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車種別の故障/持病を紹介

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10系アクアの故障傾向と中古車選びのポイント

出典:トヨタ自動車HP

経済性と信頼性の高さが光るトヨタの名作コンパクト

はじめに

2011年から2021年まで販売された10系アクアは、発売当初から高い燃費性能と信頼性を武器に、日本中の道路を席巻したコンパクトカーです。トヨタが誇るハイブリッド技術を惜しみなく投入したこのモデルは、リッターあたり20kmを超える燃費性能を日常的に実現できる非常に経済的なクルマ。街中でも郊外でも、見かけない日はないほどの普及率を誇ります。

その優れた燃費性能と軽快な走行性能、そして「軽自動車より広くてパワフル」な点が評価され、若年層の初めてのマイカーとしても、家族のセカンドカーとしても根強い人気を誇っています。しかし、どんな車でも年数が経てば故障リスクは避けられません。今回は10系アクアの代表的な故障傾向や注意点、中古車購入時のチェックポイントを紹介します。

 

目次

 


弱点① ハイブリッドバッテリーの寿命に注意

アクアに搭載されている駆動用のニッケル水素バッテリーは、14万~17万kmほどで寿命を迎えるケースが多いです。しかもその予兆は非常に分かりづらく、「ある日突然」警告灯が点灯し、ハイブリッドシステムが停止することも。走行距離が少ない個体でも、長期間動かされず放置されていた車両では8万km程度でバッテリーがダメになるケースもあるため、年式だけでなく使用状況も大切なチェックポイントです。

逆に、日常的に乗られていた個体では20万kmを超えてもバッテリーが健在な例も珍しくありません。ここで注意したいのが、ハイブリッドバッテリーの冷却系。リアシート左側下部にある吸気口が埃で詰まると、冷却性能が落ちてバッテリーが過熱し、劣化が進行してしまいます。車検や点検の際にはこの吸気口の清掃を整備工場にお願いすると良いでしょう。

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弱点② エンジンからの異音(EGRバルブのトラブル)

エンジン始動時、特に冷えている状態で「カラカラ」といった金属音がする場合は、EGR(排気ガス再循環)バルブの詰まりが原因かもしれません。これは排気ガスの一部を再び吸気側に戻すことで環境負荷を減らす装置ですが、エンジンのON/OFFが頻繁に繰り返されるアクアのようなハイブリッド車では煤が溜まりやすく、異音やアイドリング不調の原因になることがあります。

音が気になる程度であれば洗浄で済む場合もありますが、ひどい場合はバルブごと交換が必要になることも。修理費用は数万円と比較的高くはないものの、放置しておくと他の吸気系にも影響が出てしまう可能性があるため、早めの対応が吉です。

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経年劣化でよくあるその他のトラブル

10年以上前の車両も増えてきた今、以下のような経年劣化に起因するトラブルも目立つようになっています。

  • エアコンの効きが悪い
     ガス漏れやコンプレッサーの劣化により、冷房能力が落ちてしまう例が多いです。特に夏場には注意が必要です。

  • 足回りブッシュの劣化・グリス漏れ
     サスペンションのブッシュ類がヘタってくると、走行時の乗り心地が悪化したり異音が出ることがあります。グリスがにじんでいる場合も要注意。

  • ウォーターポンプの故障
     冷却水の漏れや異音の原因になります。ハイブリッドシステムに悪影響を及ぼす前に早めの交換を。

  • スパークプラグの摩耗
     燃費の悪化や加速性能の低下につながります。定期的な交換が必要です。

  • ハブベアリングの異音
     走行中に「ゴーッ」という異音がする場合、ハブベアリングの摩耗が疑われます。放置すると走行に支障をきたす可能性があります。


アクアの故障に備えるには

基本的にアクアは非常にタフな車です。日常点検や定期点検をしっかり受けていれば、大きなトラブルに発展することは稀です。ただし、ハイブリッドバッテリーだけは避けて通れない消耗部品。交換費用はディーラーで約20万円前後と高額なため、購入時点で保障に入っておくと安心です。

 


中古車購入時に確認すべきポイント

10系アクアの中古車は市場に豊富に出回っており、選択肢は多いですが、以下の点を必ず確認しましょう。

  • 点検整備記録簿の有無
     整備の履歴がきちんと残っている車両は、丁寧に扱われていた証拠です。

  • 前オーナーの使用状況
     距離が少なくても長期放置されていた個体は注意。一方で、距離が伸びていても定期的に使用されていた車両はコンディションが良いことも。

  • ハイブリッドバッテリーの状態
     交換歴があるかどうかは要チェック。未交換で14万kmを超えている場合は、近い将来の出費を覚悟しておきましょう。

  • 異音や警告灯の有無
     試乗できる場合は、エンジンの始動音や走行時の異音などに耳を澄ませてください。

アクアは装備がほとんどオプションで追加するようなグレード構成をとっていました。車体の色を決めたら、たくさんある車体の中でも自分が欲しい装備(LEDヘッドライトやハンドルスイッチの有無など)がついているものをチョイスすると良いでしょう。

また、エアコンのスイッチ類の押しやすさや、液晶パネルの色は中期型(2015年)以降に登録されたモデルからがオススメです。


出典:トヨタ自動車HP

まとめ

10系アクアはその経済性、信頼性、使い勝手の良さから今でも多くの人々に愛され続ける名車です。大きな故障は少なく、日常使いで不安を感じる場面はあまりありませんが、ハイブリッドバッテリーの寿命や日々のメンテナンスには注意が必要です。

中古車として選ぶ際は、整備記録や使用状況をよく確認し、安心して長く乗れる一台を見つけましょう。定期点検を怠らず、少しの気配りを持つことで、アクアはあなたの生活にとって心強いパートナーになってくれるはずです。

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