作家、小説家、(1909-1992) 「探偵小説」を「推理小説」に変換させた原動力となった作家であり、いわゆる「社会派推理小説」の鼻祖である。ただし、作品は、推理小説の枠を越え、さらに歴史研究・昭和史検証にまで及び、非常に多岐に渡る。デビューが遅く、それまでは長く「下積み人生」をおくってきたため、社会の下層にいる人々に共感した作品が多く、「司馬史観」と対象させて「清張史観」と呼ばれる場合もある。
松本清張の代表的1冊 ミステリー好きなら作品名を知らない人がいないであろう名作です。 松本清張と言えば日本のミステリーの原点的な存在であると、私自身はとらえているのですが、数多くある作品の中でも代表的な1冊だと思います。 いわゆる警察小説ということになりますが、一人の刑事の執念が事件の真実をとらえるまでの道のりを十分に感じることができます。 一見は男女の心中に見えた事象も、殺人事件として真実をあばく様は圧巻です。 ■あらすじ ■粘り強さからきっかけをつかむ ■2人の刑事の関係 ■松本清張の作品イメージ ■まとめ(感想) 【スポンサーリンク】 ■あらすじ 舞台は昭和30年代。 福岡市香椎という岩…
銀座8丁目の奥まったところに、静かにたたずむ「カフェ・ド・ランブル」。 コーヒーだけの喫茶店です。 創業は戦後間もない昭和23年。西銀座の路地裏でのスタートでした。創業者の関口一郎氏は、復員後しばらくの間は映画関係の仕事をしていたようですが、氏のいれるコーヒーが人気で、友人知人の勧めで銀座にコーヒー店をオープンしたのだそう。 当時銀座で最も高いコーヒーが90円だった時代に、なんと100円で販売。いつまで続くやらと噂されたそうですが、当時ではまだ珍しいサイフォンでいれる本格的なコーヒーは評判を呼び、銀座紳士の集うカフェになっていきました。 常連客には、銀ブラの大好きな永井荷風(明治12.12.3…
きのうの夕方、東大阪市役所の展望ロビーから西の空を見た 南の空を見ると… きのうの仕事帰りに、ちょっとした用があって、東大阪市役所に寄った。 庁舎に入る前に西の空を見ると、厚い雲の一部が赤く染まっていた。 「これは真っすぐには帰れないな」と思い、用を済ませてから展望ロビーに上がった。 西の空の赤い部分はかなり小さくなっていたが、空に点を打ったように残っていた。 そして、南に目を向けると、空の底に線を引いたように赤い雲が伸びていた。 西と南の雲の様子を見て、松本清張の代表作である『点と線』を思い出し、「赤い雲が点と線になって、いい光景を見せてくれたな」と思った。
■『松本清張と水上 勉』藤井淑禎(筑摩選書2025年)を今月2日に読んだ。今年はアジア・太平洋戦争について書かれた本を読もうと思っていて何冊か読んだが、戦争前と戦争後も気になりだして、広く昭和という時代について書かれた本を読まなくてはならないと思うようになった。これは当然の成り行きだと思う。それで、『昭和天皇の戦後日本』、『昭和史の形』、『戦後史の正体』と続けて読んだ。気分転換に他の本を読みたくなり、藤井淑禎(ひでただ)さんの『松本清張と水上 勉』を読んだ、という次第。この本は、先日、松本の丸善で見つけて買い求めていた。出版されたばかりの本だ。松本清張の作品はかなり読んだし、清張作品について論…
NHKの番組で、未解決事件・松本清張と帝銀事件を観ました。 帝銀事件、というのは、時々目にする昔の事件で、たまにドラマになったりしていたような気がしますが、あまり興味がなかったというのが正直なところです。 しかし、昨日のドラマで、松本清張さんと編集者が、帝銀事件の真実を追って苦悩する様子や、ジャーナリズムの何たるや、そして何より、松本清張さん自体にものすごく興味をひかれました。 松本清張さんの著書は、実は読んだことはないと思います。 テレビのドラマになったものを観たことはありますが、どうにもこうにも余韻が悪くて、変に後をひくというか、すっきりしないというか。 ただ、昨日の番組を観て、その余韻が…
小説のネタ自体は、これまでいくらでも思いついてきました。 でも、いざ物語として組み立てようとするとこれがなかなか難しい。ずーっと形にならなかったんです。 そんな私を変えてくれたのが ChatGPT 。 対話しているうちに、こっちの頭にポンポンとネタが浮かんでくる。それを投げると、ChatGPTが「こんなストーリーはどう?」と返してくる。 正直言って、そのストーリーは全然ダメ(笑)。 でも、それをきっかけにして「いや、ここはこうしたら面白いかも」「こっちの場面に変えたら新鮮かも」と自分の中でアイデアがどんどん広がっていくんです。 これには本当にびっくりしました。 生成AIとブレストしてみた やっ…
お彼岸はやっと涼しさを運んできました。 いま自分の生きた時代背景を探る読書の旅をしていましたが、激動と苦渋に溢れていました。まずは松本清張著「昭和史発掘」12巻、「日本の黒い霧」上下巻を読みました。 books.bunshun.jp books.bunshun.jp その際解説の半藤一利の文を読み、是非ともこの著者のものも味わいたくなってしまい、新版昭和史 戦前篇1926―1945、戦後篇1945―1989を求めました。 book.asahi.com まさに私が過ごした時代と重なっています。松本清張とは異なった切り口と授業形式の柔らかい語りかける通史で2冊の長い1150ページを地図とGoogl…
はじめに:歴史と人間ドラマが織りなす名作 松本清張の「或る『小倉日記』伝」は、1952年に芥川賞を受賞した短編小説です。福岡県小倉(現・北九州市小倉北区)を舞台に、森鷗外の「小倉日記」の行方を追い求める主人公の姿を描いた作品です。清張自身の故郷への深い愛と、歴史の謎に迫る情熱が込められています。この記事では、作品のあらすじや魅力、松本清張の作家像を詳しく紹介します。さらに、最新の関連情報も交えて、現代の読者にも響くポイントをお伝えします。歴史や文学に興味のある方、ぜひ最後までお楽しみください! あらすじ:不自由な体で歴史の謎を追う 物語は1938年(昭和13年)から1950年(昭和25年)の日…
好きなタイトルの本というのがある。語感がよかったり、テーマが好きだったり、自分が思っていることを端的に言い表してくれていたり。この本もそのひとつ。 古代史は知的冒険 作者:関 裕二 PHP研究所 Amazon ほんとそう思う。ただ、今回はこの本の内容には触れない。何が知的好奇心を刺激するかは人によると思うので。でも今回は、このテーマについて書いてみる。 歴史は過去のことなので、変わりようがないと思っていた。でも新発見があったりすると、古代史の常識が覆ったりするらしい。鎌倉幕府の成立年とか、聖徳太子が教科書に載らなくなったりとか、源頼朝の絵は違う人だとか。 それまで定説とされているのは、多くの人…
台風が過ぎ、各地に爪痕を残しました。台風本体というより、それに刺激されて発達した雷雲による被害でした。災害のパターンも変わってきたように思います。以前のような備えでは防げない部分も出てきました。被害を受けられたかたがたには、お見舞い申し上げるとともに、備えの更新を心がけたいと思います。 8月の末から、どことは言えない体調不良が続くので、医者を受診しました。体がだるいとか、頭がくらくらするとか、視界が白くぼやけるとか、熱中症のような症状のほか、イライラするとか、集中力がなくなるなど、精神的な症状もありました。 いろいろ検査しましたが、夏バテと熱中症で脱水状態ということでした。漢方薬と、水分補給を…