2026年に向けても医薬品供給不安が解消しない中、大塚製薬と東和薬品による「特許切れ医薬品」を巡る協業は、日本の製薬産業にとって極めて象徴的な動きである。 先発メーカーと後発メーカーは、これまで明確な競合関係にあり、特許切れ後は「市場からの撤退」あるいは「形骸化した継続」が暗黙の前提であった。しかし今回の事例は、その前提を根本から覆す。 本稿では、この協業が製薬メーカー(特に先発系企業)に突きつける示唆を整理したい。 1. 特許切れ医薬は「負債」ではなく「社会インフラ」になった 従来、特許切れ医薬は以下の理由から先発メーカーにとって“重荷”と見なされてきた。 薬価引き下げによる収益性の低下 安…