Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


Hatena Blog Tags
はてなブログ トップ
佐伯一麦
このタグでブログを書く
言葉の解説
ネットで話題
関連ブログ

佐伯一麦

(読書)
【さえきかずみ】

作家
1959年、宮城県生まれ。宮城県立仙台第一高等学校卒業。
週刊誌記者、電気工等の職業につく傍ら、創作を志す。
1984年「木を接ぐ」で海燕新人賞を、1990年『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、1991年『ア・ルース・ボーイ』で三島由紀夫賞、1997年『遠き山に日は落ちて』で木山捷平文学賞、2004年『鉄塔家族』で大仏次郎賞を受賞。私小説作家として知られる。『群像』に連載した長編『ノルゲ』を講談社から2007年刊行。みずからも罹患しているアスベスト禍を告発した『石の肺』(新潮社)もある。
他に『雛の棲家』『一輪』などの著書がある。

このタグの解説についてこの解説文は、すでに終了したサービス「はてなキーワード」内で有志のユーザーが作成・編集した内容に基づいています。その正確性や網羅性をはてなが保証するものではありません。問題のある記述を発見した場合には、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

関連ブログ

時間切れ小説家

読み返したくなるような余生でありたい。けれど自分にはもはや、その時間は残されてはあるまい。さよう思わせる作家たちがある。 主人公は幼き日に、性的悪戯の被害を受けた。母親にただただ抱きしめてもらいたかった。大丈夫、たいしたことじゃないと、背中を撫でて欲しかった。だが母からは、お前がボンヤリしてるからそんな目に遭うのだと云われた。傷ついた。 県内有数の受験校では、全生徒があたりまえのように大学受験志望だったが、たった一人の就職希望生徒のために、なん年ぶりかで進路指導室の鍵が開けられた。東京へ出て職人修業に入り、腕の好い電機工となった。ガンベルトにドライバーやスパナやペンチを刺して、壁裏へもぐり屋根…

ネットで話題

もっと見る

関連ブログ

佐伯一麦『ショート・サーキット-佐伯一麦初期作品集』2015・講談社文芸文庫

2018年のブログです * 佐伯一麦さんの『ショート・サーキット-佐伯一麦初期作品集』(2015・講談社文芸文庫)を読みました。 またまた佐伯さんの小説で、このところ、じーじは(佐伯)一麦ワールドと(樋口)有介ワールドにハマってしまった感じです。 佐伯さんが初期に書かれた小説から選ばれた作品集ですが、なかなか読み応えがあります。 あらためて思ったのは、佐伯さんは文章がうまいな、ということ。 丁寧で、美しい日本語です。 誰が下手とはいいませんが(?)、佐伯さんの文章が端正なので、小説で描かれている世界が、夫婦の不和や仕事上の大変さなど、かなりヘビーな内容なのですが、気分はあまり悪くなりません。 …

「日和山」

「佐伯一麦自選短篇集」とある。初期の作品から東日本大震災後までの長い期間から9篇が収録されている。1986年から2012年までの「朝の一日」「栗の木」「凍土」「川火」「なめし」「青葉木菟」「誰かがそれを」「俺」「日和山」。妻視点の作品もあり、楽しめた。 日和山 佐伯一麦自選短篇集 (講談社文芸文庫 さN 2) 作者:佐伯 一麦 講談社 Amazon 「朝の一日」は実質的な処女作のようだ。高校時代の新聞配達をしていたときの話だが、「ア・ルース・ボーイ」の一部分と重なる部分がある。再読の箇所もあるが、不思議と読んでしまった。新聞販売店、配達、そして、仕事から見えてきた事柄の詳細がすごい。 佐伯さん…

「読むクラシック」

佐伯一麦さんの小説だけじゃなくて、エッセーでも読んでみようかとブックオフで取り寄せた。2001年刊行なので書店購入は難しく、アマゾンの中古だと1円だが、送料が350円。税抜き100円ながら店頭で引き取れば送料はないので、ブックオフで購入することにした(他の入手困難本と一緒に)。副題に「音楽と私の風景」とある。これまで読んだ作品にも佐伯さんのクラシック好きを思わせる場面があった作曲家グレツキはポーランド出身だからと同国の演奏家によるCDを取り寄せたり、部屋でクラシックを流したのを(離婚した)妻になじられたりした場面があった。後者については、生活が大変なのに、どこか現実から逃避しているように受け止…

「ショート・サーキット」

再び、佐伯一麦さんの小説を読む。タイトルは「ショート・サーキット」で、福武書店から1990年に刊行されたものと一緒だがデビュー作「木を接(つ)ぐ」などを加えて再編したもので、2005年に講談社文芸文庫から出ている。Kindle Unlimited で読めるのを知り、「ノルゲ」とともに「レンタル」した。 5編のうち3編の発表は先週読んだ「ア・ルース・ボーイ」よりも先だが、時系列的には後日談になっている。電気工として家庭を持ち、アスベスト被害で胸膜炎(作品内では、肋膜炎)が発症し、子どもの病気の都合などを踏まえて東京を離れて、いずれ故郷に戻る。働きながら書いた小説が新人賞を受賞し、作家としての生き…

「ア・ルース・ボーイ」

帰省で長時間電車に乗って本が読めたので、珍しく紹介できる本がたまっている。昨日分を含めて4、5日続けて投稿できそうだ。 運行数の少ない常磐線だが、仙台方面に向かって小高で下りて次のいわき方面の電車を待つと小一時間ほど時間が取れるタイミングがあり、作家の柳美里さんが営む「フルハウス」に寄ってきた。購入したのは、佐伯一麦「ア・ルース・ボーイ」と他1冊。初めて行った時も、佐伯さんの「空にみずうみ」を購入している。「ア・ルース・ボーイ」は佐伯さんの初期の作品で三島由紀夫賞を受賞している。1991年刊行。 P+D BOOKS ア・ルース・ボーイ 作者:佐伯一麦 小学館 Amazon 主人公の斉木は地元の…

「光の闇」

自分の中で佐伯一麦さんの存在が大きくなってきた。何か読みたいと思って探したのがこの本。文庫化された本があまり書店になく(講談社文芸文庫は高い!)、Kindleで探した。購入したときは399円だったが、今現在は1319円になっている。ここらへんの値段設定ははよく分からない。 前に読んだ「空にみずうみ」でもたびたび出てきたが、佐伯さんは、電気工時代にアスベスト被害で喘息に苦しみながら作家生活を続けている。自らの「肉体的欠損感覚」を端緒に、さまざまな「欠損感覚」を持つ人に出会うという連作小説になっている。私小説なので、いずれも実際にあったことがベースになっていると思われる。ノンフィクションのように読…

「空にみずうみ」

静かな小説だった。日々の雑記と言ってもだろう。東日本大震災から4年経った、ある夫婦の一年。東北のある地方の歳時記のようでもある。鳥の声や紛れ込んでくる昆虫、植物、畳替えなどの一年を綴っている。見逃しているかもしれないが「震災」という言葉もなく、恨み言もない。4年経った後、現状をただ受け止めて、自然、仕事、自分たちの体調の良し悪しに任せて、日々を無理せずに過ごしていく。どこか豊かさを感じる。 空にみずうみ (中公文庫) 作者:佐伯一麦 中央公論新社 Amazon 著者の佐伯一麦(かずみ)さんは仙台市在住の作家。この作品は読売新聞の連載をまとめたものだが、主人公は作家で妻は染織家と、名前は変えてい…

次なる時代

お作を通して、ずいぶんいろいろ教えていただいた気がする。それでも私は、この作家にとって好ましい読者には、一度たりともなれなかった気がしている。 島田雅彦さんが『優しいサヨクのための嬉遊曲』で登場したとき、読みもせぬうちからその題名に圧倒されてしまった。アッ、新しい奴が出てきた、という感じがした。 国も時代もこのままでいいわけがない。ならばいかにすれば? 残念ながら勉強不足につき判らない。かといって日本社会党にも日本共産党にも同調できないとなれば、とりあえずは大学内を席捲していた新左翼だ。志は文学にあるから、政治運動にのめり込むわけにもゆかず、心情的には新左翼に共感しながらも行動をともにはせず、…


[8]ページ先頭

©2009-2025 Movatter.jp