例のソフトウェア構築演習は今週からは毎週水曜日にアウトプットとして個人進捗管理表と、グループ進捗管理表の提出をお願いしている。今日は、その第1回目の締切日。
このように少しずつではあるが、だんだん演習の内容は実際のソフトウェア開発プロジェクトに近づいてきている。それに伴って、実際のソフトウェア開発プロジェクトにありがちな問題も発生してきているのがなんとも面白い。
中でも最大の問題となりそうなのが「コミュニケーションオーバヘッド」だろうか。
この演習に参加している大多数の被験者はチームで何かをするということをほとんどやったことがない。つまり、情報共有とか、合意形成とか、役割分担とかそういったチームでなにかするときに重要なことが十分認識できていない。
だから、出来る人が何でも抱え込んでしまったり、1人で仮定を置いて突っ走ってしまう人がいたり、利害の対立が解決できなかったり、出来ない人がついていけなくなったりしてしまっている。チームによってはそこでフリクションが発生している様子も見受けられたりする。
事の大小の差はあるかもしれないが、現実で発生している問題も、この演習で発生している問題も基本的には違いがない。このプロセスを考察して、支援ツールを作るとか、最近話題のアジャイルプロセスなんかをうまく適用する話に持っていくと研究としては面白いかもしれない。
この演習はこのように実社会での疑似体験が出来るようにと練ってあるので「進捗管理表を作成する」のような演出はたくさん用意してある。
もちろん、進捗管理表を作らせれば、誰がやっていて、誰がサボっているのか一目瞭然なので、それによって緊張感を持ってもらうという副次的なねらいもないわけじゃないのだが。
なにはともあれ、今後が楽しみだ。
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