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映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

おめでとう!フォルティウス ミラノ・コルティナ冬季五輪出場決定

この数日、完全に映画館とは無縁の生活だった。なぜなら、カーリングの五輪世界最終予選が行われていたからだ。

 

カーリング女子のミラノ・コルティナ冬季五輪出場チームは、すでに8チームが決定。残りの2チームが今回の最終予選で決まることになっていた。

 

この大会の日本代表として、日頃から私が応援している「フォルティウス」というチームが出場していた。私がカーリングに興味を持ったのはずいぶん昔の話で、確か2006年のトリノオリンピックあたりだったと思うが、そこに出場していた「チーム青森」の2選手、小笠原歩船山弓枝の2名がその後に立ち上げた「北海道銀行フォルティウス」というチームを応援するようになった。北海道銀行フォルティウスソチ五輪に出場し、オリンピックの日本女子勢で過去最高タイの5位に入賞した。

 

だが、その後は2018年の平昌オリンピック、2022年の北京オリンピックともに、ロコ・ソラーレに敗れて日本代表になれなかった。しかも、北京オリンピックの代表決定戦に敗れた後には、北海道銀行のスポンサー契約終了によりチームの存続が危うくなってしまった。それでも選手たちは競技を続けることを選択し、新生「フォルティウス」として再出発した。スポンサーもなくまったくゼロの状態からのスタートだった。そんな苦境を知って、なおさら私のフォルティウスに対する思い入れは強くなった。クラウドファンディングがあれば協力し、ファンクラブの会員にもなった。それだけに今回の世界最終予選も全力で応援した。

 

 

試合はカナダのケロウナというところで行われ、日本時間午前2時、午前7時、午後12時に開始されることになっていた。午後12時はともかく、午前2時はつらいし(特に次の日の午前に予定がある時は)、午前7時もけっこう早い。それでも必死になって起きて、NHK BSを見ながらチームを応援した。寄る年波を考えれば、体に悪いことこの上ない。だが、そんなことは関係ない。何が何でもフォルティウスを応援するのだ。

 

今回の最終予選に出場したのは8チーム。予選は総当たりで各チーム7試合戦う。そんな中、フォルティウスは強豪アメリカをはじめ各チームを次々に撃破。6連勝で予選最終戦を迎えた。相手はノルウェー。白熱の大接戦だったものの、最後は1点差で敗れた。この結果、予選2位のフォルティウスは、1位のノルウェープレーオフで戦うことになった。これに勝てば五輪出場だ。もし敗れれば予選3位のアメリカと対戦し、それに勝たなければ代表にはなれない。

 

試合は一進一退。今回も大接戦になった。見ているこちらはハラハラドキドキ。息が苦しくなるほどだった。いや、この試合に限らず、ほぼすべての試合がそうだったのだが。それでも、フォルティウスは安定した戦いぶりで、6対5で見事に勝利した。その勝利の瞬間、涙があふれてきた。

 

思えばフォルティウスはずっとギリギリの戦いをしてきた。国内の代表決定戦に出るためにどうしても優勝しなければならない2月の日本選手権で優勝し、そして9月の代表決定戦に進んだ。代表決定戦では連敗からスタートし、もう後がない状態から見事に代表の座をつかんだ。だから、今回も絶対に大丈夫だと信じてはいたものの、本当に五輪出場が決まった時には様々な感情が湧きあがって涙が出てきたのだった。

 

スキップの吉村紗也香選手は、高校生から5度目の挑戦でようやくつかんだ夢の舞台。リードの近江谷杏菜選手はバンクーバー大会以来、サードの小野寺佳歩選手はソチ大会以来の五輪出場。セカンドの小谷優奈選手とリザーブの小林未奈選手は初の五輪だ。

 

おめでとう!フォルティウス。ミラノ・コルティナ冬季五輪は来年2月。ずっと目標にしてきた金メダルに向けてさらなる前進を!!

 

 

「君と私」

「君と私」
2025年12月4日(木)ホワイト シネクイントにて。午後3時15分より鑑賞(B-8)

~悲惨な事故を背景にした瑞々しい青春ストーリー。そのきらめきが切ない

 

セウォル号沈没事故というのを覚えているだろうか。2014年4月に韓国で発生した海難事故で、多くの高校生が犠牲になった。その事故を背景に据えたのが韓国映画「君と私」だ。

といっても事故は直接的には描かれない。描かれるのは感受性豊かな2人の少女の青春の1ページだ。

オープニングから鮮烈な映像が飛び出す。校庭を映しただけなのだが、それがまばゆいばかりの光にあふれた映像なのだ。逆光も含めて光を大胆に取り入れた映像は、本作全体のタッチだ。ドキュメンタリーや広告映像、MVなどを手がけてきた映像作家・DQMが撮影を担当している。これが、このドラマの瑞々しさをより倍加させる。

カメラは教室の机に突っ伏している高校生のセミ(パク・ヘス)に移動する。彼女は不思議な夢を見る。それを先生に訴えるが、軽くいなされる。この夢の内容は、終盤になって明かされる。

セミは胸騒ぎを覚えて、入院中の同級生ハウン(キム・シウン)のもとへ向かう。ハウンは自転車の事故で足を骨折していた。セミは彼女にある告白をしようと考えていた。

そこからはセミとハウンの仲睦まじい様子が映される。2人ともよく笑う。底抜けに明るい。あの年頃の女の子らしい振る舞いだ。ハウンの踵を見たセミは、そこが白くなっていることに気付く。角質のせいだ。これは遺伝なのだとハウン。この踵は何度か映画の中で象徴的に映される。

そんな中、セミはハウンの手帳を見てしまう。そこには「フンババにキスしたい」という一言がある。

セミはハウンに一緒に明日からの修学旅行に行こうと誘う。だが、ハウンは行かないという。何より足がまだ完全に治っていないし、旅行費用もないという。

それでも2人は、ハウンがプレゼントされて一度も使っていないビデオカメラをネットで売って、旅行費用を調達することにする。2人は病院を抜け出し、ハウンの家へ行く。

その後も、まばゆい光に包まれたスクリーンの中を、2人が生き生きと動き回る。2人の息遣いまで繊細に描写される。

やがてセミの心にさざ波が立つ。セミはハウンにケガをさせたのが、イケメンの高校生だと知る。彼がフンババなのか?

ところが、彼はハウルには別の彼氏がいるらしいと告げる。セミはそれをきっかけにハウンと激しい言い争いをしてしまう。ハウンは彼女のもとを去っていく。セミはハウンが好きなのだった。

友達に誘われてカラオケに行ったセミが、歌ううちに感情が高まり、涙にくれるシーンは圧巻だった。カラオケ映像には、いつの間にかセミとハウンの楽しい日常が映っていた。セミの悲痛な心を的確に表現したシーンだ。セミが歌っているのは、2000年代に活躍した4人組女性ボーカルグループBig Mamaのヒット曲「諦め」だそうだ。韓国ではカラオケの定番として知られる代表的な失恋ソングとのこと。まさしくセミの心境にぴったりの曲だ。

その後、友人たちとともにハウンを探すセミ。そこで事の真相を知ることになる。

というわけで、とても瑞々しい青春ドラマではあるのだが、それだけではない。セミがハウンを誘った修学旅行というのが、済州島への旅。例のセウォル号で行くのだ。セミとハウンは架空の人物だろうが、あの事故の当事者であることが示唆される。2人の青春の1ページともいうべき愛おしい1日は、2人にとって最後の思い出かもしれないのだ。

それを知っているから、ドラマが瑞々しく、キラキラとしていればいるほど切なさがこみあげてくるのである。特に終盤、現実とも夢ともつかない場面が連続するあたりでは、もうたまらなくなってしまった。

セミ役のパク・ヘスは「スウィング・キッズ」「サムジンカンパニー1995」などに出演していた。ハウン役のキム・シウンは「あしたの少女」で注目された。2人とも繊細かつ瑞々しい演技で、揺れる少女の心を巧みに表現していた。

俳優として活躍するチョ・ヒョンチョル監督。長編デビュー作でこれほどの作品を撮った彼の胸中には、事故で犠牲になった高校生たちに対して、「絶対に忘れないからね」という思いがあったのではないだろうか。瑞々しくてあまりにも切ない映画だった。

◆「君と私」(THE DREAM SONGS)
(2022年 韓国)(上映時間1時間58分)
監督・脚本:チョ・ヒョンチョル
出演:パク・ヘス、キム・シウン、オ・ウリ、キル・へヨン、パク・ジョンミン
*ホワイト シネクイントほかにて公開中
公式ホームページ https://youandi-film.com/
(外部のサイトに移動します。外部のサイトの内容については責任を負いませんので)

 


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「佐藤さんと佐藤さん」

「佐藤さんと佐藤さん」
2025年12月1日(月)TOHOシネマズ 池袋にて。午後2時10分より鑑賞(スクリーン1/C-3)

~佐藤さんと佐藤さんの15年。人と人との関係は変化する

 

「佐藤」という苗字は多いが、佐藤さん同士の結婚というのはそれほど多くはないだろう。苗字が最初から一緒だから気が合うという訳ではないが、最初はうまくいっていた関係も環境の変化によって変わってしまうのはよくあるケース。それを描いたのが天野千尋監督の「佐藤さんと佐藤さん」だ。天野監督といえば、隣人トラブルを描いた2019年製作の「ミセス・ノイズィ」が印象深い。

映画は、最初は37歳の佐藤サチ(岸井ゆきの)の姿から始まる。弁護士としてバリバリ活躍する彼女は、離婚したい男の身勝手な話を聞く。その後、同僚の弁護士らしき男から、「だったら最初から結婚しなけりゃいいのに……」というようなことを言われて、サチは複雑な表情をする。

その後は時間をさかのぼり、22歳のサチと佐藤タモツ(宮沢氷魚)が描かれる。大学のコーヒー研究会で知り合った2人はやがて親密になる。性格は正反対。ダンス好きで活発なアウトドア派のサチと、正義感が強く真面目なインドア派のタモツ。だが、なぜか馬が合った。

やがて2人は同棲し、楽しく暮らし始める。5年後、タモツは司法試験に挑戦し続けているが、なかなか合格できなかった。サチは彼をサポートするために、一緒に勉強してあげる。ところが、なんと司法試験にはサチが合格して、タモツはまたしても不合格だった。

サチは申し訳なく思う。タモツは深く傷つく。試験の発表後、訪れた喫茶店でのシーンが印象的だ。かなり高齢の女性の店員(店主?)が注文を聞く。サチはブレンドを注文し、タモツはブルーマウンテンを注文する。店員は耳が遠く、よく聞き取れない。しばらく後に彼女が運んできたのは、ブレンドとパフェ。サチは注文していないと言うが、タモツは「いいよ」と黙々とパフェを食べる。うすら寒い空気が流れる。2人の今後を暗示するような場面だ。

その後、サチは弁護士になり多忙になる。タモツは塾の講師をしながら勉強を続けるが立場は完全に逆転する。2人はささいなことからケンカを繰り返す。

ところが、ほどなくサチの妊娠が発覚。サチはもちろんタモツも大喜びで、2人は結婚することにする。

出産後、サチはすぐに弁護士の仕事を再開する。タモツは司法試験の勉強を続けながら、息子の世話をする。だが、それは大変なこと。勉強するどころではなくなる。2人はまたもすれ違い始める。

その後は、タモツが司法試験への意欲を失くしたり、故郷に帰ってそこに住もうと言ったり、あれこれあるのだが、けっして夫婦にとってマイナスの出来事だけでなく、明るいエピソードも描くのが印象的。その分、話がリアルに感じられてくる。

天野監督は軽快かつ丹念にサチとタモツの15年を追う。そこで効果的に使われるのが手持ちカメラだ。あまり多用しすぎると鼻につくのだが、本作では絶妙のタイミングで使われる。2人が接近する場面やケンカする場面など、揺れ動く心理を手持ちカメラの揺れる映像で表現するのだ。ある意味、それはスリリングでさえある。

本作には何組かのカップルの姿も描かれる。サチの元同僚は夫との微妙な関係を語りつつ、サチに対して「あなたは結婚しても佐藤だからアイデンティティーに悩むこともない」という趣旨の発言をする。また、サチのある依頼人は、高齢になって妻から離婚を突きつけられ、うろたえる。彼はずっと「男が稼いで家族を養わなければならない」という価値観にとらわれてきたらしい。

そんなふうに、夫婦別姓や男性中心主義などをドラマの背景に組み込みながら(それを深く追求するわけではないが)、サチとタモツの15年間の軌跡を描いていくのである。

ラストのサチの表情が何とも言えない。彼女の鼻歌だけが残ってスクリーンは暗転し、やがてエンドロールが流れる。サチは何を考えていたのだろうか。

エンドロールに流れる優河の「あわい」という曲が美しくて心にしみる。

岸井ゆきの宮沢氷魚の演技が秀逸。岸井はとびっきりの明るさと、暗さのコントラストを見事に表現。宮沢の内向的な演技もいい。2人とも、それぞれの心中がよく伝わってくる演技だった。

夫婦って本当に面倒くさいなぁ。いや、夫婦に限らず人と人との関係とは複雑なものである。

◆「佐藤さんと佐藤さん」
(2025年 日本)(上映時間1時間54分)
監督:天野千尋
出演:岸井ゆきの宮沢氷魚藤原さくら、三浦獠太、田村健太郎、前原滉、山本浩司八木亜希子、中島歩、佐々木希田島令子ベンガル
*TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
公式ホームページ https://www.sato-sato.com/
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「ナイトフラワー」

「ナイトフラワー」
2025年11月28日(金)イオンシネマ板橋にて。午後4時15分より鑑賞。舞台挨拶中継付き(スクリーン2/E-10)

~母の愛ゆえに犯罪に手を染めるシングルマザー。北川景子と森田望智の芝居を直視せよ!

 

多種多様な作品を監督している内田英治監督。その中でも草彅剛主演の「ミッドナイトスワン」(2020年)は圧巻の映画だった。日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞している。その「ミッドナイトスワン」に続く「真夜中シリーズ」と監督が称している作品が、「ナイトフラワー」だ。

映画の冒頭、勤め先のスナックのトイレで夏希(北川景子)がウトウト居眠りをし、寝言を言う場面が映る。「そっちに行ったらアカン!」。おそらく子供に向かって言っているのだろう。

トイレから出た夏希は、「生きててよかったー!」とフラワーカンパニーズの「深夜高速」をシャウトする。いや、シャウトなどという生易しいものではない。がなり立てるのだ。

この冒頭のシーンだけで、本作での北川景子の演技が凄まじいものであることを予感させる。それほど衝撃的だった。

夏希の夫は多額の借金を残して蒸発し、夏希は2人の子供と一緒に東京に逃げてきた。昼も夜もいくつもの仕事を掛け持ちしても生活は苦しい。苦しいどころか明日の食べ物にも事欠く始末だった。役所にかけ合ってもどうにもならない。

そんなギリギリの生活でも、夏希は2人の子供を可愛がった。だが、時には感情が決壊する。幼い息子が餃子が食べたいと何度も言うのを前に、彼女は「うるさい!」と怒鳴りつけてしまう。その直後、我に返り「ごめんな」と息子を抱きしめる。

夏希は昼間の仕事先で、上司のパワハラに耐え切れず、ついにブチ切れて解雇されてしまう。彼女はどんどん追い詰められていく。

ドラマの転換点は、夏希が夜の街で偶然にドラッグの売買現場を目撃し、その売人がぶちのめされたことで訪れる。気を失った売人のそばにあったドラッグを入手した夏希は、それを見よう見まねで自ら売りさばく。

だが、それは危険な行為。街のギャングに見咎められ、彼女は殴られてしまう。それを助けたのが、格闘家の多摩恵(森田望智)だ。多摩恵は夏希の家に行き、彼女の傷の手当てをする。それをきっかけに、夏希と多摩恵は友人のような関係になる。いや、2人の子供も含めて疑似家族といってもいい関係だ。

多摩恵の生い立ちなどは明かされないが、彼女は孤独を抱えて生きていた。格闘技では食べて行けず、デリヘルでバイトもしていた。そんな彼女が、夏希たちと家族のような関係になるのは自然の流れだったのかもしれない。

多摩恵は夏希に一緒に商売をしようと持ちかける。知り合いを通じてギャング組織にコンタクトをとり、2人で正式な売人になるのだ。多摩恵は夏希のボディガード役だった。

商売は順調に進んだ。娘に中古とはいえバイオリンを買い与えることもできた。だが、さらに金が必要になり、夏希は今までの5倍の量のドラッグを扱うことを組織のボスに持ちかける。それはあまりにも危険な取引だった。

終盤は不良娘の死、探偵から拳銃を買うその母親などが登場して、夏希と多摩恵の行く手に暗雲が広がる。まあ、ちょっと現実にはあり得ない展開なのだがスリリングなのは確かだ。いったいどうなるのか息を飲んでスクリーンを見つめた。

その後のラストを、ハッピーエンドとも、バッドエンドともつかない曖昧なものにして、観客の想像力に委ねたところも好感が持てる。私的にはあれはファンタジーとして、あり得たかもしれない未来を描いているのではないかと思ったのだが。

北川景子の演技は、彼女の心の痛みをダイレクトに伝えるリアルなものだ。子供への絶対的な愛ゆえに犯罪に手を染める母親を、全身全霊で表現している。これまでの一般的なイメージをかなぐり捨てて、青く染めた髪で大阪弁を操り、悲しみや怒り、悔しさなどを情感豊かに演じている。本当に素晴らしい芝居だ。

多摩恵役の森田望智も口数は少ないものの、心に抱える深い孤独と、不愛想な中にも優しさを感じさせる演技が見事だった。多摩恵の練習や試合のシーンもたびたび登場するが、その格闘シーンは本格的なものだった。

経済格差や貧困家庭などの社会問題を背景にした、凄味に満ちたドラマだった。あまりにも過酷な夏希の人生は観ていて心が重くなるほどだが、その一方で、多摩恵とのシスターフッド的な友情や子供たちとの強い絆、圧倒的な母性が静かな感動を呼び覚ます。おかげで最後までスクリーンから目が離せなかった。北川と森田の演技だけでも見逃す手はない。

◆「ナイトフラワー」
(2025年 日本)(上映時間2時間4分)
原案・監督・脚本:内田英治
出演:北川景子、森田望智、佐久間大介、渋谷龍太、渡瀬結美、加藤侑大、渋川清彦、池内博之田中麗奈光石研
*丸の内ピカデリーほかにて全国公開中
公式ホームページ https://movies.shochiku.co.jp/nightflower/
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「兄を持ち運べるサイズに」

「兄を持ち運べるサイズに」
2025年11月27日(木)TOHOシネマズ 日比谷にて。午後6時45分より鑑賞(スクリーン10/C-8)

~急死したダメ兄の知らなかった姿を知り変わっていく妹

 

中野量太監督は、「チチを撮りに」「湯を沸かすほどの熱い愛」「長いお別れ」「浅田家!」と、一貫して家族をテーマに映画を撮ってきた。5年ぶりとなる作品「兄を持ち運べるサイズに」も家族を巡るドラマだ。村井理子のノンフィクション・エッセイ「兄の終い」を映画化した。絶縁状態にあった兄の突然の訃報をきっかけに、家族に巻き起こる4日間のあれやこれやを描いている。

主人公は理子(柴咲コウ)。作家をしている彼女は夫と2人の息子とともに暮らしている。そこに突然電話がある。宮城県多賀城市の警察からで、疎遠だった兄(オダギリジョー)が急死したという。脳溢血らしい。発見したのは、兄と暮らしていた息子の良一(味元耀大)。警察は遺体を引き取りに来てほしいと言うが、理子はあまり気乗りしない。

実は兄とはずっと疎遠なのだった。理子は、自分勝手で生活力に乏しい兄に振り回された過去がある。2人の関係を物語る幼少期のエピソードが描かれる。父、母、理子の3人がレストランにいる。兄はといえば、店の外のサンプルケースをじっと見ている。父はもう待てないとばかりに、3人分の注文をする。その後、兄は遅れて入って来て、みんなが食べ終わった後にオムライスを食べる。父は不機嫌。母は兄を優しく見守っている。

いつもこんな調子なのだ。兄は自分勝手でマイペース。周囲のことなど気にしない。母はそんな兄を可愛がった。だから、理子は「お兄ちゃんが、いなくなりますように」といつも願っていた。

父が死んだ後は母と一緒に暮らしていた兄だが、母が癌になったことがわかると衰弱するのを見たくないと家を出てしまう。母が亡くなり葬儀に顔を見せたと思ったら、兄は葬儀で儲かった金をよこせと言う。それ以来、理子は兄と連絡を取らなくなった。

最近も、兄は金の無心のメールをしてきていた。そこに書かれていたことは、いかにも嘘くさい。理子はメールを無視した。

兄が亡くなった多賀城市へ出かける理子。できるだけ早く済ませて、「兄を持ち運べるサイズに」してしまおうという気持ちだった。警察に遺体を引き取りに行き、そこで兄の元妻・加奈子(満島ひかり)と、その娘・満里奈(青山姫乃)と7年ぶりに再会する。さらに、葬儀場で児童施設にいる良一とも再会する。その後、加奈子と満里奈とともにゴミ屋敷と化していた兄のアパートを片付ける。

その最中、理子はアパートの壁に貼られた家族写真を見つける。悪口を言い続ける理子に対して、自分と同じように迷惑をかけられたはずの加奈子は、「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」と言う。こうしたことから、理子はもう一度兄のことを見つめ直す。

この映画の面白いところは、回想シーンは最低限にして理子たちの想像の兄を登場させていることだ。つまり、現在進行形のドラマの中に兄が普通に登場して、場合によっては理子たちとやりとりをするのである。いわばファンタジーの要素をドラマに注入するわけだ。これが実に効果的。兄がどういう人物で、どう生きてきたのかを端的に表現する。終盤には父と母まで登場する。

そうした中で、理子が持っていた兄のイメージが崩れ始める。自分勝手ではあっても、彼なりに一生懸命に生き、何よりも良一を可愛がっていたことがわかる。彼がついた数々の嘘も、あながちデタラメばかりではなかった。

印象深いシーンはいくつもある。その中でも、幼い頃の兄と理子のシーンが素敵だ。喫茶店を営み帰りの遅い母を思う理子に、兄は自転車の後ろに彼女を乗せ、店まで行って母の姿を見せるのである。その帰りに警察官についた兄の嘘も傑作だ。

本作は全編笑いに満ちたコメディーである。終盤の新幹線車中での分骨シーンなどは思わず爆笑してしまった。

泣けるシーンもある。加奈子が、良一に対して負い目を感じながらも、誠実に真正面から「一緒に暮らしたい」というシーンは、涙腺が崩壊しそうだった。

4日間の経験を通して、理子は兄を一面的にしか見ていなかったことを悟る。人間は複雑で多面性を持つ存在なのだ。どんなにひどい人だと思っても、実はそれとは違った面があるのかもしれない。理子の兄に対する憎しみは後悔へと変わっていく。

それを経て、すっかりきれいになったアパートで、理子、加奈子、良一がそれぞれ自身の想像の兄と対面するシーンが秀逸だ。ユーモラスであるのと同時に、故人の思い出が胸にある限り、その人物は生きているのだと実感させられた。

すべてを終えて、兄のお骨を持って戻ってきた理子を出迎える家族。これもまた微笑ましく、心和むシーンだった。

柴咲コウは、兄の様々な姿を知って微妙に感情が変化していく演技が見事だった。また、満島ひかりは別れても嫌いにはなれない兄への思いと、息子に対する複雑な感情を表現した絶品の演技だった。

オダギリジョーの飄々とした、得体の知れなさもいい。おそらく彼が演じなければ、兄はただの最低男になってしまったのではないか。

娘役の青山姫乃、息子役の味元耀大に加え、斉藤陽一郎、浦井のりひろ、不破万作吹越満らの脇役もいい味を出している。

いくら何でも都合よすぎという気もしないではないが、それを上回る魅力がある映画だ。中野監督の家族を見つめる温かな視線がいい。笑って、泣いて、ほっこりできる。そんな映画である。

◆「兄を持ち運べるサイズに」
(2025年 日本)(上映時間2時間7分)
監督・脚本:中野量太
出演:柴咲コウオダギリジョー満島ひかり、青山姫乃、味元耀大、斉藤陽一郎、岩瀬亮、浦井のりひろ、足立智充、村川絵梨不破万作吹越満
*TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
公式ホームページ https://www.culture-pub.jp/ani-movie/
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「TOKYOタクシー」

「TOKYOタクシー」
2025年11月24日(月)TOHOシネマズ 池袋にて。午後1時20分より鑑賞(スクリーン3/D-13)

~一人の老女の人生に日本の戦後史を重ね合わせる

 

山田洋次監督の91本目の監督作が「TOKYOタクシー」。ご存じフランス映画「パリタクシー」(クリスチャン・カリオン監督)のリメイクである。

「パリタクシー」は当然ながら舞台がパリ。それが東京に変わっただけで、映画はずいぶん違ったものになる。おまけに、大枠こそオリジナルに沿っているとはいうものの、細かなところではかなり改編を施しているらしい。

主人公の宇佐美浩二(木村拓哉)は個人タクシーの運転手。最近は夜働くことが多い。妻(優香)は昼間スーパーで働いている。中学生の娘(中島瑠菜)は音楽大学の付属高校への推薦が決まり大喜び。しかし、その分、かなりの学費が必要になる。さらに車検代などの費用もかさむ。宇佐美と妻にとって頭の痛い日々が続く。

こうして生活のやりくりに苦しむ庶民の暮らしに焦点を当てるあたり、いかにも山田監督の作品という感じである。

そんな中、宇佐美が勤務を終えて眠りにつくと、電話がかかってくる。相手は運転手仲間。ギックリ腰になってしまい仕事に出られないので、予約のお客さまを代わりに引き受けてほしいというのだ。

宇佐美は渋々引き受ける。車を出した宇佐美は、車中で姉に電話をかける。何とか金を貸してくれないかというのである。

この電話の声の主はなんと大竹しのぶ。そして先ほどの電話の主は明石家さんま。元夫婦の声の共演。なんだ?この遊び心満点の仕掛けは。思わずニンマリしてしまったではないか。

ニンマリするところはまだある。宇佐美が客と待ち合わせするのは柴又の帝釈天の前。とくればフーテンの寅さんだ。これもまあ遊び心たっぷりですこと。

映画全体のタッチも軽快だ。喜劇を得意とする山田監督にしても、これほどの軽さは珍しいのでは?

帝釈天前でタクシーに乗り込んだのは、高野すみれ。85歳。向かうのは葉山の高齢者施設だという。ただし、その前に「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがある」と言う。そこで宇佐美は東京の様々な場所を巡り始める。

最初の場所は言問橋。ここですみれの父が亡くなったという。「交通事故で?」と宇佐美が聞くと「戦争で」と答えるすみれ。空襲で幼いすみれを残して、死んでしまったのだ。

これをきっかけに、すみれは自身の人生を語り始める。それはそれは壮絶で波瀾万丈の過去だ。少しずつそれを語りながら、すみれの思い出の場所を巡る2人。

というわけで、タクシー内の会話がこのドラマの主軸になる。それは実際に走行している車ではなく車内のセットで撮影されたもの。ただし、窓から見える風景は、LEDウォールというもので背景画像を映し出し合成したもの。なので、本当に走っている車のようで臨場感たっぷり。

ただし、それでもやはり会話劇だけに俳優がポイントになる。木村拓哉はさすがに普通のおじさん役も似合うようになったが、今回は珍しく受けの芝居でいい味を出している。会話をリードするのは倍賞千恵子。それに振り回されながら、次第に彼女に親近感を抱くところを巧みに表現している。

一方の倍賞は、強さと弱さを同時に持ち合わせているすみれを自然に演じている。ときどき可愛らしさも見せる。まさしく長い間に色々な芝居を経験してきた年輪のなせる業。奥深い演技だった。このコンビが絶妙なので、観ていて最後まで全く飽きることがない。

その車内の会話のシーンの合間に挟まれるのが、すみれの回想だ。彼女の過去の起きたことを映像で見せる。在日二世の朝鮮人の青年と恋をするが別れ、その男の子供を産む。その後はDV男と結婚。そして……。

特筆すべきは、それらの出来事が日本の戦後史と結びついていることである。東京大空襲で父を失い、戦後の解放感の中で恋をして、朝鮮戦争後の帰国事業で恋人を失う。男性中心社会で苦しみ辛い日々を送った後に、再起し自立して成功を手に入れる。彼女の人生は、そのまま日本の戦後史を象徴している。それがこの映画の最大の特徴だろう。社会問題をドラマの背景に取り込むことを得意としてきた山田監督らしさを感じさせるのと同時に、オリジナルとは似て非なるものとして、この映画のアイデンティティーとリメイクする理由を明確に打ち出している。

若い頃のすみれは、蒼井優が演じている。こちらは、いつもながらの安定の演技。過去のすみれが、今のすみれと地続きの存在であることを意識させる。山田監督の映画にしては珍しく激しい場面もあるが、それも違和感を感じさせない演技だった。

宇佐美の妻役の優香、娘役の中島瑠菜など、その他の役者もいい演技をしている。山田作品ではおなじみの笹野高史に加え、小林稔侍がちらっと出ているのも嬉しいところ。

さて、タクシーで会話をするうちに宇佐美とすみれは次第に心を通わせる。外に出てベンチでコーヒーを飲んだり、横浜でレストランで食事をしたり。その末に宇佐美はすみれを目的地に送り届ける。そのあたりの交流も自然で納得できる。

その後の展開はネタバレになるので伏せるが、最後の後日談はありがちな展開。とはいえ、悲しみと同時に心が温まる。見事な余韻に浸れるのであった。

戦後80年に、こういう映画を作る山田監督はやはりただ者ではない。まさしく戦後の日本映画界とともに歩んできた歴史を感じさせる作品だ。

◆「TOKYOタクシー」
(2025年 日本)(上映時間1時間43分)
監督:山田洋次
出演:倍賞千恵子木村拓哉蒼井優迫田孝也、優香、中島瑠菜、神野三鈴、イ・ジュニョン、マキタスポーツ、北山雅康、木村優来、小林稔侍、笹野高史、(声の出演)明石家さんま大竹しのぶ
*新宿ピカデリーほかにて全国公開中
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「道草キッチン」

「道草キッチン」
2025年11月25日(火)K's cinemaにて。午後2時30分より鑑賞(B-6)

~人とのつながりの大切さを知る女性。温かで優しいご当地映画

 

ご当地映画というジャンルがある。特定の地域を主要な舞台にしてドラマが展開する映画で、その地域の自治体や市民が全面支援しているケースが多い。以前ここで取り上げた倉敷を舞台にした「蔵のある街」(平松恵美子監督)などもご当地映画と言えるだろう。

「道草キッチン」は徳島県吉野川市を舞台にしたご当地映画。吉野川市市制20周年、板野町町制70周年を記念して製作され、吉野川市板野町が特別協賛している。

都会で小さな喫茶店を営む桂木立(中江有里)。独身で家族や親戚もいない彼女は、このまま1人で生きていこうと考えていた。だが、ある日、再開発の影響で店が立ち退きを余儀なくされ、閉店に追い込まれる。さらに閉店の日、彼女は倒れてしまう。そんな中、徳島県吉野川市から相続についての思わぬ通知が届く。それをきっかけに立は徳島への移住を決める……。

主人公の桂木立は50歳。亡き母が開いた小さな喫茶店の経営を引き継いでいる。独身で家族も親戚もおらず、漠然とこのまま1人で生きていくのだと思っていた。

映画は、その喫茶店で常連客が立に閉店を嘆く場面からスタートする。再開発の影響で立ち退きを余儀なくされ、閉店に追い込まれたのだ。再開発でできたビルにはチェーン店のカフェが入るらしい。

そんな閉店の日。立はめまいがして倒れてしまう。救急車で運ばれた立は、病院で血圧が高いと言われる。今までそんなことは言われたことがなかったと立が言うと、「年齢が……」という話になる。いわゆる更年期障害というやつらしかった。立は将来が不安になる。

ちょうどその頃届いた一通の封書。それは徳島県吉野川市から届いた相続に関する通知。当地の屋敷の持ち主である叔父が亡くなり、その後は妻が住んでいたものの、その妻も亡くなり相続人の立に通知が来たのだ。

立は叔父がいるらしいことは知っていたが、会ったこともなかった。どうやら叔父は母たちとは疎遠だったらしい。

屋敷は古く、住むには手入れが必要。こうしたケースではほとんどが相続放棄するらしい。立も放棄を考えるが、とりあえず現地に行ってみることにする。そして、しばらく後に彼女は現地に移住する……。

本作には、ご当地映画らしく、桜などの四季折々に咲き乱れる花々、滝などの自然の景観、阿波踊りなどの魅力的な観光資源が登場する。だが、それだけではない。シャッターの閉まった商店、都会に出ていく若者などのマイナスの話題も隠さずに提示する。

そして特筆すべきことに、この町にベトナム人たちが根を張っていることも描く。最初に立が現地に行った時に宿泊した宿のオーナーの奥さんをはじめ、ベトナム人たちは現地の人々に溶け込み、地域の一員となって一生懸命に生きている。

実際に吉野川市などでは、ベトナムをはじめ、カンボジアインドネシア、ネパール、中国などから来た人々が暮らしているらしい。市では多文化共生を目指して、様々な取り組みを行っているようだ。もはや彼らなしには地域は成立しない。日本の他の地方都市にも、こうした事情は共通しているのだろう。都会では外国人排斥の動きなどもあるが、それを唱える人々はこうした事情を知っているのだろうか?

本作ではベトナム人に焦点を当てているが、彼らの先駆けとなったのが立の叔父の妻ミンさんだ。ベトナムから難民として渡って来て、立の叔父と知り合い結婚した。それにあたっては周囲の強い反対があり、それ以来叔父と親族は疎遠になったらしい。

ミンは同じくベトナムからやってきた人々を中心に、多くの人から慕われていた。彼女は週末、ベトナム料理の店を開き、そこにはたくさんの人が訪れていた。

立は地元の人々と交流を重ね、ミンのことを色々と知り、そしてミンが残したベトナム料理のレシピをもとに再現する。それには、レンコンなどの地元の自然豊かな食材を使った。

そうするうちに、次第に彼女は自分自身に向き合い、生き方を見つめ直す。都会で1人で生きて行こうとしていた時とは違い、人と人とのつながりを大切に考えるようになる。そういうドラマである。

とりたてて大きなことは起きない。山場らしい山場もない。だが、そこには優しく、緩やかで、温かな空気が流れている。それがこの映画の最大の魅力である。

こんな町なら移住してともいいかも。観ているうちに、そう思えても来るから不思議なものだ。地元の良さをステレオタイプに示すのではなく、多面的に様々な側面を提示したからこそ、そういう思いを想起させるのだろう。実にウェルメイドなご当地映画といえる。

主演を務めるのは、中江有里。アイドル的にデビューして、その後女優として活躍し、さらにエッセイや小説を書くようになり、歌手としても活動している。私も若い頃の彼女がけっこう好きだったのだが演技を見るのは久しぶりだ。今回がなんと26年ぶりの映画主演だという。彼女のナチュラルで自然な演技が、この映画にはピタリと合っていた。その優しい笑顔を見るだけで心が癒された。

彼女の話し相手になるちょっと変わった女性を演じる歌手の今陽子、ファンタジックな雰囲気をまとったお遍路さん役のフォークシンガー、大塚まさじの演技も印象的だった。

◆「道草キッチン」
(2025年 日本)(上映時間1時間36分)
監督:白羽弥仁
出演:中江有里、金井浩人、村上穂乃佳、本間淳志、ファム・ティ・フォン・タオ、荒木知佳、芝博文、仁科貴、大塚まさじ今陽子
*K's cinemaほかにて公開中
公式ホームページ https://michikusa-kitchen.com/
(外部のサイトに移動します。外部のサイトの内容については責任を負いませんので)

 

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