石川県白山市に本拠を構え、PC用のディスプレイ、航空管制用モニター、医療用モニター、アミューズメント機器用ディスプレイなど、「映像」に関する様々な事業を展開している「EIZO（東証プライム市場、証券コード：6737）」から株主優待の案内が届きました。

「EIZO」は、1967年に石川県七尾市にて「羽咋電機株式会社」の商号で白黒テレビの下請け生産をスタートさせました。地名に由来する「ナナオ」に商号を変更した後、電子機器の開発・製造・販売を開始。1978年には当時大ブームとなっていた「インベーダーゲーム」の画面をカラー化したテーブル型テレビゲーム機のOEM生産を開始し、これを契機にコンピューター用CRTモニターの製造を始めます。

1985年に初めての自社ブランド製品となる 12型 CRTモニター「7030」を発売。後に自社開発のグラフィックボードとセットで販売された 16インチ CRTモニターの「9070S」は高解像度と品質の高さから大ヒットとなったそうです。興味深いのは先に海外で評価されたという事ですね。海外で高い評価を受けた製品が日本に「逆輸入」される形で日本国内でも EIZO の CRTモニターが認知されるようになったそうです。確かカシオの「G-SHOCK」でも同じ話がありましたね。ああ、これこれ、「この日経XTRENDの記事」です。良かったら読んでみて下さい。

1996年に現在の「EIZO」にブランドを統一し、右の光の 3原色（赤・緑・青）をあしらったロゴが採用されました。それまでは欧州向けに「EIZO」、日本とアメリカ向けに「NANAO」とブランドが分かれていたそうです。

私が初めて EIZO（当時は NANAO）の製品を購入したのは 17インチCRTモニターの「FlexScan T565」でした。購入してから 25年ほど経っており、既に他界した祖母の家に置きっ放しにしているのですが、驚くことに電源を入れればまだちゃんと映ります。これまで EIZO の製品はいくつか買っていますが、故障して使えなくなったのは初めて買った液晶モニターの「L567」だけ。それでさえ故障したと言っても 13年も使えました。EIZO のディスプレイ製品は総じて長持ちしている印象です（EV2785 は液晶画面四隅の変色で一度修理に出しましたが）。

新型コロナ禍によるテレワーク需要の拡大もあって業績を順調に伸ばしていましたが、ここ最近は停滞気味。2025年3月期に於いては航空管制用途や防衛用途向けの販売は好調であったものの、欧州市場の低迷を受け IT投資の先送りなどが顕在化。ヘルスケア市場向けも設備導入の先送りや在庫調整の影響により苦戦した模様です。売上高こそ前年並みを保ったものの、為替の影響などもあって大幅な減益決算となりました。

今期については米国や中国に於いて米国の関税政策による経済減速の影響を見込みつつ、他地域での挽回を経て増収増益を計画しているとのこと。配当も年間 110円を予定しており、12期連続増配となる見込です。そうそう、ここは意外感（失礼）があるかも知れませんがここまで 11期連続となる「増配継続中」銘柄だったりするのですよね。

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■　EIZO の株主優待の内容

すっかり前置きが長くなってしまいましたが、EIZO の株主優待のご紹介に移りましょう（笑）。

EIZO の株主優待は、自社製液晶モニターと関連製品を取り扱うオンラインショッピングサイト「EIZOダイレクト」で製品購入時に使う事のできる割引クーポン券です。割引率が 20％ と高いので、新たに高価な PC用ディスプレイを購入する際には非常に助かるのですが、ディスプレイなんて安いのでいいよって方には残念ながら何の役にも立たない株主優待かも知れません。

旧製品のセール品やアウトレット品に対しても使う事ができるので、タイミングが良ければかなり割安になるのですが、さすがに毎年ディスプレイを買い替えるというわけにはいきませんので、結局使わず仕舞いになってしまう事も多々あります。

株主優待の権利確定月は毎年 3月と 9月の年に 2回です。3月と 9月の末日の時点で 100株（1単元）以上を保有した状態で株主名簿に記載されれば株主総会招集通知や配当金の計算書と共に郵送されてきます。今のところ、長期株主優待制度のようなものはありません。

EIZOダイレクトは、会員登録をしていると割と頻繁に 10％ 程度の割引クーポンを送ってくるのですが、残念ながら更に株主優待クーポンを重ねるという使い方までは出来ません。有効期限は 3月・9月の優待共に翌年の 6月末日までとなります。また、期間中であれば何度でも使用可能です。

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私が愛用してきた EIZO の「EV2740X」「EV2785」「EV2750」「EV2736」については、以前にレビュー記事を書いていますので、使い勝手など気になる方は参考にして頂ければ幸いです。

7年間メインモニターとして使ってきた「EV2785」は、概ね似たようなスペックの「EV2740X」に置き換えました。最近は写真を扱う機会が増えたので、カラーキャリブレーションが可能な「ColorEdge CS2740」辺りに買い換えることも考えましたが、Web閲覧やブログ執筆などで使用する時間の方が圧倒的に長いので、やはり目に優しい（お財布にもｗ）モデルに落ち着きました。

最近は株主総会の様子を配信してくれる企業も増えて来ましたが、EIZO についてはリアルタイム配信とはいかないものの、総会終了後に「こちらのサイト」で招集通知に同封されていた ID とパスワードを入力すれば動画で総会の様子を視聴することが出来るようです。遠方住まいで、おいそれと株主総会に出席できない身としては非常に有り難い流れです。