大阪市立美術館
(2025/10/25-2026/1/12)
西暦2世紀(紀元150年頃)
大理石
像高193cm
ナポリ国立考古学博物館蔵

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ギリシャ神話に登場する巨人アトラスは、オリュンポスの神々との戦いに敗れ、最高神ゼウスから見せしめとして天球を背負うよう命じられた。その悲しい姿が令和の今とても美しかった。
1546年頃、ローマのカラカラ浴場跡で発見され、名門貴族アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿の所有に。その後、同家の宮殿に長く置かれたことから、「ファルネーゼのアトラス」と呼ばれる。1786年、ブルボン家の支配下でナポリに移動。現在はナポリ国立博物館の所蔵となっている。ヘレニズム時代の彫刻をローマ時代に模刻したものとみられ、制作時期は紀元150年頃だという。発掘時に残っていたのは天球と胴体、顔の一部で、手足などは16世紀の補作。当初部分と補作の境目などつい探してしまったのだが、それは仏像愛好家の習性か(笑) そして、なぜか慶派と比べてしまう(苦笑)
このアトラスさま、今も裸で、重い重い天球を背負い続けている。さらに、極東の地、日本に来て、多くの人々の目にさらされていた! ちょっとかわいそう。だけど、私はお会いできて嬉しかった! ご出身地であるローマのカラカラ浴場跡をダーリンと二人で訪ねた日のことも思い出した。だいぶ前の旅の記憶ではある。だが、とてつもなく長い歴史を重ねたアトラス様には、ほんの昨日のことのようだね、と笑われそう。

なお、大阪市美の企画展示「尊きものー神仏の美術」(2025/11/8-12/21)では、浄厳院「阿弥陀聖衆来迎図」(平安11-12世紀 重文)と小童寺「阿弥陀二十五菩薩来迎図」(鎌倉14世紀 重文)がとてもよかった。浄厳院の来迎図は平安の和らぎがあり、一目拝見して私はとろけてしまった。小童寺の来迎図では、二十五菩薩菩薩が山の向こうからぞろぞろとお出ましになる。菩薩それぞれがいきいきと描かれ、来迎への憧れを加速させる。来迎図の隣の部屋には、神戸の古刹、太山寺の羅漢像2幅(14世紀)も。アトラス像はイタリアに帰ってしまうが、大阪市美の仏画はまた拝観の機会がありますように
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