人でない身が住む、どこか懐かしい隠れ里を舞台にした純愛ストーリー。
――迷い込んだのは隠れ里。
いつかどこかで見たような。山と森、川と田畑に囲まれたその村は、懐かしい色と、音と、空気に包まれていた。
日下部真人は学校教師。理想と現実の狭間で自信を無くし、職場からも日常からも逃げ出した彼が向かったのは、幼い頃を過ごした、自然豊かな郷里。だが、そこへ向かう途中、彼は自動車の運転を誤り、谷底へと転落してしまった。
そして、次に彼が目を覚ましたとき、そこは天国でも地獄でもなく……。
迷い込んだのは隠れ里。
人ならぬ身の住む、「この世」から少しずれた場所。そこで真人は何と出会い、何を感じ、何を思い、何を見つけるのか…
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