青年を、茂みから躍り出た刺客たちが囲んだ。剣が、弓が彼を狙う。「ティーッ!」ラクシは、渾身の叫び声をあげた。すかさずの抜刀。そして、庭園を走る。間に合うのか?護れるのか?瞬間、ラクシは自問自答し、気づいた。ティーエのもとへ走ればいい、自分の気持ちに素直になればいいということを。その刹那、永遠と思えた二人の距離は、近づいていった…。いよいよ執行されるカリスウェンの処刑。人々の心の奥庭に流れる濁流のような感情が、幾筋も交わる。血が飛び交い、命たちがぶつかり合う。そして、激闘の向こうに見えるわずかな白光とは?超大河ファンタジー、太陽帝国編完結。
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