タイトルの通りですが .NET Core に対応したということだったので、実際に契約して試してみました。
新しくプロジェクトを作成する画面に .NET Core が出てくるので、それを選んで情報を入力して行けばサクサク作れます。関係ないですが、標準で Let's Encrypt が使えるのは便利ですね。

バージョンは今のところ 1 つだけですが、今後アップデートの度に提供されていくのでしょう。
10 日間は無料で使えるらしいです。コンテナの起動回数で課金されるのはちょっと面白いです。

.NET Core のコンテナと SSH を受けるコンテナは別です。この辺りの構成は App Service で言うところの Kudu に相当する部分という感じです。Linux 版だと SSH 使えますし。
初めて .NET Core が標準でサポートされた日本発サービスを見た気がします。

.NET Core が動くコンテナにアプリケーションを配置する方法は SSH か SFTP だけのようなので、とりあえずローカルでビルドした ASP.NET Core アプリケーションを配置しました。
後は起動コマンドをdotnet ***.dll とでも変更すれば良いと思いましたが、カレントディレクトリを dll がある場所に変更しないと静的コンテンツの配布などで問題が出るので、スクリプトを書きました。
cd /var/app/aspnetcoredotnet ./WebApplication32.dll適当にファイル名を付けて保存して、起動コマンドでスクリプトを呼び出すようにします。

本来ならここでカレントディレクトリの変更まで書きたかったのですが、いろんなパターンを試してもエラーになってしまったので諦めた経緯があります。
ASP.NET Core の ContentRoot は環境変数ASPNETCORE_CONTENTROOT や dotnet-cli に--contentRoot を渡すことでオーバーライド可能だった*1ので、大幅にシンプルなコマンドで扱えるようになりました。
dotnet /var/app/aspnetcore/WebApplication32.dll--contentRoot /var/app/aspnetcore環境変数で設定する場合はASPNETCORE_ が prefix として必要ですが、それ以外の方法で渡す場合は必要ないです。ドキュメントは環境変数しか書いてなかったのでコードを読んで確認しました。
これで ASP.NET Core アプリケーションを動かすことが出来ました。

デプロイの自動化が少し難しそうですが、Azure DevOps などを使って SSH 経由で発行してあげるしかないと思われます。Azure DevOps は SSH でファイルをコピーするタスクがあるので比較的簡単でしょう。
現実的には Git を使ったデプロイを最低限使いたいところです。
Ruby や Node.js は Git を使ってデプロイが出来るようだったので、ビルドスクリプトをカスタマイズすれば ASP.NET Core も同じようにデプロイ出来るのではないかと思って試しました。
結果としては謎のエラーで失敗しましたが、ビルドスクリプトの実行が出来れば上手くいくはずです。
Git を使った場合には current が最新コミットへのシンボリックリンクになるので、その中にあるプロジェクトに対して発行を行ってあげれば良いはずです。単にdotnet publish を実行するだけです。

色々調べたところuser_command.sh というファイルを用意すれば、ビルドスクリプトの置き換えが出来るようだったので、以下のように書きました。
#!/bin/shdotnet publish-c Release-o ../publish
これでgit push を実行すると以下のようなエラーが出てしまいました。空のファイルでも同じエラーだったので、スクリプトで行っている処理は関係ないようです。ちょっと残念。

発行が上手くいけば、ビルドされたアプリケーションは常に/var/app/current/publish に配置されるので、後は起動スクリプトが指す場所を変えれば Git デプロイが出来そうでした。
恐らく大した問題ではないと思うので、いずれエラーが修正されたり Git デプロイが公式にサポートされるのではないかと思っています。安く使える選択肢が広がるのは良いことですね。
上の件を問合せしてみたら、素早く修正してくれたようで git push で ASP.NET Core アプリケーションのビルドとデプロイが行えるようになりました。user_command.sh と起動コマンドは以下のように用意します。
#!/bin/shdotnet publish-c Release-o ../publish
dotnet /var/app/current/publish/***.dll--contentRoot /var/app/current/publishアセット系のビルドが必要な場合はuser_command.sh に追加してください。
これで git push を実行したタイミングでdotnet publish が実行されて、ビルド結果が publish ディレクトリに出力されます。ビルドログも流れてくるので分かりやすいです。

ページにアクセスすると、もちろん git でコミットした内容が反映されています。

これでデプロイまで問題なく行えるようになったので、App Service だと価格が高くてちょっと厳しいと思っていた方でも安く使えるのではないでしょうか。
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