朝、家を出る前に近所の人に捕まってしまった。近所の人というのは、もちろん高齢者だ。僕は高齢者に捕まりやすいのだ。 主に家の愚痴を聞くことになった。簡単に言えば嫁の悪口である。片方の話だけを聞いているだけでは詳細がわからず、証拠が無く、「言った言わない」の問題となる、典型的な愚痴である。しかも「でも自分が我慢すれば良いのだから」と、問題解決に繋げる気もない。たいていは「もう墓まで持っていく」と、ずいぶんリアルな言葉まで付いてくる。愚痴としてはずいぶんと純度の高いものだ。中年や若者ならば、多少なりとも解決への想いが含まれる。 乙女みやげ 作者:甲斐 みのり 小学館 Amazon 過去にこういう問題…