2020年4月に発売したFLOWERSサウンドドラマCD「ストレリチアの花言葉」に続く花言葉シリーズの第二弾となる本作。
ストレリチアの花言葉と深い繋がりもありますので是非2作合わせてお楽しみください。

◇概要
方喰たまきは少し感傷的だった。日課のガーデニングのお手入れをしながら花々を愛で、語りかける。あなたたち今日も美しいわね、と。
それもいつも通りの光景のはずなのに。
温室のテーブルに座り、やりかけの縫い物を続ける。卒業式が近いからかもしれないわね、とつぶやいた。
たまきにとって今の3年生たちには特に思い入れがあった。手のかかる娘が多かった、ということもあるがその分、ありったけの愛情でぶつかることが出来た。ふと、学院を去ってしまった秋津栞や八代譲葉、小御門ネリネのことを思い出す。元気にしていると佳いのだけれど、と彼女たちのことを想いながらハンカチに刺繍された“MIO　HAGIWARA”という文字を指でなぞった。お前が一番手が掛かったよ、と誰にも聞こえないくらいに小さな声でささやいた。 　
たまきは懐かしさに浸りながら過去の記憶の海を泳ぎ始めた――