黒田寛一の哲学をわがものに６－4 松代＝北井が黒田の「商品論」に嚙みついて、自分の解釈を対置し始めた。そうすることによって、己の思想＝理論の貧困性を自己暴露した。 その最大の問題は、以下のとおりである。1、2については十分ではないけれどすでに私が論じてきた点であり、改めてここで論ずる必要性はないであろう。ここでは3を中心に松代＝北井を批判する。 1 『資本論』冒頭の始原的商品についての規定を不問にしている、ということである。 始元的商品とは、「直接的には労働力商品であり、媒介的には同時に、この労働力商品の担い手である賃労働者＝プロレタリアの生産した「資本としての生産物」たる資本制商品である」と…

端から見ると、 今の私の姿は、 とても中途半端で迷子に見えるかもしれない。 「これだ」という感覚が出揃うまで、 心が動くままに、 大事なことを決めるようで決めず、 ただただ動いている。 総理大臣をやりたいと言い始めたかと思いきや、 心理学者の道を考えたりカウンセラーをやりはじめ、 カウンセラーをやったかと思えば医師の道を志し、 めいっぱい戦って検討しきった結果、あっさりと医師の道を手放して。 なんだか今はこちょこちょと動き回っている。 自分の中では、軸はすべて同じもの。 ただしっくりくる表現を必死に探しているだけなのだけれど、 端から見たら意味不明に見えるかもしれない。 闇雲に動いているわけで…

今回は冨山和彦氏著の「ホワイトカラー消滅」を要約していきます。労働供給制約社会・グローバル化・テクノロジーの進展が同時に起きる中で、従来型のホワイトカラーの仕事が変容する中で、大規模な産業間の労働移転をしないと国力・労働生産性の観点から不味いという警笛を鳴らし、「学問のすゝめ」の如くスキリング・リスキリングをしながらトランスフォーメーション（主にローカル産業とエッセンシャルワーカーへの従事を推奨）すべきという主張が展開されます。 「ホワイトカラー消滅」 ■ジャンル：経済学 ■読破難易度：低（歴史や論文をベースに論を展開されるので非常に読みやすいです。前知識は不要です。） ■対象者：・労働市場の…

バブル崩壊後の近視眼的な経営判断で氷河期世代に犠牲を強いた多くの企業は、巡りめぐって報いは受けたとは思っています。 本来であれば安定した消費者となった世代が、十分な所得を獲得できなかったことによる市場の縮小はその最たるものでしょう。 また、低所得が婚姻率低下に与えた影響も無視できないでしょう。 結果として、少子高齢化が以前の予測以上に急速に進むことになってしまいました。これらについては個人的な感覚で感じることです。 統計などの裏付けは持ち合わせていません。 ただ、バブル崩壊後の長らくの経済低迷や急速な少子高齢化は事実であり、その要因に上記のようなことは十分に考えられると思います。その氷河期世代…

福田復彦 労働とは簡単に言えば「収入を得る目的で身体を使ったり、知能を使って何らかの生産活動に参加する」ということでしょう。仕事において長期経験や技能の高さに反比例して物理的に肉体労働の量や頻度は減少し、単純労働者に比較して高い収入を得ることができます。知能労働者とは高度な専門的な知識を駆使してより高い生産性をあげるので、前者よりさらに高い収入を得ることができます。 日本人はあまり意識しませんが、メキシコ人も含めて欧米人は労働とは収入を得るための商品であると考えています。確かマルクスが一番初めに言った言葉だと思います。よってより高い知的能力を持てば労働市場で高価値労働力として企業などに高価格で…

今年一番と言って良いFOMCが終わりました。 政策金利は市場予想では0.25%か0.5%かで割れていましたが、蓋を開けてみると0.5%の利下げで決定となりました。 私の個人的な予想では、いきなり0.5%は無いだろう、0.25%で様子を見るだろうと思っていたので、正直驚いています。 パウエル議長の記者会見でも、なぜ0.5%なのか？という質問も飛び交っていましたが、今のFRBが気にしていることは労働市場ということで、端的にいうと、後手に回らないように0.5%の利下げを決めたということですが、それならなぜ7月に0.25%下げなかったのか？ということには明確な回答はしていませんでした。 まあ、分からな…