(ネタバレ注意) レイトショーに2回、いずれも泥酔状態で足を運んだ。宇多田ヒカルと米津玄師が歌う煽情的なエンドテーマでは不覚にも泣いた。それだけ年を取ったのだ。……ということを一応告白しておく。 青春初恋物語の側面を強調せんがためか、あまりにも甘く味付けしてあるので、原作未読のまま映画を観て落涙滂沱となった人はぜひ「チェンソーマン」単行本の5巻と6巻を読むべきだろう。原作の言葉と絵を注意深く追っていけばただの悲恋話ではないことが分かると思う。 端的に言うと、初恋ファンタジーを指向した映像や音楽の演出を丸飲みすることで頭が麻痺してしまうのはかなり危うい。漫画であれ小説であれ、映画化作品が大甘に出…