出版社: 三起商行(ミキハウス)

宮沢賢治の絵本 雪わたり

作:宮沢 賢治
絵:方緒 良
出版社: 三起商行(ミキハウス)

出版社からの内容紹介
「堅雪かんこ、しみ雪しんこ」雪がすっかり凍った夜、四郎とかん子が小さな雪沓をはいて、歌いながら歩いていくと、森の中から子狐の紺三郎が出てきて、歌に入ってきます。二人は、紺三郎と友達になり、狐小学校の幻燈会に招待されました。月のきれいな晩、森の木の枝に白い敷布がかけられ、いよいよ幻燈会が始まります…。色彩を多く使わない黒と白の幻想的な世界がなんとも美しい1冊。

雪の野原、山、海を吹き抜ける北風のゆくえはーー厳かな寒空の下、きらめく生命。五味太郎さんが静かに強く紡ぐ絵本『冬 ふゆ』

冬 ふゆ作・絵:五味 太郎/出版社: 絵本館

冬 ふゆ

作・絵:五味 太郎
出版社: 絵本館

出版社からの内容紹介
きびしい寒さのなかであふれる生命の力。うつくしい言葉といっしょに力づよく描かれています。

鉛筆の先から生まれるのは、スケートをする少女が氷上に残すのびやかな『せん』。線が織りなす軽やかで魔法のようなストーリー

せん作:スージー・リー/出版社: 岩波書店

せん

作:スージー・リー
出版社: 岩波書店

出版社からの内容紹介
「すべての物語は、一本のせんからはじまる」――えんぴつの先から一本のせんが生まれ、スケートぐつをはいた赤いぼうしの少女がすべりだした。そこは白い氷のうえ。少女はのびやかな曲線を描き、軽やかにジャンプ! ところが……。世界的絵本作家スージー・リーが贈る、驚きと幸福感にみちた魔法のような絵本。

街に、野山にやって来た冬。マッチ売りの少女とかげぼうしの国の見張り番が交錯する物語。安野光雅さんが紡ぐ不思議な世界『かげぼうし 新装版』

かげぼうし 新装版作・絵:安野 光雅/出版社: 冨山房

かげぼうし 新装版

作・絵:安野 光雅
出版社: 冨山房

出版社からの内容紹介
まちに冬がきた。野山にも冬がきた。
山のむこうのずーつと、ずーつとむこうにある秘密の国、「かげぼうしの国」にも冬がきた。
マッチ売りの少女と「かげばうしの国」のみはり番がくりひろげる、ふしぎな、ふしぎなお話。

降りしきる雪の中、ソリ大会の準備のため村に買い物に出かけた妹。心配した兄は……厳しい自然の下に暮らす人々の力強く美しい姿『大雪』

大雪作:ゼリーナ・ヘンツ、絵:アロイス・カリジェ、訳:生野 幸吉/出版社: 岩波書店

大雪

作:ゼリーナ・ヘンツ
絵:アロイス・カリジェ
訳:生野 幸吉
出版社: 岩波書店

みどころ
スイスの画家カリジェの描くウルスリとフルリーナの兄妹のおはなし、美しい絵が人気の絵本です。あしたは子どものそり大会、二人は準備にとりかかります。フルリーナは兄に言われて毛糸を買いに出かけますが・・・。厳しい冬の自然の姿、生活、その中にきらきらと輝く子供達の生命力や華やかに飾り付けられたそりの美しいこと。胸を打つ作品です。

宮沢賢治研究で知られるロジャー・パルバース氏の英訳、戸田恵子さんによる語り。英語と日本語で堪能する美しい雪の世界『英日CD付2ヶ国語絵本 雪渡り Snow Crossing』

英日CD付2ヶ国語絵本 雪渡り Snow Crossing原作:宮沢 賢治、絵:司 修、英語訳:ロジャー・パルバース/出版社: ラボ教育センター

英日CD付2ヶ国語絵本 雪渡り Snow Crossing

原作:宮沢 賢治
絵:司 修
英語訳:ロジャー・パルバース
出版社: ラボ教育センター

出版社からの内容紹介
「竪雪かんこ、凍み雪しんこ」。雪が大理石よりも堅くなった野原で,四郎とかん子は子狐の紺三郎と出会いました。ふたりとキツネたちとの交流が鮮やかに描かれています。

「英語・日本語が交互」に掲載されている絵本に、「英語・日本語一文ずつ交互に収録したCD」がついています。

こどもが初めて英語の物語に出会う時、英語だけではなかなか楽しめません。

日本語の語りが助けとなり、英語物語の世界へ自然と引き込まれていきます。

囚えられた友のカイを救うために立ち向かうゲルダ。恐ろしくも美しい雪と氷の世界『雪の女王』没後150年を迎えるアンデルセンの不朽の名作

雪の女王作:アンデルセン、絵:バーナデット・ワッツ、訳:ささき たづこ/出版社: 西村書店

雪の女王

作:アンデルセン
絵:バーナデット・ワッツ
訳:ささき たづこ
出版社: 西村書店

出版社からの内容紹介
人の心を氷のように冷えさせるという悪魔の鏡によって、カイはなかよしのゲルダのもとを去り、雪の女王に囚われてしまいました。ゲルダはカイを救おうと、雪の女王のお城へ出かけていきます。87年刊の新装版。

 
 
本記事は「絵本ナビ」から転載しております

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