18世紀後半、ヨーロッパからアジア、そしてアフリカへと大陸を股にかけた一人の冒険者がいました。 モーリツ・ベニョヴスキー(Maurice Benyovszky, 1746–1786)。 彼はハンガリー出身でありながらポーランド独立戦争に参加し、ロシアの捕虜となってシベリアに流刑されます。しかしそこで終わることなく、驚くべき脱出劇を成功させ、日本や中国を経てヨーロッパへ帰還。その後はマダガスカルに渡り「王」として迎えられるなど、まるで小説のような数奇な人生を歩みました。 彼の冒険は「英雄的」とも「誇張に満ちた虚構」とも評価が分かれますが、その名は今もヨーロッパ各国で語り継がれています。 幼少期と…