新人作家としての揺るぎない地位を獲得したのですが、その間、芥川は、英語教師としてありつづけました。もちろん、安定した収入を教職から得るためです。 (野原一夫『小説家になるには』ペリカン社) 作家一本で食べていく専業作家こそ、小説家を目指す人にとってのあこがれですよね。 だから、プロの人気作家さんのなかには、「原稿料と印税で食べている人がプロ、それでは生活が成り立たずに大学やカルチャーセンターなどの講師をして暮らす人は“趣味人”です」という趣旨のことを言っている人もいます。 でも、「芥川」って誰でしょうか。そう、あの芥川龍之介先生です。大文豪の芥川先生も専業作家ではなく兼業作家だったんです。 森…