いけなみ・しょうたろう(1923-1990) 作家。小説家。1923年(大正12年)1月25日、東京・浅草生まれ。下谷・西町小学校を卒業後、茅場町の株式仲買店に勤める。戦後、東京都の職員となり、下谷区役所等に勤務。長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本・演出を担当。1960年(昭和35)年、「錯乱」で直木賞受賞。テレビシリーズとなった作品も多い。美食家・映画評論家としても著名である。小説、エッセイ多数。1990年(平成2年)5月3日、急性白血病で急逝。
女城主 戦国時代小説傑作選 (PHP文芸文庫) 著者 : アンソロジー PHP研究所 発売日 : 2016-09-08 ブクログでレビューを見る» アンソロジー作品『女城主 戦国時代小説傑作選』を読みました。細谷正充の編集による時代小説アンソロジーです。-----story-------------戦国時代、男の名で家督を継ぎ、井伊家を滅亡の危機から救った女城主・井伊直虎のほか、民を愛し、城を守った姫君たちの気高くも美しい姿を描いた傑作短編集。義父・真田昌幸に愛された月姫の決断(井上靖「本多忠勝の女」)、忍城籠城に際し、領民とともに濠を掘った女城主(山本周五郎「笄堀」)、夫・立花宗茂への葛藤を…
『江戸切絵図散歩』池波正太郎江戸切絵図散歩 (新潮文庫)作者:正太郎, 池波新潮社Amazon池波正太郎と言えば、大正12年(1923年)の浅草生まれ。 まだ江戸の空気を纏う祖父母に育てられ、自身は小学校卒業後すぐに小僧奉公、チップを稼いで戦前の銀座などでグルメや観劇の素養を積む。 なかなか真似できない前半生が、鬼平犯科帳など江戸小説の風景に繋がっているわけです。10代の頃から気後れゼロで老舗に出入りしていれば、散歩ついで初見の名店にも入れる豪快健啖おじさんになるわけである。うらやましい…!で、この切絵図散歩です。 池波御大が亡くなる前年(1989年)の一冊。 御大がお持ちの江戸切絵図(当時で…
ランチに上田市のカレー・洋食のお店「べんがる」を訪れました。カツカレーを注文しましたが、濃い目のルウとお肉厚めのカツが美味しい。 鬼平犯科帳や剣客商売、真田太平記で知られる小説家の池波正太郎さんが訪れた店でもあり、歴史を感じるたたずまいとともに、記憶に残るお店です。 外観。小路に面していて、看板や建物が風情があります。 店内 店内。入口の方を撮影。入口の扉の左上にスピーカーが見えますが、ピアノトリオなどジャズが流れています。 カウンター席に着席。このあと、お客様がどんどん入ってきました。 お店備え付けのムック池波正太郎著「旅でみつけたうまいもの」。「べんがる」が登場しています。 べんがるのペー…
2025年3月〜10月の読書と少しだけの【感想】その二です。コツコツと池波正太郎氏の作品も堪能しました。❶ 剣客商売 十三 波紋(池波正太郎) ❷ 剣客商売 十四 暗殺者(池波正太郎) ❸ 剣客商売 十五 二十番斬り(池波正太郎) 少しずつエンディングが近づき…終わってほしくない…寂しさも感じます。波紋―剣客商売 新装版 (新潮文庫)作者:池波 正太郎新潮社Amazon剣客商売 十四 暗殺者 (新潮文庫)作者:池波 正太郎新潮社Amazon剣客商売 十五 二十番斬り (新潮文庫)作者:池波 正太郎新潮社Amazon❹ 鬼平犯科帳(池波正太郎) 特別長篇を含む2冊…いつも大満足です。新装版 鬼平…
鬼平犯科帳 決定版 (21) (文春文庫) 著者 : 池波正太郎 文藝春秋 発売日 : 2017-10-06 ブクログでレビューを見る» 池波正太郎の連作時代小説『決定版 鬼平犯科帳〈21〉』を読みました。『決定版 鬼平犯科帳〈20〉』に続き、池波正太郎の作品です。-----story-------------大島勇五郎は、名前ほど勇ましくないが有能な同心だ。しかし最近おかしい。不審を感じた平蔵が、自ら兇盗の跳梁を制する「春の淡雪」、探索方から勘定方に戻されて、ふて腐れていた細川峯太郎が、非番の日に手柄を立て、再び探索方に戻るまでを描く「泣き男」、浮気の虫が騒ぎ出した木村忠吾にも温かく厳しい眼…
鬼平犯科帳 決定版 (20) (文春文庫) 著者 : 池波正太郎 文藝春秋 発売日 : 2017-10-06 ブクログでレビューを見る» 池波正太郎の連作時代小説『決定版 鬼平犯科帳〈20〉』を読みました。池波正太郎の作品は先日読んだ『決定版 鬼平犯科帳〈19〉』以来ですね。-----story-------------女は、いきなり甚助へつかみかかり、「何をしゃあがる」立ちあがった甚助に突き飛ばされると、「か、敵討ちの約束がまもれぬなら、わたした金を返せ、返せえ!!」白眼をつりあげて叫んだ。逃げ廻る甚助に旧知の平蔵は助太刀をするが、事は意外な方向に展開して行く。女心の奇妙さに、さすがの鬼平も…
鬼平犯科帳 決定版 (19) (文春文庫) 著者 : 池波正太郎 文藝春秋 発売日 : 2017-09-05 ブクログでレビューを見る» 池波正太郎の連作時代小説『決定版 鬼平犯科帳〈19〉』を読みました。池波正太郎の作品は先日読んだ『決定版 鬼平犯科帳〈18〉』以来ですね。-----story-------------双肌をぬぎ、太やかな腕を剥き出しにして、せっせと桶をつくる働き者のおろくは、息子の変事をきいて顔色が変わった。「これ、どうしたのだ?」「うちの子が、勾引(かどわか)されたんでございます」叫ぶようにいったおろくが、平蔵の手を振り切って家を走り出た。──幼児誘拐犯は、実の親か? 卑…
鬼平犯科帳の三巻目。巻が進んで面白さに深みが増してきた。 鬼平犯科帳(三) 作者:池波 正太郎 文藝春秋 Amazon 本巻には、短編6本を収録。前巻までと決定的に違うのは、冒頭の「麻布・ねずみ坂」を除いて平蔵が火付盗賊改メ方の長官を解任されていることだ。といっても、失敗をして解任されたというわけではない。平蔵の目覚ましい活躍によって最近は江戸が平和になってきたので、一時的にその任を解いて、少し骨休めの休暇をもらったような形である。 久々に重責から解放された平蔵は、父の墓がある京都にお参りがてら、少々の旅行をすることにした。供は、部下の木村忠吾のみ。前巻で女好きキャラを確立した木村はすっかりお…
鬼平犯科帳 決定版 (18) (文春文庫) 著者 : 池波正太郎 文藝春秋 発売日 : 2017-09-05 ブクログでレビューを見る» 池波正太郎の連作時代小説『決定版 鬼平犯科帳〈18〉』を読みました。池波正太郎の作品は先日読んだ『新装版 鬼平犯科帳 特別長篇 鬼火〈17〉』以来ですね。-----story-------------大恩ある盗賊の娘が狙われていると知った密偵・仁三郎は、平蔵に内緒で非常手段をとる。盗賊上りの部下を思いやる長官の情と密偵の苦悩を描く「一寸の虫」。尾行中の鬼平の前で提灯が闇に飛んだ。辻斬りか? 「神妙にせよ!」、途端に逃げ失せた賊と共に傷ついた男も消える。謎が謎…
鬼平犯科帳 十七 (文春文庫) 著者 : 池波正太郎 文藝春秋 発売日 : 2000-11-10 ブクログでレビューを見る» 池波正太郎の長篇時代小説『新装版 鬼平犯科帳 特別長篇 鬼火〈17〉』を読みました。池波正太郎の作品は先日読んだ『決定版 鬼平犯科帳〈16〉』以来ですね。-----story-------------その居酒屋には名前さえついていない。うまい酒を出すが、亭主がたいそう無愛想なその店を、土地の人びとは「権兵衛酒屋」と呼んでいる。その身のこなし、もと二本差であったらしい。興味をひかれた長谷川平蔵は「権兵衛」に立ち寄り、評判の酒を堪能することに。しかし、直後、店の女房は斬られ…