2013年1月期の土曜23時ドラマでは、地上波では初となる19世紀ロシア文学を代表する文豪フョードル・ドストエフスキーの最高傑作「カラマーゾフの兄弟」を原作とした連続ドラマをお届けする。
「カラマーゾフの兄弟」は、さまざまな著名人たちも大絶賛する名作で、「東大教師が新入生にすすめる本」(東京大学出版会刊)でも“東京大学教授が新入生に読ませたい小説No.1”に輝き、2006年に出版された新訳本(光文社刊)は純文学としては異例の100万部(累計)を突破するなど、高い評価を受けている作品。
1月・土ドラで初めてドラマ化されることになる『カラマーゾフの兄弟』は、混沌とした時代に地方都市で起きる殺人事件を軸に、その背景にある過酷な家族問題、若者たちの胸に秘めたマグマのような思い、葛藤、情熱を描きながら、不況、政治混迷、格差社会、教育問題、就職難、先の見えない若者たちといった現代が抱える影をも投影する。そして、ラストに衝撃の真相が待ち受けるハラハラドキドキの心理ミステリーである。
物語の骨格は、“父殺し”という究極の罪。容疑をかけられたのは、血のつながった息子たち。ミステリーの鍵は、追いつめられ変容していく彼らの心の機微であり、哲学であり、せめぎあうギリギリの会話である。父親が象徴するものは、理不尽な現代、のさばる体制…。そして何より人間の底なしのエゴと強欲。
第一部では、事件の日に至るまでの、兄弟ひとりひとりの足跡をたどる。父への“殺意”の芽生えを、幼少にまでさかのぼり、抽出していく。第二部では、事件当日を。第三部では、取り調べから判決までの真相解明を描く。主役は3人の兄弟。テーマは、彼らの“生きざま”、そのもの。自らの“宿命”に立ち向かうか。あるいは、翻弄されるか…。行き着く場所は、“崩壊”か“安穏”か?審判が下る日、彼らは、新たな未来に向かって歩き出す。
原作とは異なり、“日本”が舞台となる土曜ドラマ『カラマーゾフの兄弟』。市原隼人、斎藤工、林遣都の3人が物語の中心となる黒澤家の3兄弟を演じる。主演で次男・黒澤勲を演じるのは、フジテレビ主演が「WATER BOYS 2」以来8年ぶりとなる市原隼人。さまざまな作品での“真摯”かつ“情熱的”な演技がとても印象的な市原は、誰もが認めるその演技力から放たれる熱量で視聴者を魅了してきた。「ROOKIES」などのドラマで“青春のすべて”を熱演した市原が、今回は一転して、クールでニヒルな若手弁護士を演じる。父殺しの容疑をかけられる兄弟の一人として、本心を押し殺して生きてきた次男を、市原がどのように演じるのか非常に興味深い。また、長男・黒澤満を演じる斎藤工は数々のドラマ、映画、舞台に出演してきた実力派俳優。映画情報番組のパーソナリティでは奥深い映画知識を披露するなど活躍の場を広げている斎藤の感性豊かなプレイボーイ役にもご期待いただきたい。三男・黒澤涼役は、俳優デビュー後に数々の新人賞を受賞し、昨年には連ドラ初主演を果たすなど、今後の活躍がますます期待される林遣都。善良なる正義の心を持つ三男が、父親の悪行に悩み苦しむ繊細なキャラクターにも注目いただきたい。
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」衝撃のドラマ化。“土ドラ”ならではの究極のサスペンス・エンタテインメントから目が離せない!
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