そろそろ全国のSF研に新入生が入るころだろうし、思い出話として語ってもいいかなと思ってこのエントリを書いた。
そもそものはじまりとして、高校3年の春休みにスタージョンの「海を失った男」を読んでSFの凄さに感銘を受け、そこからSF棚に平積みされていた伊藤計劃、円城塔、飛浩隆といった面々を消化し、いつの間にやらSF研のドアを叩いていたという、そういう人間である。
なお、見事に青背ばかりが並ぶわけだが、実は20世紀SFをオススメされたり、SFマガジン2000年2月号をオススメされたりすることも当然あった、と書いておく。ただ、残念なことに、アンソロはSF入門に極めて便利な一方で、僕自身がオススメされた時の記憶があまり残っていないので今回は避けることにした。
※追記
これだけは書いておかなければ誤解を生むと思いましたので書きます。今の京大SF研と違って教養主義的である、というコメントがありましたが、ここで自分がオススメされたとしている作品群も先輩が「面白いから読んでみ」「君はこれが好きそうだから読んでみ」という趣旨でオススメされたわけで、「これを読まずにSFを語るな」という意味での教養主義的な点は一切はありませんでしたよ。もちろん、他人に本を薦めたり、あるいはこうやって(思い出話とはいえ)本のリストを作ったりする行為から「押し付け(パターナリスティックな感じと言うか)」を排除することは出来ませんが、当時のSF研も、このエントリでも、そういった感触を可能な限り排そうという努力は怠っていなかったと自負しております。





世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)


シェイヨルという名の星 (ハヤカワ文庫SF―人類補完機構シリーズ)



※追記
本当に思い出話として一人で読書メーター眺めながら「ああ、こんなのも読まされたな〜」と楽しく書いたのに、予想以上にブクマが付いてびっくりした。ストレスに弱い人間なのでこういうのは落ち着かない。西日本だとラファティはわりとデフォルトなのね、とか原書は流石にその人の希望がない限りオススメされません、とか色々返したいコメントはあるけど、ここはそういう場ではないと自分で決めたので、あとは沈黙。
リストとして使いたい人はこのコメントも参照すると尚良いと思う。
レムを一冊削って『シティ5からの脱出』に。(海外作家で統一するため)『玩具修理者』を削って『タイム・トラベラー』に。『愛はさだめ、さだめは死』を『故郷から10000光年』に、『しあわせの理由』を『祈りの海』に。これでだいたいOKだと思うが、10冊じゃ自分の趣味が全く入れられん。
— 曽根卓 (@sonesuguru)2014, 5月 14



※さらに追記
『恋する潜水艦』はマッコルランだと指摘を受けました。大変失礼しました、そして修正しました。ピエール・マッコルランの『恋する潜水艦』もトンマーゾ・ランドルフィの『カフカの父親』も、どちらも素敵な本なのでSFのついでに手を伸ばしてみることを是非ともオススメしておきます。


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