『源氏物語』の話題寛弘5年(1008年)11月1日、土御門殿で催された敦成親王(後一条天皇)の誕生祝いの宴で、公任が紫式部に対して「この辺りに若紫は居られませんか」と声をかけた、という。式部は(光源氏似の人も居ないのに、どうして紫の上が居るものかしら)と思い、その言を聞き流した、と『紫式部日記』に見える。なお、この逸話の条が、本文以外で『源氏物語』に触れられた記録の初見とされる。