2013年冬季 フジテレビ 日剧
江口さん演じる江崎究は、腕は超一流ですが、その人柄に問題を抱えている人物。料理オタクであり、料理に関しては妥協を知らないため、周りの人間はその事で迷惑を被る事もしばしば。料理人である彼にとって大切なことは『素材×調理方法=味』であり、それ 以上でも以下でもないと確信しています。そこにある人間関係や愛情、伝統といった実体のないものは一切必要ないと江崎は考えているのです。
倉科さん演じる辰巳沙織が支配人を務める『ロッカビアンカ』は3ヵ月先まで予約で埋まるほどの人気を誇っており、40席ほどの店内は常連客で賑わい、OLから文化人まで幅広い客層が足しげく通っている名店でした。
この『ロッカビアンカ』は、沙織の父親で、日本におけるイタリアンの草分け的存在として誰しもが知る料理界のカリスマ:辰巳日出男がオープンさせた店です。辰巳の味に惚れ、その背中をひたすら追い続けて彼の右腕となった真面目で愛に溢れる副料理長の今井耕助(松重豊)をはじめ、負けん気の強い性格の武藤はづき(野波麻帆)、スタッフたちの良き理解者であり相談相手でもある前菜担当:浜岡孝太郎(志賀廣太郎)、只今不倫真っ最中のソムリエ:本宮恵理子(柴本幸)、シングルマザーで頑張っているドルチェ担当:大塚弥生(池津祥子)、人に厳しく、自分に甘く、人一倍プライドが高いパスタ·リゾット担当:木村数馬(八嶋智人)や店の古株であり、接客は抜群、ホールスタッフへの教育も申し分ない給仕長:瀬川壮一(ユースケ·サンタマリア)は、皆それぞれの持ち場で生き生きと働き、店はいつも活気に満ち溢れていました。
『ロッカビアンカ』は、当然メディアからも大いに注目されており、人気番組『アイアンシェフ』からは辰巳料理長への番組出演オファーもきていました。『アイアンシェフ』のプロデューサーに会いにスタジオへ出向く沙織。『ロッカビアンカ』のスタッフたちもこの番組なら!と料理長の出演を後押ししました。
そんな矢先、思わぬ事件が起きます。オーナーシェフの辰巳がクモ膜下出血で倒れてしまったのです。手術は成功したものの、意識がいつ戻るかわからないという状態でした。
支配人の沙織は父親の思いを鑑みて、料理長不在のまま店を開け続けます。副料理長の今井も、辰巳が戻ってくるまで、残されたスタッフをまとめながら店の味を守ろうと必死でした。しかし、今井の統率力不足などから当初は店を支えようとやる気だった周りのスタッフもいつしかバラバラになり…。
それから1ヵ月。店にはいままでなかった空席が目立つようになっていきます。表面上はいつものように作業をしているスタッフたちもどこかたるみ、家の事情と嘘をついてまでライバル店に転職する者まで出てきてしまう始末。このままでは店がつぶれてしまうと感じた沙織は、新しい料理長を迎えようと決心します。
そこで彼女が目をつけたのは、江崎究でした。決め手は彼の経歴。イタリアの名店『テレーザ』で修行をしたのは日本人では辰巳ただひとりと言われていましたが、噂ではもうひとり、そこで修行をした日本人がいたとささやかれていました。その人物こそが江崎でした。しかし江崎は、海外の名だたるレストランを渡り歩いてきたにもかかわらず、帰国後は、次々と店をクビになってきたらしく…。
ある夜、常連であるイタリア大使館から、大使夫人が主催する食事会の予約が急きょ入ります。スタッフたちもやる気を出し、久々に店にも活気が戻ります。時を同じくして、江崎が店に訪れました。常連客と同じ料理を注文し、黙々と口に運ぶ江崎。すべての料理を食べ終わった後に、沙織や今井をはじめ、スタッフたちを自分のテーブルに呼びつけた江崎は、驚くべきことを口にし…。
個性豊かな豪華キャスト陣がイタリアンレストランを舞台に繰り広げる群像劇『dinner』。
日々を精一杯生きているすべての人たちに贈る、2013年最初のドラマチック·サンデーにふさわしい渾身の作品にぜひご期待ください!!
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