28 「相州江の嶌」(そうしゅうえのしま) 本作品は湘南海岸の東端、相模湾の沖合に浮かぶ江の島とそこから見える富士山の景観を描いており、干潮を待って砂州を渡って江の島と片瀬海岸を行き来する人々が表現されています。 島を俯瞰するように江の島の密集した家並や検校の杉山和一によって建立された三重塔が描き込まれており、定番の画題でありながらも北斎の独自性が発揮されている作品です。なお三重塔ですが、明治元年(1868年)に神仏分離令で壊され現存していません。