かって”化物”とよばれた物の、激しく切ない”情”が、ヒトを・・・そして自らを壊し始める・・・。
いじめられてばかりで抵抗もできない様な、内気な少年。
そんな彼が、かっての幼なじみ・犬塚真琴と再会したところから、物語は始まる。
蘇って来る、かって彼女に抱いていた思い・・・。
しかし。
彼にとっての”今”は、そんな思いを抱く時間を与えてはくれなかった。
彼を付けねらう不良達による、いわれの無い暴行。
思いを寄せていた彼女に、その現場を見られてしまった事による屈辱。
結果、その屈辱が彼の中にある種の”憎しみ”を目覚めさせる。
やがてその憎しみは、彼の心を身体を徐々に奪いながら、
その中に”もう一人の彼”を発芽させてゆく。
まるで虫に寄生し、その存在を奪う・・・冬虫夏草のように。
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