カラフルな色合いと、繊細だけれども力強いタッチで、独自の世界観を描き出すイラストレーター加藤宗一郎(かとう・そういちろう)。
向坂くじら著『いなくなくならなくならないで』や白井智之著『エレファントヘッド』など、話題書の装丁画も多く手掛けるほか、楽曲アートワークなど活動の場を広げ、注目を集めています。
本作品集では、加藤宗一郎による約 30 点の描きおろし作品をはじめ、今まで手掛けたオリジナル作品やクライアントワークなど 150 点におよぶ作品、創作にまつわる独占インタビューやスケッチも掲載。日英バイリンガル。
物心ついたときから自分を培ってきたであろう感情や性格、外見、他者からの人物像。今まで描いてきた絵柄への執着。
無意識のうちに自分を縛り付けて、それがいつしか苦しみになっていた。
そこから何かを変えようと思うとき、今まで積み上げてきたものを壊す感覚があってそれを想像するのが怖かった。
でも、大きな形は壊れても、その中に確実に形を成しているものがあった。その存在に気づいたとき、その恐怖はなくなって変わることの楽しさに気付くことができた。
いろんな自分があって、いろんな絵柄がある。その中のどこかに壊れない一つがあれば、どんな形にでもなれる気がする。
どんな姿だろうと一つでも壊れないモノがあるならば、それは「あなた」だと言いたい。
そんな気持ちを込めて「化心」というタイトルにしました。
いろんな姿に化けていく作品を、いろんな気持ちでご覧いただければと思います。どうぞお楽しみください。
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