今年亡くなった長嶋茂雄は、記録よりも記憶に残る選手だと称された。 物心ついた頃には巨人の4番が原だった世代なので、長島の記憶は全然なく、868本というホームランの世界記録をもつ王よりも、長島のほうが人気があるという大人たちの感覚がまるでわからなかった。 まったく同じように、記録よりも記憶に残るアーティストのすごさを、後追い世代には正確に理解することが難しい。 それが自分にとっては、たとえば吉田拓郎であり、矢沢永吉であり、中島みゆきであり、佐野元春であった。 曲を聴いたり書かれたものを読んだりしてみても、同時代を生きた人たちによって、かれらがなぜそこまで神格化されているのか、なかなか掴めずにいた…