——みそぎの意義を語る。人生の災禍がこれによつて拂われるとする。—— イザナギの命は黄泉《よみ》の國からお還りになつて、 「わたしは隨分|厭《いや》な穢《きたな》い國に行つたことだつた。 わたしは禊《みそぎ》をしようと思う」 と仰せられて、筑紫《つくし》の日向《ひむか》の橘《たちばな》の小門《おど》の アハギ原《はら》においでになつて禊《みそぎ》をなさいました。 その投げ棄てる杖によつてあらわれた神は衝《つ》き立《た》つフナドの神、 投げ棄てる帶であらわれた神は道のナガチハの神、 投げ棄てる袋であらわれた神はトキハカシの神、 投げ棄てる衣《ころも》であらわれた神は煩累《わずらい》の大人《うし》…