子どもの頃、「蜘蛛の糸」や「杜子春」を国語の授業で読んだ記憶はありませんか? あるいは、NHK教育テレビの人形劇でどこか懐かしい映像を見た記憶がよみがえる方も多いでしょう。 私もその一人でした。 記憶の片隅に残るだけで、しっかりと読んだことはなかった芥川龍之介の作品。 けれど、ふと書店で『蜘蛛の糸・杜子春』(新潮文庫)を手に取り、改めて読んでみようと思ったのです。 この文庫本には、「蜘蛛の糸」「杜子春」をはじめとして以下のような短編が収録されています: 蜘蛛の糸 犬と笛 蜜柑 魔術 杜子春 アグニの神 トロッコ 仙人 猿蟹合戦 白 まるで“芥川龍之介の短編集・ベストアルバム”のような一冊。 ど…