IPAが「IT人材白書2010」を発表しています。
情報処理推進機構:プレス発表:記事:「IT人材白書2010」のポイントを紹介
③IT人材の意識と環境
1) 実態とは異なる3Kイメージ
IT人材個人の職場に対する満足感は高い。「満足している」「どちらかと言えば満足している」の合計は休暇の取りやすさ63.2%、職場の雰囲気62.4%、プライベートとの両立60.3%であり、世間で言われる3Kのイメージとは大きく異なる結果となっている。(別紙-図8)
2) IT人材個人の不安原因は将来の不透明さ
回答者の多くは現状の不満より将来への不安を強く持っている。回答者のうち、所属する企業の方向性や将来ビジョンが明確でないと答えた個人は、今後企業が発展、成長すると思えないと考える傾向が強い。また、キャリア形成について、約半数の企業が個人にキャリアプランを明示していない。自身のキャリアアップの責任が企業にあると回答した個人が62.7%に上る一方、個人に責任があると考える企業も61.2%に達しており、意見の相違が生じている。加えて、個人の企業依存は企業規模が大きくなるほど顕著な傾向となっている。
3) 将来を支える専門性の追求が飛躍への道
これからの産業変化の予測について、SaaS、クラウド等新技術が大きな産業変化をもたらすと答えたIT企業は73.2%、国内のIT企業間の競争激化は 90.3%、諸外国との競争力の激化を指摘するのは87.1%だった。これらの環境変化に適応するため、将来の発展を支える専門性をさらに高めることが IT企業や技術者の飛躍の道と考えられる。(別紙-図9)
ITエンジニアの一般的な仕事環境についてまとめられているわけですが、興味深いのは近年すっかり定着してしまった「きつい」「かえれない」「給料が安い」という新3Kのイメージとは異なった結果が出ているということでしょうか。先日、某大学の特別講義で「IT業界は3Kと呼ばれているのが、ちょっと悲しいです」という話をしてきてしまったのですが、こういうデータである程度否定できるものがあるのであれば、これを紹介してあげればよかったなぁ。ただ、この結果は調査対象に大企業が多いというのが多分にあることは否定できないですけど。
不安は現状よりも将来というのは頷けますね。自分自身もそうですが、ちょっと開発から離れていると腕が錆びてしまって、そのたびにやってくる勉強のしなおしが辛く、この作業を将来にわたって続けていけるかどうかという不安を持ちながらみんな仕事をしているようです。あとは海外の脅威とか。