この記事はジンジニアアドベントカレンダー2024 25日目の記事です。
人事選考で安易に使われがちで、避けたほうが良い判断軸の項目に「コミュニケーション能力」や「地頭」があることが良く知られています(要出展)。ここではなぜコミュニケーション能力を問わないほうが良いかについて論じます。
コミュニケーション能力を同質か多様か、能動か受動かという2つの軸で以下の4象限に分けてみます。
内訳をざっと細分化すると以下のようになるでしょうか。
一言でコミュニケーション能力といってもこのように様々な要素が含まれており、個々人の認識のズレも大きいのです。
思っているより多くの人が、上記図の左下の共感する力だけで、自身のコミュニケーション能力に問題がないと考えています。それは、その人が普段属している集団のマジョリティであり、マジョリティである自覚も乏しいからです。
そういう人たちは同質的な環境において近しい人に共感しているだけです。そしてその集団に異質な人が入ってきたときに、得てして相手を理解できず、相手のコミュニケーション能力が乏しいと他責してしまいがちです。
しかし、同質的な相手に共感する力は、大多数の人が備えている最もイージーな能力です。私の様なオタクであっても、同じような人同士であればオタクの早口で盛り上がることができます。
そして、業務コミュニケーション上で重要なのは、それ以外の、理解する力、理解してもらう力、共感してもらう力です。異文化(他職種や他部署や他社等も含む)を理解し、越境でき、他者に能動的に良い影響を与えられる人を求めたいのです。
例えば、ステークホルダーに共感してもらって影響を与えて鼓舞・牽引する力、多様な状況を理解して正しい決断をできること、多様な人に理解を促して仲間になってもらう事、などなどです。「コミュニケーション能力」と一言で片づけるのは難しい様々な能力が内包されており、人によって得手不得手があるでしょう。
組織として多様な人材を受け入れ、活躍できる土壌を整えることは、コラボレーションを促し、生産性を高めるためにも必要なことです。残念ながらあらゆる人を受け入れることはできませんが、受け入れる努力をして、組織の度量を大きくしていくことが競争優位性に繋がります。ですのでそこを担ってくれる人を求めたいところです。単に共感だけできる人を増やしても組織の同質性を高めて先細ってしまうだけです。
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