今年1月に幕を開けた米国の第二次ドナルド・トランプ政権。大統領選で「アメリカを再び偉大な国に（MAGA）」を掲げた氏が目指したのが、米国の経済的利益の最大化による米国経済の復活と、「米国覇権主義」の再構築にあることは、（おそらく）疑いの余地はないでしょう。そうした中で、彼や彼の支持者たちから「最大の障害」、そして「脅威」とまでみなしているのが（この半世紀に偉大な復興を果たした）東洋の大国、中国の存在です。 20年以上も先である2049年を目標に、「中国の偉大な若返り（←The Great Rejuvenation of the Chinese Nation）」を図り、世界の覇権を目指すと公言し…

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🏺 昔のアヘン戦争と、いま起きていること 19世紀に起きた「アヘン戦争」。当時、イギリスは清（中国）との貿易で赤字を抱えていた。中国のお茶や絹織物、陶磁器は大人気だったが、中国はイギリスから欲しいものが少なく、銀での支払いが続いていた。この不均衡を埋めるために、イギリスは植民地インドで栽培したアヘンを清に持ち込み、それが依存と社会不安を広げていった。 このアヘン貿易を巡る対立が戦争に発展した。つまり「相手を弱らせる」だけではなく、経済的な思惑が背景にあったわけだ。 そして今、21世紀。こんどは構図が逆転して、中国からアメリカへ薬物が流れ込んでいる。 その薬の名は フェンタニル。本来は病院で使わ…

1. 導入 📜 2025年8月、米国トランプ政権は半導体大手のNVIDIAとAMDに対し、中国へのAI用半導体輸出を認める条件として、売上高の15％を米政府に納める制度を発表した。 この新制度は米国内でも「輸出税ではないか」「法律違反ではないか」という議論を呼んでいる。 今回の対象は半導体に限られるが、将来は量子コンピューター、宇宙・航空、AI、バイオ技術（医療分野を含む）など他分野に広がる可能性がある。 2. この制度の意味 🎯 米国は中国が最先端技術を手に入れ、それを軍事や安全保障に利用することを強く警戒している。 15％の納付は表向きは条件付き輸出の仕組みだが、実質的には中国の技術力を削…

いま中国では、アメリカの半導体大手NVIDIA（エヌビディア）が作るAIチップ「H20」に疑いの目が向けられている。このH20は、米国が中国への輸出を認める条件として性能をわざと落とした中国向けの特別仕様モデルである。軍事や高度な監視への転用を防ぐため、米国内や他国向けの最上位版より能力を制限して設計されている。中国政府は、このH20に“バックドア”と呼ばれる裏口のような仕掛けがあるかもしれないと考え、中国の大手テック企業に使用を控えるよう求めている。バックドアとは、持ち主に知られず外部から中身をのぞいたり、遠隔で操作したりできる機能のことである。NVIDIAは「そんなものはない」と強く否定し…

1. 現代ニュース💻🇺🇸 先日、新聞でこんな記事を読んだ。 米トランプ政権は、半導体大手NVIDIAに中国向け輸出を認める代わりに、売上の15％を米政府に支払わせる制度を発表した。他の米国企業は中国市場に参入できない中、NVIDIAは条件付きで販売再開が可能になった。 2. 悪代官と越後屋とは⚔️ この記事を読んだとき、頭に浮かんだのは時代劇の「悪代官と越後屋」である。 悪代官：江戸時代の地方役人。町や村を治める立場だが、時代劇では賄賂を取り、許認可を餌に私腹を肥やす悪役。 越後屋：悪代官と結託する商人。表向きは従順だが、裏では談合や賄賂で利益を独占。おなじみのやり取りは「越後屋、お主も悪よの…