2025/03/21-23 に中野セントラルパークカンファレンスで開催されたPHPerKaigi 2025 にて、「php-fpm がリクエスト処理する仕組みを追う」を発表してきました。
php-fpm が FastCGI リクエストを処理する仕組みを gdb によるステップ実行デモを中心にお話ししました。
gdb を使ったデモは概ね好評だったようで、仕組みを知ることの楽しさが共有できて嬉しかったです。技術の楽しさを共有できるのはこうしたイベントの良さの一つですね。構想段階ではデモは一部のみにして、スライドによる解説をメインにしようと思っていたのですが、紆余曲折を経てデモをメインにすることにしました。デモは見る側としても面白いですし、やっていても楽しいです。その場の状況に応じて臨機応変に対応しやすいのも良いですね。もちろん、何をデモするかのテーマ選定やシナリオ準備などの手間はありますが、誰かのリアルな操作が見られるのはライブイベントならではだと思うので、機会があれば今後もやりたいなと改めて思いました。
発表会場には多くの方に来ていただいていたようで、後で知ったのですが満員で中に入れない方もいたようです。セッション開始前にはどこからか手拍子が発生して、音楽ライブのように手拍子でセッションを開始を迎えるというレアな経験ができました :)とても良い雰囲気の中で発表することができ、楽しい時間を過ごすことができました。参加していただいたみなさんありがとうございました!
1 分フィードバックのおかげで、fortee でも多くのフィードバックをいただきました。ありがとうございました。とても励みなりますm(_ _)m
今回発表するにあたって、AI ツールをいくつか利用しました。ChatGPT、Cursor は発表アイデアの壁打ちやベース作り(参考のみ)、NotebookLM、Copilot は調査に活用しました。
初期は、資料生成の大部分を Cursor に任せて、自分は調整とデモ部分をやろうと考えていました。試したものの思ったような内容にはならず、なんというか凡庸というか悪くはないけど自分で発表したいとは思わないような内容しか生成できずにこれは断念しました。一方、ChatGPT と含めたレビューには何度も利用していて、やはり迅速に何度でもフィードバックが貰えるのはありがたいです。フィードバックの内容というより、自分が抜けていた視点による指摘がもらえるのが大きいです。
まあ結局はデモ中心の構成になったこともあり、実際に資料を作成するという部分ではそれほど活用できなかったです。毎回作って壊してを繰り返していくうちに最終系を思いつくというパターンが多いので、この思考パターンをうまくコンテクストとして与えられるともっと活用できそうな気はしています。この辺は次回以降にトライしていきたいですね。
調査については、NoteboolLM と Copilot が大活躍でした。NotebookLM には FastCGI ドキュメントや php-fpm(PHP) の FastCGI 処理部分のソースコードを与えて、FastCGI 処理に関するサマリを作ってもらったり質問に答えてもらったりました。NoteboolLM は回答の根拠として元資料の該当部分を示してくれるので自分でもその回答が正しいかを判断できるのが良いですね。元資料に記載がないことは分からないと答えてくれるのも信頼が増します。Copilot は、php-src のコードリーディングで活用しました。コード単体でも読んでいけば分かりますが、やはり処理内容をある程度頭に入れた状態で読むほうが理解が進みます。
調査面ではかなり AI ツールが使えるのは分かっているので、今後は内容の生成や精査により活用していきたいです。個人的には、資料に関しては今後より自動生成が使える場面が広がってくると思うので、よりデモのような人間ならではの部分に力点を置きたいという面もあります。
登壇する際には自分の発表枠の前に PC を接続して事前確認を行います。PC からスライドがプロジェクタで出力されるかはもちろんのこと、会場でのスライドの見え方を確認して、見づらい箇所があれば微調整を行います。
今回も事前確認を行ったのですが、2 つの問題がありました。まずは、MacBook Pro に HDMI ケーブルを差し込んでもミラーリングにならずに画面が出力されない問題がありました。これはコントロールセンターの「画面ミラーリング」で解決しました。もう一つは、会場が明るいために黒背景のコードが見づらいという問題がありました。これは会場の照明を落としていただいたり少し調整してみたのですが、運用の問題もあり、スライドの方を調整することにしました。特に今回はターミナルでデモする予定だったので、ターミナルのテーマもライト系のものに調整しました。
事前確認のおかげで発表時には落ち着いて進めることができました。PC からスライドが表示されるか否かはもちろんのこと、会場での見え方も事前に確認しておくとそれに合わせて調整できるのでやっておくと良いですね。
今回、事前確認に加えて、デモ中ずっとマイクを持っていただいた@blue_goheimochi さんをはじめスタッフのみなさんに助けていただきました。発表できるのは運営のみなさんのおかげですので、本当にありがとうございました!
昨年からfluct 社にて技術サポートとして業務のお手伝いをさせて頂いています。その一環で@konsent_nakka さんと@ryu9555 さんの登壇のお手伝いを微力ながらさせていただきました。具体的にはプロポーザルや発表資料のレビューや壁打ちです。私が関わったのは一部分ですが、プロポーザルを出すところから登壇準備、そして実際の登壇まで見させて頂いたので、結果として素晴らしい発表となったのは側から見ていて感慨深かったです。おつかれさまでした!
個人的には久しぶりの PHPerKaigi だったのですが、楽しい 2 日間でした。中野での開催への参加が初だったのですが、会場自体の良さもそうですし、目の前が公園というローケーションが良くて、春の陽気の中、心地良く過ごすことができました。多くの方とお話しすることもでき、ああカンファレンスはやっぱり良いなとしみじみ感じました。今回も素晴らしいイベントをありがとうございました!
そんな楽しかった PHPerKaigi 2025 について、久しぶりに PHP の現場を収録しました。ゲストは@tomzoh さんと@cakephper さんです。良かったらこちらも聴いてくださいー。
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