あの時、確かにあった情景、感情、その記憶。かつて失い、忘れてしまったものに再び出会った時、それはかつてと「同じもの」だろうかーー。
「&Premium」(マガジンハウス)の挿絵や『ブルックリン・フォリーズ』(ポール・オースター)、『明けないで夜』(燃え殻)など書籍の装画、雑誌などエディトリアルを中心に活躍するイラストレーター・原倫子の初作品集。日英バイリンガル。
「見てると本が読みたくなる」寄る辺ない日々と孤独の処方箋。
●序文から抜粋
時々、私の絵を見た人に「こんな経験をしたことを思い出した」と言われることがある。
まったく違う人生を歩んできたはずの他人の記憶。
その人の記憶を揺さぶれたことに堪らない喜びを感じる。
この作品集に『Lost and Found.』と名付けた。
手にとってくれた人の大切な忘れ物が、本の中に備わっていたらいいなと思う。
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