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武田泰淳
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武田泰淳

(読書)
【たけだたいじゅん】

たけだ・たいじゅん(1912〜1976)。小説家。東大支那文科中退。
戦後派。多く中国文学を基盤とした著作を表す。武田百合子は妻、武田花は夫妻の娘である。

主著

ほか、『風媒花』、『滅亡について』など絶版もしくは品切れ。

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武田泰淳『快楽』を読んで宗教と社会主義の関係を考える

武田泰淳著『快楽』(1973年)読了。 かいらくと読めば世俗的・肉体的な快楽、けらくと読めば仏教的な法悦。しかしこの両者はどのように違うのか、区別する必要があるのか。 つくづく中絶が惜しまれるが、完結していればドストエフスキーに比肩する深さをもった宗教思想小説となっていたかも知れない。 寺の跡継ぎで苦労なしに僧侶になったばかりの若者が、雑念や妄想、とりわけ性欲に悩みつつ、それでも仏教は真面目に勉強して、学べば学ぶほど現実世界と宗教の乖離、保身と蓄財に走る寺の醜態に矛盾を見出す。裕福な檀家の姉妹、露骨に誘惑してくる姉の若夫人と仏教を極めたい求道的な妹の久美子に挟まれて懊悩する主人公、お経の本のあ…

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串田孫一

自由気ままに、柔軟に、日々つねに考え続けるということ。そんなことができるものだろうか。 とくだん心酔したでも愛読したでもなく、影響を受けた憶えもないのに、串田孫一の著作がいく冊か手もとにある。なにかしら気に入っていたのだろう。フランス哲学者であり、詩人であり、随筆家である。山や旅の随筆家として、愛読者が多かったのではなかろうか。役者にして演出家の串田和美さんのお父上である。 本格的な哲学論としては、『哲学散歩』全四巻(筑摩書房)にとどめを刺す。といってもドイツ哲学者たちのごとくに、倫理だ理性だとギリギリ思弁を積重ねて、真理を絞り出してゆこうなんぞという気配は微塵もない。書名のとおり「散歩」だ。…

見切り

自分に見切りをつける必要を、しきりに感じる。 戦後文学という文学史事象を考えれば、登場の経緯といい思想的脈絡といい、まずもって野間宏・椎名麟三に指を屈するしかないのは今もって変るまい。が、昭和文学さらには日本近代文学という枠組みのなかで、文学としてどうなんだと考えるとき、むしろこちらを考えるべきではと思える作家に、武田泰淳がある。 野間宏が提唱した「全体小説」とは、大河巨篇の意味ではなく、心理・生理・社会の絡み合い構造を漏れなく描き尽すという志だったことは、すでに定説だろう。むろん野間宏自身が果敢なる実践者だったことも周知の事実だ。 しかし社会構造の側面や思想思索の側面ではなく、野心・肉欲・信…

武田泰淳「ひかりごけ」

使いでのあるクーポン綴りが今日から使える、はま寿司で昼食。 ゆっくり食べながら聴いた朗読.MP3は 【朗読】「美貌の信徒」惨劇を通して、“極限状況の人間心理”を真正面から直視した黙示録的作品!【紀行文・レーゼドラマ・戯曲・ノンフィクション/武田泰淳】 ウィキペディア『ひかりごけ』[あらすじ]より引用させていただきます。 北海道・羅臼を訪れた「私」は中学校長の案内でマッカウシ洞窟を訪れ、そこで金緑色に光るひかりごけを見る。その帰り道、校長はペキン岬でおこった人肉事件について「凄い奴ですよ」と笑いながら、無邪気で明るい口調で話し始める。「私」はその話に惹きつけられ、「アイヌの一部の部族はかつて人肉…

「富士」 1971

★★★☆☆ あらすじ 余生を過ごしていた男は、富士山麓の精神病院で、演習学生として過ごした若き日々の手記を書き始める。 表紙画は片岡球子の「富士」。 ミュージアム甲斐ネットワーク公式サイト:【イベント】「山々に魅せられた画家たち」 感想 戦時下の精神病院で働く若い演習学生が主人公だ。自分を皇室の人間だと言い張る男や黙りこくる少年、色情狂の女など、様々な患者たちとのやり取りが描かれていく。 そこで浮き彫りになってくるのは、正常とは何か?ということだ。患者たちの自信に満ちた言動を見ていると、もしかしたらおかしいのはこちら側なのかもしれないと不安になってくる。それにそもそも、戦時下の異常事態に平然と…

大波、来るだぞ

小説を書かなかったのではなく、書けなかったのでもない。小説を書けぬ自分を発見した作家だった。山崎正和のことだ。 戯曲『世阿弥』を引っさげ、第一評論集『劇的なる精神』に収録された諸論を展開しつつ登場した山崎正和は、まだ三十歳前後ながらきわめて特色ある作家だった。劇とはなにか、劇的とはどういうことかと繰返し問い続け、次つぎ戯曲を発表した。小説を書こうとする素振りなど、毛ほども見えなかった。 ドラマ論の先達木下順二への関心はことのほか深く、しばしば木下流の後継者とも目された。じつは表面上の形態が似ているだけで、思想の淵源には相違があると、やがて知られるようになったのだけれども。 世界を A か非A …

教科書を閉じて

『新詳説 国語便覧』/東京書籍/1995年刊 『司馬遷』/武田泰淳/中公文庫/2022年刊 私が高校生だった頃の国語の教科書は「現代文」と「古文・漢文」の二種類だった。それが二、三年前に大幅に改変されたらしい。 小説を読んで登場人物の心情を読み取るとか、そういう問題が解けても何の役にも立たなくない? もっと実用的な教育をしよう……国としてはどうやらそんなことを企図して「論理国語」だの「文学国語」だの、新たな科目を設置した。それに対して教育現場からは「漱石も鴎外も読ませないのかッ」と怒りの声が沸き、企業側からは「実用的な文章はAIでもできちゃうからな~」と困惑の声が囁かれているとか。 しかしまあ…

【ひかりごけ】あたなは「人喰い」を裁けるか?武田泰淳が投げ掛ける私たちへの問い

昨年の、北海道知床沖で観光遊覧船「KAZU1」が沈没するという痛ましい事故が記憶に新しいところではありますが・・ 北海道は知床の観光スポットのひとつとして昔から有名な「マッカウス洞窟のひかりごけ」。 皆さんも観光で訪れた方も多いのではないでしょうか。 洞窟内の暗闇で怪しく緑色に光る「ひかりごけ」は非常に不気味なものでありますが・・・まさにその名のそのものの・・ 『ひかりごけ』 という作品をご存知でしょうか? 武田泰淳「ひかりごけ」。 物語は昭和28年9月、作者が知床を訪れた際に地元で聞いた昭和18年の戦時中に起きた事件「人喰い」の話をモチーフに書かれた作品です。 映画では三國連太郎や田中邦衛ら…

武器の魔力 エスパー魔美

風媒花 武田泰淳 目的は土蔵に納められた銃器である。 陸軍の使用した梱包用(こんぽうよう)の木箱が二つ、それは他の箱のあいだで、すぐ見わけがつく。 「考えてみりゃ、今の日本人にとって、武器ほど魅惑的なものはありゃしないんだからな。 予備隊長や旧軍人ばっかりじゃない。左翼だって右翼だって、男という男は、武器がほしくてウズウズしてるじゃないか。 試みに、どこかの平和論者に弾(たま)をこめた拳銃を持たせてみるといい。そして、よく注意してそいつの面つきを観察していてやるといい。 そうすると脈搏(みゃくはく)か神経系統か、腰つきか手つきか、肢指(あしゆび)の曲げかたかどこかに、きっとホンのちょっと、変化…

立ち姿

プログラムとチケット半券(1966) 木下順二作『オットーと呼ばれる日本人』宇野重吉演出、劇団民藝公演。一九六六年九月の再演だ。新劇史に残る名作名演との噂には接していた。が、初演は一九六二年。私は世代的に、間に合っていない。 いつか再演をとは、劇団の腹づもりにも入っていたそうだが、思いのほか早く再演の機会がやってきた。木下順二の書下ろし新作公演を前宣伝していたのだが、台本がどうしても間に合わない。急遽『オットー』再演に切替えられた。 日夜苦吟に苦吟を重ねても、作者がどうしても幕切れを書けない。なるほど、芝居の世界にはそういうこともあるのかと、高校二年生は初めて知った。作者の遅筆苦吟のおかげで、…


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