こないだ川崎へ向かう電車の中から、不思議な形のビルを見つけた。
降りて行ってみると、これが非常に心に刺さる90sビルだったので紹介させてほしい。
さらにだ。その一帯は「かわさきテクノピア」という、80~90年代の都市計画区域だったのだ!
川崎って、駅前の便利さだけでいうと、日本有数の街なんじゃないかと思う。
駅直結の巨大商業施設がいくつもあって、街歩きをしなくてもほとんどのものが揃う。
例として、駅前だけでユニクロは3店舗、無印良品も3店舗、ABCマートは5店舗もあるくらいだ。
筆者は神奈川出身なので、何度も川崎駅で降りたことはあるのだけど、駅前を離れず買い物だけして満足してしまっていた。
それが今思うと悔しいのだ。
多摩川を渡り、JRで川崎駅に入っていく途中、超高層ビル群が見える。どこもかしこも高いビルだらけの今となっては、そんなに目立つわけでもない。
だが、そのうちの一つが不思議な形をしているように見える。
なんだか90年代初頭っぽさを感じるのだ。
80年代~90年代のビルや都市計画が好きな自分としては、是非行ってみなければ!
車窓からも駅前からも、なかなかビルの全景が見えてこない。
徒歩5分くらいなので近くまで行ってみよう。
目の前の交差点に来て、やっと全景が見えた。
ビルの名はソリッドスクエア。1995年に完成したオフィスビルだ。
電車からは側面しか見えなかったのだが、ツインタワー形式で真ん中にアトリウムを設けている、80~90年代に流行った形式のビルのようだ。
でも、ビルをただふたつ並べているものとは印象が全然異なる。
四角形の角を正面に持ってきているからだろうか。
鋭角が強調され、ビルの名の通りソリッドでカッコいい。
低層部はレストラン街や県民センターも入っていて、誰でも入れるようだ。
行ってみよう。
一瞬で気に入ってしまった。
こんなに気持ちいい空間、そうないんじゃないか。
木のベンチの質感がまた素敵だ。
なんなんだ、この休日の余裕は。駅直結のラゾーナ川崎は芋洗い状態なのに。
ここは川崎市民だけが知る、祝福された空間なのだろう。
ちょっと、比較のために他のエリアのビルのアトリウムを見てみよう。
どちらも、ツインタワーっぽい形式で、真ん中にアトリウムを設ける同世代のビルだ。
さすがに臨海副都心の中心となるビルとして作られただけあって、あんぐりと口を開けるような巨大空間なのだけど、大仰であんまりくつろげる感じではない。
幕張テクノガーデンの方はホテルのロビーっぽい雰囲気で、ソリッドスクエア並みの誰でもウェルカム感はなかったように思う。あと休日は受験生に占領されていた。
そう考えると、この90年代らしいダイナミックさと市民目線の居心地の良さが共存した空間は稀有な存在に思えてくる。
そして、ここには洒落たカフェではなくて、マックやドトールが入っているのだ。
それがまた良い。
川崎市民がうらやましくなった。
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