紅葉ウォッチング「ドウダンツツジ」。 A last whisper of autumn in crimson. 福岡・篠栗の山あいに佇む呑山観音。去年も訪れたその境内をふちどるドウダンツツジは、満開の盛りをわずかに過ぎてもなお、まるで火を灯すような深紅を保っていました。 ドウダンツツジは、春の壺型の白い花、夏の涼しげな葉、秋の燃えるような紅葉――「三度美しい木」と呼ばれます。その名の由来は、枝ぶりが結び灯台(どうだん)の脚に似ていることから。晩秋になると、葉一枚までが小さな灯りのように揺れ、境内全体が静かな朱の海に変わります。 秋は去ろうとしているけれど、この山の光景は、毎年同じように私たちを…