鈍い音を立ててポイントが切り替わると、ほどなく踏切の警報灯が点滅を始めた。緩い左カーブを描いて1000系の4連が現れる。本線の高架から降りてくる連絡線と合流すると、最徐行しながら車止めのある3番線に入線してくるのだ。 見上げる空はもう冬の青だと思う。ちょうど4番線から快特に道を譲った逗子・葉山行きが出発していった。ビル群の只中の京急川崎は近代的な高架駅だけど、今日旅をする大師線だけが地平ホームを発着する。 多摩川の土手下で国道15号の六郷橋を潜って港町、鈴木町と4連は停車していく。鈴木町駅の構内踏切を一般車は渡れない。向こう側は味の素川崎工場で、週末だから鉄製の門が閉まっている。守衛所の生真面…