Windows 11 を 22H2 にアップデートしたら「Windows Update が炭素に対応」という迷言が載っていたのでメモ。
訳がイマイチなのですぐに訂正されてしまうと思います。
Windows Updateが炭素に対応するようになりました
Windows 11バージョン 22H2 以降では、Windows Updateは炭素に対応するようになりました。これにより、デバイスで炭素排出量を削減しやすくなります。
苦労していた論文をやっと投稿しました。
今回はちょっと大変でしたが、作業中に助けられたのは信心銘*1の以下の一節。
迷生寂亂 悟無好惡 一切二邊 良由斟酌
迷えば寂乱を生じ、悟れば好悪無し。
一切の二辺、良(まこと)に斟酌に由る。
迷えば静寂と動乱が生じ、悟れば好きも嫌いもない。
全ての対立は、分別によって生じる。
データを眺めていて困ったときはこれを思い出して、思い込みを捨ててあるがまま受け入れるようにしています。
禅の言葉の中では平常心是道(無門巻 第19則)の次くらいに好きな言葉です。
先日、会議で NDA に良く出てくるNeed-to-know 原則 (need-to-know basis)について発言したら、イマイチ通じなかったので、国内ではイマイチ浸透していない単語なのかと思っていろいろ調べてみました。
ちなみにneed-to-know basis というのは以下の平成十二年(2000 年)の防衛庁の資料にもあるとおり、「情報は知る必要のある人のみに伝え、知る必要のない人には伝えない」という原則」です。この資料にもあるとおり、情報セキュリティの用語としては昔から国内でも使われているようです。
防衛庁, "秘密保全体制の見直し・強化について," 秘密保全等対策委員会報告書, p.4, 平成12年10月27日.
情報漏えいのリスクを不必要に高めることを防止するため、いわゆる「need to knowの原則」(「情報は知る必要のある人のみに伝え、知る必要のない人には伝えない」という原則)を徹底し、関係職員の指定に当たっては、秘密に関する事務を行う者として相応しい者を厳正に峻別・限定し、必要最小限の指定にとどめる。
† 英英辞典
有名どころの英英辞典には掲載されていますね。
† 情報処理技術者試験
「情報セキュリティマネジメント試験(レベル2)」シラバス(Ver.3.2)には人的セキュリティ対策の欄に「need-to-know(最小権限)」という記載があるのが確認できます。
上位資格となる「情報処理安全確保支援士試験(レベル4)」シラバス(Ver.2.0)にも、3-8 アカウント管理及びアクセス管理の項目に「need-to-know,need-to-use,最小権限の原則に関する知識」と記載があります。
昨日もらった東電パワーグリッドの点検結果に書かれていた「MΩ(メグオーム)」というのが気になった(点検員の人もメグオームと言ってたので)のでちょっと調べてみました。
僕自身はずっとMΩをメガオームと読んでいたので、この歳になって単位の読み間違えは痛いなぁと思ったのですが、調べててみたらそんな単純な問題ではないようです。
† どっちでもよさそう?
昨日の電気設備に関する技術基準を定める省令でもメガオームって書いてあったので、いろいろとツッコミ所はありますがWikipedia のオームのエントリは、「NIST Guide to the SI, Chapter 9: Rules and Style Conventions for Spelling Unit Names | NIST」ではメグオーム、キルオーム、ヘクタールの3つは例外ということになっています。
確かにヘクタールはヘクトアールと言うことはないですね。ちなみにこれらはあくまでアメリカの標準です。法令はメガオームみたいですし、このあたりあまり統一されていないのかもしれません。アキバで「1キルオームの抵抗ください」というのは通じたりするんですかね。
ちなみにこの文献で引用されているReference [6] は "IEEE/ASTM SI 10-2002 - IEEE/ASTM Standard for Use of the International System of Units (SI): The Modern Metric System" であり、その後継にあたる現時点で最新の規格である " IEEE/ASTM SI 10-2016 - American National Standard for Metric Practice" においても以下の記述が健在であることが確認できました。
" IEEE/ASTM SI 10-2016 - American National Standard for Metric Practice", p.29.
3.5.2 Rules for writing unit names
(中略)
In three cases, the final vowel in the prefix is omitted: "megohm," "kilohm," and "hectare." In all other cases
where the unit name begins with a vowel, both vowels are retained and both are pronounced.
日本感染症学会が変異「種」ではなく変異「株」と正しい用語を使うように報道機関に要請していたのでメモ。
IT関連だと課金とか、ホームページとか、Wiki とか USB とか誤用がそのまま定着してしまった単語もけっこうあったりするので、学会がガツンと言ったというのは良いことなんじゃないですかね。
【重要】変異「種」の誤用について(報道機関 各位)|お知らせ|日本感染症学会
昨年12月19日に英国ボリス・ジョンソン首相から英国で感染力が7割強くなった変異株が出現し、急速に英国内で拡大している声明がだされておりましたが、今月19日には静岡県で市中感染と思われる変異株による症例が確認されております。
これを受けて、国内の報道においては、変異“種”という表現が一部報道機関で統一して用いられているようですが、これは学術的には誤用となりますので、今後は変異“株”と正しく表記していただきたくお願い申し上げます。
最近の BLM 運動で人種差別的な用語を撤廃する動きが続いています。
これを受けて Linux でもブラックリストやスレーブなどの用語を変更することになったようです。
もともと僕は言葉狩りが好きではないですし、ホワイトリスト・ブラックリストはそもそも人種と関係ないと思うんですよね。
なにより過去のドキュメントは消えないわけで、単なるパフォーマンスとしては混乱を招くだけだと思うのですが。
Linuxでも「ブラックリスト」「スレーブ」などの用語を変更へ - CNET Japan
Linus Torvalds氏は米国時間7月10日、Linuxのカーネルコードやドキュメントでの新しい、よりインクルーシブ(包括的)な用語の使用を承認した。
Linux開発者らは今後、master/slave(マスター/スレーブ)やblacklist/whitelist(ブラックリスト/ホワイトリスト)の代わりに新たな用語を使用するよう求められる。
IT 系だと処理の周期を表す用語として年次(ねんじ)、月次(げつじ)、週次(しゅうじ)という言葉があるので、「日次」の読みは「にちじ」と信じて疑ったことがなかったのですが、どうもこれは国語辞典には載っていない読み方みたいなのでメモ。
ネットで使える国語辞典を調べると、日次の読みは「ひがら」「ひつぎ」「ひなみ」みたいですね。意味としてはちゃんと周期としての Daily という意味があるので、漢字としては誤用ではないですが、「にちじ」という読みは俗称のようです。
公文書では句点が「,(カンマ)」になっていますが、これを「、(てん)」に改める検討が始まっているようです。
論文だと和文でも「、。」ではなく「,.」が標準なので、それほど違和感があるとも思っていないんですけどね。
公文書のコンマ「,」見直し検討、民間では広くテン「、」で記載 - ライブドアニュース
公文書の読点に使われている「,」(コンマ)について、文化庁が見直しの検討を始めた。民間では広く「、」(テン)で記載されているが、中央省庁では1952年の通知に従い、コンマで書くようルール化されている。
ちなみに1952年の通知というのは以下の文章でしょうか。
この中の「第3 書き方について」の部分の「5」の「注2」に以下の記載があります。
"公用文改善の趣旨徹底について," 内閣閣甲第16号, 昭和27年4月4日.
注2.句読点は,横書きでは「,」および「。」を用いる。事物を列挙するときには「・」(なかてん)を用いることができる。
総務省の懇談会が過疎の言い換えをしようとしているということがニュースになっていたのでメモ。
総務省の有識者懇談会は2日、人口減少が進む地域を指す「過疎」に代わる用語を検討する方針で一致した。豊かな自然などに魅力を感じる人が増える中、マイナスのイメージがある言葉は実態に合わないと判断した。
この話が出たのは令和元年度 第1回 過疎問題懇談会の資料6 新たな過疎対策の理念についての中にある「過疎」の名称を引き続き使用すべきかという部分ですね。
いつも思うのですが新聞とかの報道はなんで懇談会などの具体的な名称をきちんと報道しないんでしょうかね。
毎回、探すのが大変です。。。。。
文化庁が日本人の名前をローマ字で表記するときに姓名順に表記するように周知をするようです。
ローマ字も「姓-名」表記を=官公庁や報道機関に周知へ-文化庁:時事ドットコム
文化庁は近く、日本人名のローマ字表記を欧米式の「名-姓」ではなく、「姓-名」の順にするよう要請する通知を行政機関などに出す。
僕はメールについてはすでに姓名(LASTNAME Firstname )表記を使っていますが、論文などの場合には姓と名のどちらを先に書くかということについてフォーマットの指定があったりするので、基本的にはそれに従って書くようにしています。ちなみに、この論争については前々から議論にはなっていたらしく、国語審議会の「国際社会に対応する日本語の在り方」(2000年12月8日)には以下のような記載があるので、これを再度周知するということになるようです。
三.国際化に伴うその他の日本語の問題:文部科学省
日本人の姓名については、ローマ字表記においても「姓-名」の順(例えばYamada Haruo)とすることが望ましい。なお、従来の慣習に基づく誤解を防ぐために、姓をすべて大文字とする(YAMADA Haruo)、姓と名の間にコンマを打つ(Yamada,Haruo)などの方法で、「姓-名」の構造を示すことも考えられよう。今後、官公庁や報道機関等において、日本人の姓名をローマ字で表記する場合、並びに学校教育における英語等の指導においても、以上の趣旨が生かされることを希望する。